「……あ、あぁ…!」
パッフェルの歓喜に震えるその声が、感情の震えを伝えてくる。
きっと彼女はこれまでになく、心を震わせているだろう。
何故なら、ずっとずっと胸に秘めていた想いと感謝を伝えたかった人がようやく、すぐ手の届く場所に、彼女の見ている世界に現れたのだ。
―――海面をすべるように近づいてくる、一隻の船。
風にたなびく髑髏の旗のシンボルは見間違えようもない。
目に焼き付いたみたいにその髑髏から視線を外せなくなって、思考までもが止まり呆然としているあたしの視界の隅で、パッフェルが涙声でマグナに訴えている。
「ま、マグナさん…も、もうちょっとだけ、待ってもらえませんか! 出航を、…も、もう少しだけ、遅らせてほしいんです…!」
「え、ああ、いいよパッフェルさん。 そんなに急ぐこともないし…あの船に、パッフェルさんの会いたかった人が乗ってるのか?」
「ええ、そうなんです…先生が、乗っているんです…!」
―― 『 先生 』 。
その単語に、びくりと肩が震えた。
ネスがあたしの様子に気が付いて、肩に手を置いて”大丈夫か”と声をかけてきてくれたけれど、頷くことでしか反応を返すことができなかった。
―― 『 先生 』 。
【 忘れられた島 】でそう呼ばれていた人の、笑顔を。
やさしさを、勇気を、まるで昨日のことのように、あたしは全部覚えている。
(…ま、さか…)
メルギトスが世界にばらまいた源罪(カルマ)の影響を調べるために訪れた島は、パッフェルだけでなく、本当はあたしもよく知る島だった。
【 無色の派閥 】によって実験体として扱われていた召喚獣たちが集う島。
人間の召喚師を憎むその島の名は、【 忘れられた島 】。
あたしだけでなく、バルレルのハサハもかつてはその島にいた。
メイメイの館で触れた水晶によって突如、あたしたち三人はこの島に飛ばされたのだ――今思えば、メイメイの力と【 喚起の門 】の力が混じり合ったために、飛ばされたのかもしれないが。
(まさ、か)
島は、新たな出会いをもたらしてくれた。
カイル一家。 島の護人。 島の住人たち。
そして―― 『 先生 』 と呼ばれる彼らと、その生徒たち。
『 先生 』 と呼ばれる人は二人いた。
色鮮やかな赤い髪と青い瞳を持った、よく似た姉弟だった。
二人ともやさしくて、温かくて――あたしは、弟の方の 『 先生 』 に、どうしようもなく惹かれてしまったのだ。
「――っ…!」
「え、ご、ご主人さま?!」
さっと身を翻し、飛び込むように船内に戻っていったあたしを、レシィが慌てて呼び止めてくれる。
でも、その声に応える余裕は全くなかった。
割り当てられた部屋に駆け込み、簡易ベッドの布団の中に埋まる。
やがて甲板上が賑やか気配に包まれたことを感じ取れば、何も見たくもなく、何も聞きたたくもなくて必死に耳を塞いで目を閉じた。 どくんどくんと自分の心臓の音がよく響く。
どうかこのまま、このまま何事もなくすべてが過ぎ去ってしまえばいいのにと、ただひたすら祈り続けた。
(だってだって)
(まさか、もう一度会えるなんて――!)
【 忘れられた島 】は、あたしにとって過去の世界でもあった。
若かりしオルドレイクの姿を目にしたとき、この島は、あたしのいた世界との時間軸が大分ずれているのだということに初めて気が付いた。
同時に、怖くもなった。
元の居場所に戻らなくては、一生、マグナたちに会えないのかと思うと、とてもとても怖くなった。 あたしだけじゃない。 バルレルもハサハも、一生、大切な主に会えなくなってしまうのだ――なんとしてでも戻りたかった。
だけど。
『 ―― 、俺はね 』
『 ―― 君の笑顔を守るためなら、剣が折れても、最後まで戦える 』
もう、片想いだけですますことはできなくなっていた。
やさしい笑顔も、やさしい声も。
戦うことが好きじゃないやさしい人を、あたしはとても好きになってしまって。
「…――――、レックス…っ」
なのに。
やさしい笑顔も、やさしい声も。
戦うことが好きじゃないやさしい人を、あたしは選ぶことができなかった。
全ての戦いが終わってからメイメイの力で元の世界に戻ることを望んだ…世界が光に溶けていく寸前に見た、彼の哀しい笑顔だけを目に焼き付けて。
聖王国に戻ったときは時間の経過がまったく変化がなく。
メイメイの館で憔悴しきって倒れていたあたしたちを心配して、マグナたちはそれはもう大騒ぎだった。
それからは、後悔と、罪悪感と、恋慕の情が胸に渦巻いて、息が苦しい日々だった。
すべて背負っていくと決めたはずなのに、手に持つことすら苦しくて苦しくて堪らなかった。 思い出すだけでも辛かった。 でも、忘れることのほうがもっともっと辛くて、どうしても捨てきれず今も胸に残したまま日々を過ごしていれば。
再び訪れることになった【 忘れられた島 】で、ナップたちと再会した。
パッフェルがあのヘイゼルだったことに驚いて。
小さな子供だった生徒たち皆、大人になっていて。
【 果てしなき蒼 】(ウィスタリアス)を手にしたレックスとアティは、護人たちを連れて各地を回っていると聞いて、ああ、彼らは確かに今も生きてくれているのかと、とてもとても嬉しかったのに。
(会えない)
レックスには会えないと、思った。
どんな顔をして会えばいい。
どんなことを話せばいい。
あたしの弱い心のせいで、あの人を傷つけてしまったのに。
(会いたくない…!)
ただただ、早く船が動き出すことを祈るしかなかった。
会いたい気持ちがないというのは嘘になるが、会うことのほうが怖い。
あれから二十年は経っているだろうから忘れられているのかも知れない。 忘れてくれているのなら、それでいい。 けれど、何かの拍子に思い出してしまって彼のわずかな負担になることも、嫌だ。
「――おねえ、ちゃん…?」
「オイ、何引きこもってやがんだよ」
扉の向こうから、バルレルとハサハの声が聞こえた。
それにぎくりと身を強張らせていれば、バルレルがガンッと扉を蹴る音が聞こえた。
まずい、あれは相当イライラしているときの動きだ。
でもあたしは出ていくわけにもいかなくて、「ちょっと調子が悪くって…」などと言ってみると、「ふっざけたこと言ってんじゃねえぞオラァ!」と、今度はドガァッ!と扉を蹴破られた。 ひー怖い、怖すぎる!
「な、ななな…!」
蝶番ごと吹っ飛んだ扉が、海の波の動きに合わせてぎいぎいと耳障りな音をたてて哀れに揺れている。
けれどそれどころではない。
大人の姿に戻ったバルレルがものすごいギラギラした目で見降ろしてくる。
なんていうか、このままくびり殺されちゃうんじゃないかっていうくらい、怒った目だ。 それが魔眼ふくめて三つもあるもんだから、あたしはアワワワワと縮み上がるしかない。
「なぁに、やってんだよテメーは」
「バ、バルレル…」
「おねえ…ちゃん…せんせい、が待ってる、よ…?」
ハサハの口から出てきた『 せんせい 』の単語に、全身から血の気が引いて行ったのが分かった。
口唇が震える。
寝台の中でますますうずくまって、首を横に振ることしかできないあたしの頭をハサハがやさしく撫でてくれた――ああ、そういえば、元の世界に帰ってきたばかりの頃は、身勝手にレックスのことを想って泣くことの多かったあたしの頭をハサハはよくこうして撫でてくれていた。 バルレルも、なんだかんだ文句を言いながら傍にいてくれていたりもした。
誰よりもあたしの気持ちを分かってくれたこの二人が、レックスに会えと言ってくれているのに、それでも。
「だ、め…」
「…おねえちゃん…」
「会えない、こわ、い…っ」
ぼろぼろとみっともなく泣き出してしまうのは、いまだに彼を忘れられなかったからか。
それとも会いたい、会いたい、と心が望んでいるからか。
自分の気持ちが分からなくて、息ができない。 でも、身勝手なことばかりを望むあたしには会う資格すらないのに、どうして会えようか。
ぐすぐすと泣いて泣いて、泣いてばかりのあたしの頭上で舌うちが聞こえた。
そろりと視線を上げると、三つの目が完全に苛立った眼差しをあたしに向けている。 魔王、と呼ばれるに相応しいその眼力の強さに思わず涙が引っ込んでしまったと思ったら、バルレルの腕がぬっと伸びてきた。
「え、ちょ、ちょ――きゃああっ?!」
「いつまでもぐずぐずしてんじゃねえよ、バカか」
お荷物よろしくと言わんばかりに肩に担ぎあげられた。
突然高くなかった視点が怖くなって慌ててバルレルの肩や髪を掴んで不安定さから逃れようとするも、バルレルはあたしの抗議も抵抗も全て無視して、甲板を目指してずんずんと歩いていく。
甲板に出る扉は開けっ放しになっているのか。
近づくにつれ潮の匂いが強くなって、同時に焦りが浮かんでまた体が震え始めた。
「やだ、やだやだやめてよバルレル!」
「うっせぇ、黙って担がれてろ」
「お、お願い…おねがい、会えないの。 謝ることもできないの。 あたし、何も言えない…っ」
「何も言わなくていいだろーが。 あっちが勝手に言うだろうよ」
あっち、って。
それが誰なのか聞くまでもないのに、そのことを考えるだけで眩暈がした。
すがるようにバルレルの首に腕をまわして赤い髪に顔を埋める。
泣き声ばかりこぼし始めるあたしに「観念するんだな」とばっさり切り捨てる彼が、とてもとても憎らしい。
「うっ…ひ、っく…ひ、ひどい…」
「おーおー、好きなだけ泣き喚け。 どーせ、あとから…っと」
ざあっと吹きつける潮風が、あたしの髪もバルレルの髪も大きくさらっていった。
甲板に出たのだ。
ハサハに付き添われ、バルレルに担がれた状態で現れたあたしの姿に、ケイナやモーリン、レナードやフォルテが目を丸くしていた。
それはネスもリューグもロッカも、ミニスもルウも、同じだ。
マグナとトリスも不思議そうな声であたしを呼ぶ。 けれどあたしは誰の視線にも、誰の声にも息をすることができなくてただひたすら、暖かい太陽の光から目を背けるように、バルレルの髪にしがみついた。
「バ、ル…」
こわい。 こわい。
どんな顔をして会えばいい。
どんな言葉を出せばいい。
あなたは笑って「久しぶり」と言ってくれるだろうか。
どうすればいいの。 どうすれば―――。
「―――――、…?」
「っ…!」
それは懐かしいと思うほどに渇望した、彼の声だった。
あのときと変わらない低音。 やさしい音。
呼ばれるだけで体が震えて、ぎゅうっときつく目を閉じてバルレルの髪にしがみつく。 背を丸めて、何も視界にいれたくないのだと言わんばかり、対等の友人とも呼べる悪魔にしがみついた。
けれど。
「――オイ。 テメエから預かってた荷物、返すぞ」
それは、”彼”に向けての言葉だった。
でも…、荷物?
一体、何のこと…。
「…今度は離したら、返さねえからな」
バルレルの声がひそりと、あたしの耳に囁かれる。
言葉の意味を考える間もなく強い力であたしの体はバルレルから引き離されてしまった。
ずっと浮いていたつま先が床につく。
なんとしてでもバルレルにしがみつこうと両腕を必死にのばそうとすれば、「バーカ」と彼にしては優しく笑った顔と声で、逆にどんっと突き飛ばされてしまった。
「――あ、」
体が、安定を失って後方に傾く。
自然と見上げる形になったあたしの目には気持ちのいい青空が映った。
きれいな空だった。 まるで”彼”の瞳のように、やさしくて、きれい。
その空へと手をのばそうとすれば、ふわりと、後ろから伸びた腕の指があたしの指に絡んで、しっかりとした力であたしの体を抱きとめた。
「――――――、」
耳元で、名を呼ばれた。
そのまま閉じ込めるように後ろから抱きすくめられて、また、息ができなくなる。
肩に顔を伏せたのか視界の隅に赤い髪の鮮やかな色を見つけて――涙が、でた。
「会いたかった」
「……れ、…くす…」
「ずっと、会いたかったんだ――、」
やさしい、声だった。
あのときと全く変わらない、レックスの声だった。
それは耳を通してあたしの中に染み込んで、心をぐわんと震わせる。
なんだか立っていられなくなって膝の力がガクンと抜けてしまっても、レックスがあたしを支えてくれて倒れることはなかった。 でも、一人じゃ立てなくなってしまったあたしの体の向きを変えて、今度は胸に抱きしめるようにして腕の力を込めた。
レックスの肩越しに、明るい太陽と海が見える。
そこにはまったく姿が変わっていないアティと、ヤッファと、アルディラと、キュウマと、ファリエルの姿があった。
彼らの傍には金色の髪をした、貫禄のある中年の男と美女の姿もある。 以前には見たことのなかった荒くれ者の風貌をした男たちの姿もある。 けれど彼らが何者なのか十分に想像できた――二十年も、経っているのだから。
それでも変わらぬ絆を目にしてまた涙が止まらなくなった。
「みん、な…」
「君も、変わらないな…あのときの姿のままだ」
「…レッ、クス」
「――もっとよく、顔を見せてほしい」
ずるり、と崩れそうなあたしの体を床にそっと座らせて。
レックスの両手が、あたしの頬に添えられる。
そうしてあたしが見たものは――まったく変わらない、あのときのレックスがそのままそこにいた。 思わず言葉を失ってしまうあたしに、レックスは困ったように笑った。
「…ウィスタリアスの力で歳をとらなくなったんだ。 だから、全然変わっていないだろう?」
「レックス…」
歳を取らない彼の姿のことは、どうでもよかった。
ただ、本当に。
目の前にいるのは本当に、レックスだった。
その事実が嬉しい。 うれしい。 どうしようもなく。 あれだけ会うのを怖がっていたのに、こんなにも嬉しくて仕方がなくて、自分の馬鹿さ加減に呆れる一方で、ただただ、バルレルとハサハに感謝した。
「島が魔剣と繋がりが深いから……って、それはあとで説明するとして…うわっ」
胸に顔をうずめるあたしに驚いたレックスの声が、耳に心地いい。
こうして話ができることがまたどうしようもなく嬉しくて、あたしはぎゅっとレックスの胸にしがみついた。 ぼろぼろと止まらぬ涙で彼の服を濡らしてしまったけれど、レックスもあたしの体を抱きしめて、「」と名前を呼んでくれた。
ああ、ただそれだけのことがこんなにも幸せで、うれしい。
「レックス…レックス…!」
「…本当に、会いたかった。
が未来にいると分かってたから、ずっと探してた。
君は俺に会いたくなかったかもしれないけれど、俺は、ずっと君に会いたくて」
「…あ、あたしも、本当は、ほんとうは…!」
会いたかった。
会えない、会えないと口で言っても、やっぱりあたしはこの人に会いたかったのだ。
それを、ハサハとバルレルは見抜いてくれていた。
だからあんな強引に、閉じこもろうとしてたあたしを連れ出してくれたのだ。 ここで会わなかったら、あたしが一生後悔をするだろうと。
「レックスに会いたかった…!」
「っ……!」
「おーいレックス、口説くんなら部屋の中でやれよなー」
突如割り込んできた中年男に、あたしはぎょっと身を固くした。
にやにやと楽しげに笑った顔は愛嬌もあって、男前だ。
レックスの頭に腕を置いて、あたしの顔を覗き込んでくる男の目はきらきらとした好奇心に満ち溢れていて、「ひっさしぶりだなー」と陽気に笑ったその顔にあたしもつい笑みがこぼれた。
「カイル、だよね?」
「正解! そういうお前は全然変わってねえよな。 ほら、ソノラもこいよ」
「もう! アニキ、二人の邪魔するなんて最低だよ! …でも、久しぶり! 私も会いたかった〜」
「ソノラ?! うわ、すごく美人に育っちゃって…」
「――ちょっと待つんだ、。 彼らと君は一体どういう関係なんだ」
さっきまで呆然としていたネスが、難しい顔で座り込んだあたしたちを見下ろす。
特にあたしを抱きしめたままのレックスを見る目がいやに冷たいような。
あたしもあたしでなんだか訳が分からなくなってきて、どこからどう説明すればいいのか、果たして信じてもらえるのか、眩暈にくらくらしてきた。
「ええっと、なんといえばいいのか…これには深い理由が」
「あ、それは私のほうから説明しておきますよ、」
アティがにこやかな笑顔のまま、ひょっこりと顔を出した。
一対の剣となったウィスタリアスのもう一人の所持者。 彼女もレックスと同じで何も変わっていなくて、思わずまた泣きそうになりながら見上げていれば、アティはにこにこ笑顔をそのままに、ネスと真正面から向かい合う。
「初めまして、私はレックスの姉のアティです」
「…ネスティ・バスクだ。 【 蒼の派閥 】の召喚師。 それで、そのレックスという彼はと一体どんな関係が? 旧友とはいえど、少し気安すぎではないだろうか」
「いえいえ、これには二十年分の再会の喜びも詰まっているんです。 だから少し、大目にみてあげてほしいのですが…」
「す、すごいアティ…ネスのあのブリザードを難なく受け止めて流すだなんて…!」
「? 、ぶりざぁど、って何だい?」
「えーと、吹雪っていうか、ネスの冷たい眼力っていうか…って、あの、レックス…そろそろ離してほしい、かも…恥ずかしくて…」
「――じゃあ、今夜は一緒にいてもいいかな?」
「えええぇ?!!!」
「モーリン! モーリンじゃねえか?!」
「あ、ほんとだモーリンだー!」
「うぇ、お、叔父さん?! ソノラ姉さんまで何でこんなところにいるんだい?!」
「…へえ、あれがの言ってた融機人(ベイガー)の青年なのね。 確かに今は融機人じゃないみたいだけど、どうやって人間に転生したのかしら…」
「アルディラ、興味が沸くのは仕方がねえが眼鏡光らせんのやめろ……お、メトラルのガキもいるなぁ。 アイツ、角がねえけどどうしたんだ?」
「ヤッファ殿…よしたほうがいいですよ。 ヤッファ殿の目に子供がおびえて今にも泣きそうになっています」
「…あの女の子からフレイズと似た物を感じる…?
この強い力は…あ、豊穣の天使アルミネ…かな? どうしよう、フレイズ嬉しすぎて卒倒しちゃうんじゃないかなぁ…」
「あー、なんか収集つかなくなってきたなぁ〜」
「お兄ちゃん、今日は島にお泊りさせてもらったほうがいいかもね〜」
「わ、私、そっちのほうがいいです! 大賛成です! 先生たちともっとお話がしたいですぅー!」
「あんなパッフェル、わたし、初めてみたわ…」
「ミニス、俺も同じだぜ…よーっし、碇(いかり)をおろすぞー! カザミネ、リューグ、ロッカ、レオルド、手伝えよー!」
「あいつらホント、やかましいったらねえな…」
「バルレル、おにいちゃん…」
「んだよ?」
「おねえちゃん…笑ってる…良かった、ね?」
「ッケ。 これでよーやく、メデタシメデタシってやつかよ。 面白くねえったら…」
「……お口、笑ってるよ? おにいちゃん…」
「うるっせー!」