響く声 それはかつて、温かさを教えてくれた 第63夜 ―――どれくらいの時間が経ったのだろうか。 砂から突出している大きな岩壁にもたれ、長い両足を大きく投げ出して身体全体の力を抜く。 ゆっくりと呼吸を繰り返し、気を抜けば忍び寄る睡魔に意識を奪われそうになり、わざと牙を剥いて唇を噛むと血の味が口内に広がった。 どっと押し寄せてくる疲労感に気だるげな目を見せながらも、バルレルは再び姿を見せた、丸く満ちた月を見上げていた。 (・・月) 青白い光を放つ月に・・・以前、が”何でずっと満月なんだろねー”とぼやいていた姿を思い出す。 だが月が丸くても四角くても興味がなかったので聞き流したバルレルの代わりに、通りかかった甘味召喚師ギブソン・ジラールが苦笑して。 <月がずっと満ちているのは、この世界に魔力(マナ)が満ちているからだそうだ> ・・・・しかしそれは多く唱えられている一説で、”定かではないけれどね”と甘味召喚師はに笑っていた。 はそれにへぇーと声を洩らし、”リィンバウムに萌が満ちてるのは知ってんだけどね!”と、爽やかに訳のわからない発言をして周囲に首を傾げさせていたが。(てかモエって何だ) つーか結局誰も知らねーんじゃねぇかと、バルレルはソファで寝返りを打って惰眠を貪った。 ・・・・・・それはゼラムを出る前の、数十分の些細な出来事。 月から視線を下げ、眼前にある広大な海に視点を捉えると、水面は絶えることなく緩やかに揺れ、白い飛沫をたてる波は寄せては引くを繰り返す。 それは月の光に照らされて一際美しい情景を演出している・・本当に、ため息が出るほど美しい。 だがバルレルはそれらを興味なさそうに眺め、今度は自分の広い掌(てのひら)を見つめた。 身体の力が入らず動かない (・・チッ、まだ戻らねぇか) 誓約を破り魔力を相当消費したようだ・・少なく見積もっても、あれから1時間以上経っただろう。 だが、とにもかくにも自分の魔力を戒めていたトリスの誓約は解けたのだ。 このままリィンバウムをさ迷ってもいいだろうし、召喚師を捕まえて霊界・サプレスに送還させるのもいい。(誓約が生きていると自分の世界に戻れないが、誓約は完璧に死んだからそれも可能だ) このまま離れても、何ら支障は ”早く! あたしにはまだやることがあるから!” ・・・・・・炎によって燃え落ちて行く村の中で。 恐怖と緊張に瞳を揺らしながら彼女が叫んだ言葉が脳裏に色濃く甦る。 共に逃げようという誘いの手を振り払い、己を奮い立たせるかのような言葉。 バルレルが握った細い手は震えていた。 けれど彼女は、握ったバルレルの手を一度強く握り返し、呟く。 今思えば、あれは生き延びることだったのではないかと思う。 どこかであの瞳を見たような、既視感が脳裏に閃いた瞬間でもある。 (・・いや、んな訳ねぇ・・見たことがあるはずが・・) 燃え落ちたあの村で、初めて出会ったはずだ。 たとえ初めて見た瞬間に、片時も瞳が離せなかったくらいの姿が鮮やかに映ったとしても (・・ 自分のやるべきこと。 そんなものはない。 トリスに召喚され、誓約に縛られていたから一緒にいただけだ。 立ち上がろうと足に力を入れる。 だが予想以上に身体が重い・・誓約を無理に解いた影響なのだろうか。 力をこめてもすぐに身体が傾き、柔らかな砂の上に大きく倒れてしまう。 何度繰り返してもそれは同じ “あたしが死んでも、悲しまないでね” 声からしてに似ているが、もっと、別の誰かということはわかっている。 それは自分が声の主を知っていたからだ。 忘れてはいけないはずの記憶に蓋が閉じられているように、 鎖で絡めとられているように・・・・・・・自分の記憶の一部が強く封じられている。 “思い出すな”といわんばかりに、蓋をしっかりと閉めている。 「くそっ」 毒づきながらも起き上がり、再び大きな岩壁に背を預けた。 まだしばらくは派手に動けないようだ。 それなら無理に動かず、このまま体力が戻るのを待ってから行動したほうがいい。 ” 言葉が、響いて。 バルレルの中に静かに満ちていく。 との他愛のない会話が、思い出せない声の主との記憶を補うように、ゆっくりと・・・・・けれど確実に満ちて埋めていく。 それにどこか安心感を覚えてしまうのは何故 (違う・・許すな・・) 人間に心を許しても 最後に傷つくのは自分だ 前の召喚主に実験のため刻まれた背中にある傷がそう叫ぶ。 笑いながら、己の身体を刻んだ男。 痛みに叫ぶ自分を完全に実験体としか見ていない、背筋も凍るようなあの暗い瞳で、男は短剣で背中を刻みバルレルの魔力を引き出し続けた。 それは今になっても憎く、再び出会う時があるなら殺してやりたいほど。 瀕死になるまで痛めつけ、けれど決して死なせない。 苦しみを全てその身に刻むまで。 (人間・・) 心の中に満ちる怒りに、長い赤髪がざわりと揺れた。 風はバルレルを中心に荒く吹きつけ、砂浜の砂も風に煽られてさざめき、 広大な海の水面も風に吹かれ波が大きく波紋を描き揺らめいている。 ・・・その様は、海が震えているようだ。 「 全てを、壊してやる 人間は、最低で、欲に取り憑かれている 悪魔も欲を求め人間を堕とす・・人間と変わりない部分もある だが人間は、集まればさらに質の悪い集団へと生まれ変わる 命を張っても護ろうとしている者を、容赦なく叩き潰す。 「 あの時、壊そうとしたように (それはいつだったか思い出せないが) あの時に駆られた感情のまま、壊そうとしたように (それは憎しみを越えた感情だ) 今度こそ、愚かな人間が溢れたこの世界を 「 突如割り込んだ、穏やか声が彼を諌(いさ)めた。 3つの赤い瞳に獣のような光を灯しながら声の主を見やれば、少年の姿を捉えた。 幼さが色濃く映る外見だが、瞳はまるで数十年以上生きた人間のような・・達観した青の瞳。 子供特有の高いトーンの声で少年は続ける。 「ここで君が怒れば、この街が壊れる」 バルレルの魔力で荒れた風が少年のくすんだ金色の髪を大きく揺らした。 彼の衣服の裾や袖が煽られて激しく揺れる マグナやトリス、ネスティ達の衣服にもついている 「蒼の派閥のガキかよ」 「誓約を無理に破ったばかりでまだこんなに魔力が残っているなんてね。 ・・・・やっぱり、【 狂嵐の魔公子 】の名は伊達じゃない」 「・・俺を知ってんのか・・」 彼は穏やかな笑みを浮かべて、警戒のため身構えるバルレルに歩み寄った。 どことなく高貴な身分を思わせる気品と、隙のない身のこなしを伴う少年が、恐れることも躊躇することもなくバルレルの傍らへと。 「でも負担がないわけじゃないよね 睨むように少年を見ても、少年は変わらず笑顔だ。 怒ることも泣くこともなくただ穏やかに笑みを浮かべて、砂浜に座り込んでいるバルレルから視線を外さない。 だが、次にはその笑みを別物の笑みへと変えた。 少年の笑みではない 「僕の名はエクス・プリマス・ドラウニー。 これでも蒼の派閥の総帥をやらせてもらっているんだ」 名を名乗った瞬間の笑みは威厳さえ感じさせる。 それはまさに、【 総帥 】に相応しい しかし次には“よろしく”と屈託のない表情で笑う彼を見て、バルレルは皮肉な笑みを浮かべる。 「その姿・・術で変えてんのかよ」 「変えてるっていうものじゃないけど・・でも本当の姿じゃないってことは確かかな」 言葉を肯定するエクスに、バルレルは嘲笑うかのように軽く鼻を鳴らし。 「・・・で? 何で俺の前に来た」 今度は、ただ首を振って否定する。 「怒りに満ちた、歪んだ魔力を感じたから様子見に来ただけだよ。 ・・・・最近悪魔が多いから変な悪魔が出たのかと思ってね」 “変な悪魔で悪かったな”と言い返せばエクスは声に出して笑って、 一拍間をおいてから付け加える。 「それにここはマグナさん達がいる場所からとても近い。 ・・彼らの身に何かあるのも困るからね」 「監視してんのか」 「それはネスティ・バスクがやっているよ。 ・・最も、僕はそんな事を命じた覚えもないからそこの所もどうにかしなくちゃと思っているし、ラウル・バスクも心配しているから彼を解放してあげたいとも思っている」 エクスの言葉に、バルレルは眉宇を歪めた。 ・・・つまり彼の部下が勝手に、ネスティに監視の命令をだしているということか? だがそれよりもマグナ達が監視されるということはどういうことだ? ・・あのお人よし達は派閥でも扱いが良くなかったが何かやらかしたか 思索にふけるバルレルの姿に考えていることがわかったのか、エクスは再び笑んで。 「ああ、マグナさん達は何もしていないよ・・ただ彼らの血に色々とあってね。 そのことで彼らに良くない感情を持つ人間が多いんだよ」 「 ・・なんかの血統かよ」 「うんまぁ、そんな感じ エクスの言葉が終わると同時に、バルレルは砂を握り締めるとそのままそれを彼にぶつけた。 砂は豪雨のごとくエクスに降りかかり、避けることもしなかった(出来なかった?)エクスは砂まみれで”あーあ”と衣服にかぶっている砂を払う。 「俺に近づくな」 威嚇するバルレルを余所に、エクスは髪や服についた砂を払い除けて、 今度は呆れた風に彼を見た。 その目には恐怖も好奇心も何もなく、ただの呆れだけがある。 「もぅ、子供じゃないんだから駄々こねないで欲しいんだけど・・」 「ふざけんじゃねぇぞクソガキ・・俺を誓約で縛ろうってか?」 「うん。 でも僕が主になるわけじゃない・・トリスさんの誓約を戻すだけさ」 疑問が脳裏を掠める。 だがバルレルに偽って支配下に置こうとしているのかもしれない。 子供の姿だがそれでもただの子供じゃないことは一目見て分かるし、本人も【 総帥 】の名を 語っているのだ 召喚術の知識と強力な魔力を持つ人間なら主以外に誓約を修復することも可能かもしれないが、・・・・・・・・それでも人間なら、強力な召喚獣は手元に置きたがるはずだ。 奴らは悪魔とはまた違った意味で欲深い。 「あ、その目は疑ってるね。 僕は本当に君がいなくてもいいんだってば。 ただトリスさんはそうはいかない・・これからのことに君の力が必要なんだよ」 「・・俺が人間は嫌いだと言っていてもか」 いつトリス達を殺すかわからないぞと言うような意味をこめてそう問えば、 エクスは目を細めて、首を横に振る。 「誓約がある限り召喚獣は召喚師を殺すことが出来ない・・永遠に帰れなくなるからね。 それに君には誓約云々がなくても、彼らを殺せないよ」 「召喚獣を道具としか思ってねぇ奴らの親玉がよく言うぜ。 お前も総帥なら・・使役する立場だったら使役される側の感情を、 一度や二度は感じたことがあるだろうがッ」 故郷から引き離された、その怒り、憎しみ、悲しみ 自由を奪われた者の、その怒り、憎しみ、悲しみ 召喚されて喜ぶ者もいるだろう・・それは本人にとって主が<良い主>だからだ 召喚主がどんな人間かだけで、雲泥の差が出てくることもある ・・・・自分達が人間と同じ”生きている者”だということを忘れている主は、最悪だ 「何度も見たよ・・何度も感じたこともある・・あれらは本当に激しい感情だ」 「俺はそんなモノをいつも抱えてるぜ。 あいつらを守るどころか、寧ろ殺す側に立つかもな」 エクスは少し考えて“確かにそうかもしれないけど”と肩を竦める。 「でも今の主を持った君には・・彼らと共に過ごした君には無理だよ」 「・・・・・・なんだと」 エクスの目が再び細められた。 「確かに君は人間を殺せるだろう 「知った風な口をきくんじゃねえッ!!」 「彼らは君の憎む人間だけど、喧嘩をすることがあっても嫌いになることがあっても。 ・・・・・けれど今、本当に憎む感情を彼らに持っていないはずだ」 ・・・・・何だ、この子供は 指摘に、身体が強張った。 青い瞳に見つめられ、見透かされているのかと錯覚してしまうくらいに。 「君は、彼らに好感を持っている・・。 ふとしたことで共に過ごした些細な出来事を思い出してしまうくらいに」 ”何でずっと満月なんだろねー” 「・・君の中に、彼らの中に芽生えている感情は温かなもののはずだ」 ”だってバルレルは痛い事知ってるからね” 「マグナさんやトリスさん、さん達を・・君は好きになっているはずだ」 バルレルでさえ、自覚していなかったことを。 ・・・彼らは、違うのだと 彼らなら、護ってやってもいいと思ってしまっていることを 「っ、黙れ・・」 「・・人間に心を許してしまうことが怖い?」 「黙れッ」 「心を許して 「違うッ!!」 ・・心を許して、<傷つけられた>経験がないわけじゃない。 だが “ 傷つけられるのも痛い。 だが自分を想って突き放す相手のその想いは、そうそう感じられるものではない。 ・・・感じることが滅多にないから、だからなおさら”痛い”のだ。 あんな想いは、もう二度とごめんだ 唇を噛んで、バルレルはエクスを睨み上げた。 青い瞳は相変わらずバルレルを見下ろしている・・そこに微かに映るのは、哀れみなのかわからない。 「・・大切な人を失った?」 「俺の前から、消えろ」 「・・人間は欲深く愚かだ・・それはどの召喚獣達から見てもそう映るだろうね。 僕もそれは否定しないよ」 エクスはふっ、と目を伏せた。 耳には波の音が響き渡り、冬がさらに近づいてくることを示すかのように冷気を帯びた、潮を含んだ風が髪を、頬をすべるように撫でていく。 「けれどそれの全てが人間というわけじゃない 君も、僕も、人間と同じ 「数え切れない想いを持つことも出来る、感じることも出来る・・それはとても尊いものだ。 種族に関係なく、とてもとても尊いものだ 人間を好きだという召喚獣もいるし、嫌いだという召喚獣もいる。 「・・・」 「その人がどんな人なるかは、それらを形作るのはその人の今まで過ごした時間だ。 どう生きて、どう考え、傷ついて、幸せで、歪んで、真っ直ぐに生きてきたか・・、誰にも理解できないから、だからこそ理解したいと思うんだよ」 エクスは腕を掲げ、どこからともなく杖を呼び出した。 少年の身長に釣り合わぬ、闇夜に浮かぶ月を思わせる銀色の杖だ。 それは真っ直ぐに天に伸び、月の光を受けてなお鮮やかな青銀色の光を放つ。 ・・・・達観した、青の瞳がバルレルを射抜く。 「この世界には、ここで生きる大切な人を護ろうと思って死んだ人もいる。 君個人の勝手な感情で世界を壊すことは僕が許さない」 言葉が終わると同時に、杖先でバルレルの肩を抑え付けた。 次いで青の瞳で赤い悪魔を射抜いたまま、口早に詠唱を始める。 「誓約を破りし異界の者を、再び“誓約”という名の鎖で戒めよ」 詠唱が耳に届いた瞬間、身体中が悲鳴をあげるように軋んだ。 身体の奥底から抗いようもない強い力が湧き出て、バルレルの身体を、魔力を、戒めるかのように強く戒めようと触手を伸ばす。 「万物たるエルゴが決め定めた誓約を、この者に再び与えん」 砂浜に顔を押し付け、呼吸する度に砂が鼻腔から入る。 だがそれすらも気にする余裕もないまま必死に呼吸を繰り返し、体内で暴れる力が押さえつけられていく喪失感に抗った。 身体が焼けるように熱く、とても息苦しい。 「アガッ・・ウグゥ・・オオオォォォ!!」 のたうつように腕を振り上げ、力任せに近くの岩壁を殴った。 バルレルの力に岩壁が耐えられなかったのか、その岩壁は大きく砕けた音を立て、砂浜に瓦礫の山を生み出した。 エクスは砂埃に目を細くしながらも、詠唱を続ける。 「“誓約”という名の鎖よ。 この者の主たるトリス・クレスメントの御名において再びこの者を戒めよ。 強固たる鎖で、強き誓約で、何者にも破られぬ光の鎖をこの者に与えよ」 骨が、焼けるような熱さと共に縮む。 誓約されまいと暴れていた魔力が言い聞かされた犬のように静まり、 溢れんばかりに満ち満ちていた魔力は、一定で、安定した魔力へとしぼんでいく。 霞む視界で手を見れば、小さな子供の手が映る。 苦しさに漏らす声も何時の間にかトーンの高い子供の声だ。 それでもバルレルは誓約を振り払うよう抵抗した。 誓約がバルレルを蝕もうと触手を広げていく度に、声が遠くなっていく。 掻き消えそうになる。 “ (やめろ・・!!) “ 「やめろおおおおおぉぉおぉぉぉおおぉッッッ!!!」 牙を剥き、理性すら失いかけた獣の瞳でエクスを睨み、わずかに残る力を振り絞るかのように足に力を込め、長い爪で切り裂こうとエクスに飛びかかる。 「エクス様っっ!」 だが次の瞬間に頭部に強い衝撃が走り、殴り倒された、と理解したと同時に砂埃を立てながら 浜に身体を強く打ちつけ、そのまま動くことが出来なかった。 先ほど割って入った声は女の声だったのにやけに強い力・・・・。 「・・やめ・ろ・・・」 意識が朦朧として薄れていく。 瞼も共に、降りていく。 声は完全に掻き消えて、耳に響かなくなった。 誓約が、あと数秒で完了する。 完全に、忘れてしまう。 意識が消える瞬間に、無理矢理思い出そうとするバルレルの脳裏に、 誰かが笑った顔がぼんやりと浮かんだ。 きっと、“あー、性格は悪いがこれは結構好きかもな”と思った事が何度もある、笑顔だ。 今から数え直すととても、気の遠くなるようなずっと昔だったけれど それでも、温かだった 彼女の中には争いもなく、ただ自分と同じ、長く生きてきた者が持つ達観した瞳 あの瞳も、握り締めてくる手も、護ろうと思った 飽き性で、無茶ばかりするからいつも目が離せなくて・・・だから、護ってやろうと思った 笑顔の次に、頭の中で妙な映像が映った。 空は重々しい灰色の雲だ・・まるで戦の煙が多く重なって出来たような、雲。 その空の下でバルレルは誓約を解いた姿で、泣いている。 誰かの為に泣いている。 太いその腕の中に、華奢な少女が眠っている。 (・・・あれ、は・・・) 他人事のようにその映像を見ていても、その腕の中の女はぴくりとも動かなかった。 ただ、赤くて。 赤い泉に浸かったように、その身体は赤くて。 映像の中の自分は、泣きながらもこのうえなく憎しみを込めた瞳で目の前を睨んでいた。 睨んでいる相手が何人いるかも、誰かもわからないが・・・・・相手も泣いていた。 何故相手が泣いているかわからない、だが確かに、泣いていた。 ただ誰もが、彼女を想って泣いていた。 あれだけの強力な誓約に、さらに抗ってこちらに攻撃をしかける余力があるとは・・、 さすが魔王と呼ばれたこともある【 狂嵐の魔公子 】。 数えられない月日を生きたそのぶん、力の強さも想像を絶する。 「・・エクス様、ご無事ですか?」 「うん、ありがとうパッフェル」 潮風に甘い栗色の髪をなびかせながら現れたのは、この場には似合わない姿の女だ。 目を細め、すらりとした足を惜しげもなく晒している・・一見露出の多いウエイトレスだが、 それでもあれは彼女が働く店の制服らしい。 ・・・・・彼女曰く、店長の趣味だとか。(趣味かよ) 「本当に助かったよ。 まさかあそこで飛び掛ってくるなんて思いもしなくて」 「・・いえ・・」 「君が気に病むことじゃない。 それに彼は魔王と呼ばれた召喚獣だ。 気絶させるために殴っても死なない」 エクスは微笑んでパッフェルを見て、次に彼女の後ろに控えていた男を見る。 中年を越えたばかりだと告げるかのように、その顔には浅いシワがいくつも刻まれて、 だが背筋は真っ直ぐでとても衰えているようには見えず、実年齢よりずっと若く見える。 薄い茶の瞳は知性に溢れ、淡い紫色と古ぼけた茶色の組み合わせの術師の服がとてもよく似合う。 彼はエクス直属の部下、グラムス・バーネット。 一年前の無色の派閥の事件に、彼にも出向いてもらった。 「グラムス。 急に動いて悪かったね・・で、何か動きがあった?」 「いえ、動きではなく・・・パッフェル」 グラムスと呼ばれた男は頬を引きつらせながら、パッフェルに視線を向ける。 彼女はお気に入りのバスケットからゴソゴソと何かを探し始める。 変にぎこちない様子のグラムスにエクスは首を傾げたが、パッフェルが取り出した封筒 を受け取り、同封されていた書類に素早く目を通す。 そしてエクスも引きつった。 「・・・グラムス」 「はい、その通りです」 エクスは大きなため息を吐いた。 その書類のタイトル部分には“ゼラム菓子専門店からの請求書”と書かれてあった。 しかもその請求書の額が半端ではなく、さすがのエクスまでもが頭が痛いといった顔になる。 差出人の名前を見ると、綺麗な時で<ギブソン・ジラール>と書かれてあった。 「・・ギブソン?」 「はい、別名、甘味帝王・ギブソンと呼ばれる召喚師です」 どんだけ食ったよ、甘味帝王 グラムスはむすっとした表情で、書類の値段を見る。 あまり怒ることもなく、ネスティの義理父ラウルと共に温和で名の通る彼だが、 さすがのこれには怒っているらしい。 取り合えず、素朴な疑問を彼にぶつけてみたりする。 「・・・・・・・・・・何でこんな請求書が来るの?」 「・・ギブソンは元は真面目な生徒です、普段なら自己出費でそういう類を買うのですが・・」 「先日、ずっと狙っていたケーキを他のお客様に全部食べられてしまって・・。 その時のダメージが大きかったのか、それ以来日々嘆いていてウルサイということで、 相棒のミモザさんが派閥経費で大量のケーキを買ってくださったんですよー。 いやー、こちらは大助かりです♪」 「・・どうやって派閥経費で出したの? それなりの理由がなくちゃだしちゃいけない事になってるけど・・」 首を傾げるエクスに、グラムスは一言呟いた。 「魔王撃退感謝料」 ・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 (・・・・・・・・・確かに彼らは無色の派閥事件には大きく貢献してて、 彼らが遠慮してくれたからそれなりの報酬も渡してなかったけど・・・) エクスは一瞬、気を失いそうになった。 だが取り合えず踏ん張って、冷や汗を掻きながらも平静さを保つ。 「・・ま、まぁ・・あの時はそれなりに彼らも頑張ったし・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・今回くらいは大目にみてあげよう・・・・・」 ちょっと痛い出費だけど 痛過ぎますよ ため息を吐くエクスに突っ込みをいれるグラムスを見て、パッフェルは笑顔で言った。 それはお客に対するいつもの言葉。 「毎度ありがとうございましたー♪」 繁華街の明かりはいまだ灯っているが、南スラムは灯り一つすら零れていない。 完全な闇に静まりかえった南スラムのとある一室で眠っていたラミは、ふっと目を覚ました。 トイレとか、そういうのとかじゃなくてただ何となくに。 眠気の残る目を軽くこすりながら、いつも一緒にいる熊のヌイグルミを抱く。 隣りで寝ているフィズを起こさないようにそっとベッドから抜け出した。 本人は静かに抜け出したつもりだろうが、フィズの足を思いきり踏んでいたということに 気付かなかった。(フィズは顔をしかめたが、眠りが深かったのか起きなかった) そういえば、リプレママはどこに行ったのだろう。 ”少し外に出てくるね”と優しく頭を撫でてくれたあと以来、その姿を見ていない。 おやすみ、と言いたかったから就寝前に探しても、どこにもいなかった。 ・・・だから目を覚ましたのだろうか。 いつも食事を食べる居間に入ると、暗がりの中で今にも止まりそうな時計の針は午前3時だ。 まだ朝日すら顔を出していない時刻。 それを知ると急に眠気が込み上げて、小さくあくびをしながら部屋に戻ろうと背を向ける。 かすかな、音。 それに振り返って台所を見ると、ぼんやりと灯りが室内を照らしている。 ラミはそれに首を傾げて近寄る。 怖くはない、見慣れた後姿があったから。 「・・・ガゼル・・ジンガお兄ちゃん・・?」 『あ』 二人はラミの声で振りかえって、ラミはそんな二人の姿を見て思わずにこっと微笑んだ。 ガゼルは口の周りに米粒をつけて、ジンガはウインナーとかじろうと大口を開けて振り返ったからだ。 それが何だか、おかしく見えたから。 一方ガゼルとジンガは手の中にあったオニギリとウインナーを慌てて口に突っ込んで、 食べ物の匂いが残る大きなその手でラミの口を塞ぐ。 ガゼルの手からも、ウインナーの匂いがした。 「シーッ! ラミ・・静かに・・って、お前はいつも静かだったな」 ガゼルはふーっとため息を吐きながらラミを解放して、オニギリを差し出した。 「これ食え、その代わりと言っちゃなんだが・・リプレに黙ってて欲しいんだがー・・」 ガゼルはあくまで気丈に振舞っているが、額には汗がうっすらと浮かんでいる。 どうやらよほどリプレの“夕食抜き”が怖いらしい。 そう思うなら食べなかったらいいのになぁ・・と思ったが、ラミの考えている事を何となく理解したのか、 ガゼルはジンガの肩を組み拳をぐっと握って吼えた・・・・小声だったが。 「俺達は育ち盛りなんだ! 今のうちにたらふく飯を食わねえと大きくなれねぇ! ただでさえバノッサ達にチビーとか言われて馬鹿にされてんのに、 早くでっかくならなくちゃいけねえだろう! 男としてっ!!」 ジンガはガゼルに答えるように“そうだそうだー”と同意を示し、しまいには二人で 愚痴の言い合いをするようになる。 どうやら、男には男の切ない身長事情があるようだ。 「・・ラミも・・大きくなりたい・・な・・」 「ラミ、お前はちっちぇーままでいいんだよ。 (頼むから俺よりデカくなるんじゃねぇぞ・・・・俺が切ない)」 どこか真剣なガゼルに首を傾げていれば、ガタンッ! ガシャンカランッ・・と大きな音が耳に届いた。 それにビクリと身体を震わせれば、ガゼルが安心させるかのようにラミの背に手を当てて、 優れた聴覚で音がした方向を探り、特定する。 「・・玄関か?」 「敵か?! 敵だな! 敵決定!! 俺っちが先に倒してくるぜー!!!」 「いや勝手に決めんな・・って、オイオイオイオーイ! ・・・あーもう、ハヤト達かもしれねーってのに・・」 ガゼルは呆れながらジンガの後を追おうとするが、ラミが腰にしがみついて離さない。 彼女を抱き上げて出口に向かおうとするが、それでも本当に敵だったらラミを庇って戦えない。 ・・オプテュスがなくなったとはいえ、たまにこの家が狙われることもあるのだ。 いい加減平和に過ごしたいもんだと、ちょっと年寄りめいた考えた脳裏に浮かぶ。 どうしようかと困っていれば、ちょうどアルバやレイド達も起きて来て、 ガゼルはアルバにラミを預け、レイドとエドスと共に入り口に走った。 「ジンガ!」 「ガゼルーッ! ちょっとヤベーってこれ!!」 ガゼル達は“?”としたような表情で彼の肩を掴んで覗き込む。 「なっ・・・?!」 そして驚愕の声が漏れた。 腕が変な方向に曲がっており、身体のあちこちに鋭い爪で引っかかれたような痕がある。 痛みに苛まれているのか赤い瞳もどこか虚ろで、わずかに身体を震わせながらどうにか立って、 そして変な方向に曲がっていないほうの腕でぐったりとしている少女を支えている 『リプレッ!!』 「リプレママ・・ッ!」 ガゼルとジンガは慌ててリプレの具合を見て、レイドとエドスがカノンの傷具合を見る。 何者かに襲われた こうも震えていることがまたさらに衝撃だった。 ・・体格の良い男でも簡単に殴り飛ばせるほどの腕力を持っているというのに。 「おいリプレ、しっかりしろ!」 「・・・ん・・・」 「どうやら気絶してるだけみたいだぜ・・レイド、カノンはどうだ?」 「ああ・・腕をやられている・・ジンガ、悪いがストラをかけてもらえないか。 ちゃんとした治療もするが、簡単な傷の手当は早い方がいい」 ジンガは”よーし!”とカノンの前に座り、彼の額に手をかざす。 深く呼吸を繰り返し、息を吐き出すと淡い光がジンガから溢れ、カノンへと流れ出ていく。 これはリィンバウムでは多くある治療法のひとつ、【 ストラ 】という技だ。 自分の氣を相手へ渡し、傷の修復能力を高める手助けをするという・・武術を極めている者は、 大抵この技が使えるらしい。 「・・あ・・ジンガ、さん・・?」 「カノン、何があったんだよ」 カノンは睫毛を震わせながら、天井に視線をやる。 脳裏には紫がかかった銀の髪と、とても美しい容姿を持った細身の男の立ち姿。 そして男の腕におさまっている銀細工の竪琴 男の声が頭に響く。 “申し遅れました・・私の名前はレイム” 名を語っただけなのに、こうまで恐怖するのはどうしてだろう・・あの男の存在が、 とてつもなく異端のように思えたからだろうか。 「カノン! しっかりしろ」 「あ・・あ・・すいませ・・リプレさ、んが・・」 「リプレは・・大丈夫だ、気を失っているだけだよ」 カノンを落ち着けるように笑うレイドに、カノンは少しだけほっとしたような笑顔を見せる。 「どうなってるんだ・・? 何があったっていうんだよ!?」 ガゼルの問いかけに、カノンはビクリと身体を強張らせて唇を震わせる。 脅えているのだ、何かに。 「・・レ、レイムという・・吟遊詩人が・・」 「レイム・・?」 エドスは眉を潜める。 全く聞き覚えない名前だが・・その吟遊詩人が何故ここに? 「・・その人は・・力を、辿っていたらここに行き着いたって・・・。 か、彼はバノッサさんが魔王にとり込まれて帰還したことを知ってました・・。 そして ごくりと、息を呑んだ。 「誰かを探してるみたいでした・・女の人を・・・」 探しているのは、バノッサとカノンを助けてくれたあの人だろう。 カノンも彼女を知っていた 生かしてくれた人。 「・・女の人・・? ナツミやアヤのことなんだろうか?」 「違うと思います・・僕達を助けてくれた人のことだと・・。 でもその人がハヤトさん達やバノッサさんが探している人だとしたら・・ハヤトさん達も、危ない」 レイドの言葉にカノンは否定して、ぎゅっと瞼を瞑った。 ・・・・・あの吟遊詩人はとても危険だ。 彼に出会ってしまうと誓約者であるハヤト達やバノッサも危険だ・・エルゴの力や魔王の力を その身に秘めた彼らに、何らかの接触をしてくるはず 殺されてしまうかもしれない。 「・・・・・・・・行かなくちゃ・・」 彼らが、殺される。 それを考えた瞬間、とてもつもなく恐ろしくなって、冷たい汗が身体中からぶわっと噴き出した。 彼らが、殺される。 優しくて、温かな、あの人達が。 「行き・・ますっ」 「おい! 行くって、どこに」 「バノッサさん達に、伝えなくちゃ・・早く、戻ってきてって・・」 多分、ここはもう用済みだろう。 なら早く彼らを呼び戻せば、彼らは接触せずにすむんじゃないだろうか。 「・・あー・・つまり、アニキやアネゴ達、バノッサもやべーってことか?」 ジンガの言葉を聞いた途端、ラミは肩を震わせて、クマのヌイグルミをぎゅっと抱きしめながら、 ぽたぽたと涙を零して泣き出した。 それにつられてフィズやアルバまで泣き出しそうな表情に顔を歪めて、いくつもの嗚咽が玄関に 満ちていく。 それを見たレイドとエドスは慌てて子供3人を慰めるが、それでも子供達は落ち着きそうにない。 リプレやカノンを襲った今回の一件が、とてつもなく恐ろしい事だと理解したのだろう。 “チビ達の前で言うんじゃねぇよ馬鹿野郎!”とガゼルは容赦なくジンガの背中を蹴った。 「ガゼルぅ・・・ハヤト達・・危ないの? 死んじゃうの?」 フィズは“嫌だよぉ”とさらに泣き出してしまって、どうにか堪えていたアルバはもう、 大泣き一歩手前である。 「だ、大丈夫だって! あいつらがそう簡単に死ぬわけないだろ?! ハヤトは運悪いけど悪運は強いし!」 フォローになってない 「トウヤはそういう最悪な事体が起こる前にその黒そうな頭で何とかしてるかもしれねぇし!」 これもフォローに(以下省略) 「あとナツミとアヤは絶対死なねぇな! これだけは断言してやるよ!!」 マジで死ぬぞ、ガゼル ひきつりながらも大笑いしてその場を和ませようとするガゼルの行く末を不安に思い、 エドスとレイドはこっそりと手を合わせた。(意味深だ) 「とにかく、ワシはリプレを部屋に運んでおこう」 エドスはリプレを抱き上げて、廊下を歩き出した。 半泣き+大泣きしていた子供三人は慌ててその後についていって、彼らも部屋に引っ込んだ。 ガゼルはそれを見送ると、何本ものナイフを取り出してそれを荷袋に詰める。 「・・ガゼル?」 「俺、明日朝一番にゼラム行きの船に乗る」 レイドは呆れた風にため息を吐いた。 「・・やはり行くのか?」 「ダチが危ねぇかもしれねぇ時に、ここで大人しくなんかしてられるかよ!」 「んじゃ俺っちも行くぜー! 戦えるっぽいしなー♪」 ジンガもはいはいと手を挙げて、いつもの屈託のない笑顔で笑った。 動機が不純だが(お前本当に戦うの好きだよな・・)取り合えず今は戦力が欲しいところ。 ”よし! 行くぞジンガ!”と意気込むガゼルに、レイドはため息を吐いて・・・自分の剣を取る。 「二人だけでは心配だ、私も行こう」 「レイド?」 「・・私とて、カノンとリプレが傷つけられて怒らないわけがないよ」 今まで共に過ごしてきた家族といえる仲間を ああまで傷つけられて、怒らないものはいないだろう レイドが静かに言ったその言葉に、ガゼルとジンガは顔を見合わせてにっと笑う。 「カノン、俺達がちゃんとあいつら連れ戻してくるから、お前は怪我治しとけ。 身体は一生モンだからな、大事にしねーとだめだぜ」 「ガゼルさん・・」 「君も私達の家族だ・・君の大切な人も、私達にとって大切な人でもあるんだ。 ・・・君一人でどうにかしようだなんて言わないで、頼ってくれないか」 カノンを背に担ぎながら、レイドは微笑んだ。 温かな笑み。 それはレイムには感じられなかった、とても温か・・・・・・・。 「・・ 「カノン?」 「・・リプレさんを、守れなくて・・ごめん、なさい・・・っ」 とても優しいリプレが、目の前で傷ついたのに。 何も出来なかった。 ただ、彼に脅え、彼の手下のようなあの二人にやられてばかりで。 「バカヤロー! 強い奴なんてゴマンといるし、変な奴だって星の数ほどいるんだよ。 リプレだって・・無事だったんだ・・・死ななかったらそれでいいんだよっ」 「そうだって! それに次は俺っちをちゃんと呼べよー、カノンッ! アニキ直伝、ジンガすぺしゃる(ハヤト命名)でその吟遊詩人をボコボコにしてやるよっ」 「生きてくれれば私達は本当に、それだけで本当に嬉しいんだ。 ・・・カノン、君も無事でいてくれて・・・・本当に良かった」 カノンは、レイドの背中に涙を落として、呟いた。 今はまだ、夜は明けない けれど、眩しい朝はきっと訪れるものだから NEXT ----------------------------------------------------------------------------- *後書き* 第63話をお届けさせて頂きました。 今回はバルレルとエクス、サイジェントでレイムに襲われた(?)カノンたちメイン。 相変わらず脳内設定爆走中です。 ギブソン・ジラールさんは前回、ナツミさんにオレンジシフォンケーキを食われて以来、 意味不明なオーラと嘆きでミモザの頭を悩ませていました。 そんな彼には「甘い物!」とゆーことで、ケーキ屋を占領してギブソンにケーキをプレゼント。 結果、エクス達の会話です・・。(わかりにくー!) サイジェント組は、レイド・ガゼル・ジンガでこれからゼラムに向かいます。 彼らは召喚獣で長距離飛ぶほど召喚術を扱えないと私は勝手におもってます。 実際彼らは常に武器攻撃でしたから・・(笑)主にボコボコ専門でしたから・・。 召喚術は、ハヤト達やパートナーにおまかせだったので。 それではここまで読んで下さってありがとうございましたvv 次はトリス達が出て、和解になるかなと・・。 早くシャムロックまで行きたいです・・! 2002.5.23 2005.1.23加筆修正完了 |