雨って、本当に天の恵みのモノだと思うのよ だって雨がなくっちゃあたし達生きていけないし ・・・・・・・でもある時は、すっげぇ迷惑なモンだと思っちゃうのは否定できないわよね、うん 第39夜 ザーーーーーーーーーーーーーーーッ。 「ぎゃーーーーーーーーーー!!!???!」 叫び声を上げながら、あたしは無駄な行為だと思いながらも頭を庇うように手で抑えて、 大雨ですっかりぬかるんでいる道を走った。 ばしゃばしゃと、飛び跳ねる土の泥の感触が足の裏に強く残る。 おかげでせっかくの靴も泥まみれ、視界は雨でゼロの状態・・・・・・・・・・何とも、最悪だった。 あたしの後ろの方では、ミニスやトリス達も悲鳴を上げながら走っていた。 ハサハもズブ濡れになりながらも、宝玉を抱えながらも必死で走っている。 あたしは大雨の中、叫んだ。 「”傘持っていったほうがいいんじゃない?”ってあたしが言ったのに何で持ってこなかったのよ! 今回の準備係の担当だったフォルテ!!」 「(名指し?!)い、いやー、まさか本当に降るとは思ってなくってよー・・。 ほら、さっきまですっげぇ青空だったし・・ほら、俺って一応冒険のプロじゃん? だから取り合えず自分の勘でも信じて行ってやろうと・・・・」 「ほー?冒険のプロ?プロねぇ?じゃあこの状況は一体何かしら? 冒 険 の プ ロ 様 ? ! ? !」 びしょ濡れのまま引きつった、あたしの笑顔を寄せて見やればフォルテが 引きつった笑いを返してきた。 ・・・まぁ彼を責めてもしょうがないので、あたしは顔を離して濡れた前髪を手で 掻き上げながらため息を吐く。 「あんたはマントがあるからあんまり濡れなくてすんでるでしょうけど、 マントなしのあたし達はそうはいかないのよ〜」 やっぱり、ちょっぴり腹が立つ。 あたしはフォルテを恨みなが”馬鹿フォルテー!!”叫んだその時、何かがバサッと頭を覆った。 おや?と顔を上げたら、文句をぶつけられていたフォルテがニヤニヤ笑いながら、 あたしの頭の上をマントで覆っていた。 「悪かったって。なぁ・・これで機嫌直せよ」 「あんたねぇ・・あたしだけ無事でもしょうがないでしょ?!」 「まぁまぁ、・・・お前を怒らすとケイナより怖ぇってのはわかってるからな勘弁し」 ゴッ! ケイナの拳が、フォルテの後頭部に見事に直撃。 フォルテは泥水に顔を突っ込んで(うっわー)、ブルブルと首を横に振って水気を払って、 口の中に泥水でも入ってしまったのか、思い切りむせ返っている。 ・・・人のこと言えないけど、キッツー・・・(滝汗) 「何するんだよ、ケイナ!」 「あんたがの言う事を聞かないからこうやってズブ濡れになったのよ?!少しは反省なさい!!」 「だから悪かったって言ってるだろー?それに過ぎた事をガミガミ怒っても胸はデカくならねぇぞ!」 ゴッッッ!!! ケイナの拳が、再びうなった。 それはいかにも頭蓋骨陥没と言っても過言ではないような打撃音付きだ。 あたしはそれを聞き流しながら、再び崩れ落ちていくフォルテを見送り、 やがてばったりと地(血?)に沈んでしまったフォルテに手を合わせる。 あんた、馬鹿過ぎだよ・・。(少しは学習能力を持とうや) 「さ、。こんな馬鹿は放って置いて早くあの砦に行きましょう!」 「アイアイサー・・ってケイナ」 「何?」 「・・ヤキモチ?(ボソ)」 「なっっっ!!」 ケイナは頬を真っ赤にそめて、瞳をこれでもかといわんばかりに見開いた。 フォルテがあたしをマントに入れたから・・と考えていたのだけれど・・・・・・ もしかして図星かな? 「ちちちち、違うわよ!!私は別にそんなつもりで殴ったわけじゃ・・!!(汗)」 「(その反応が肯定しているようなモノだよケイナ・・)そう?」 「そう!」 「フーン、じゃそう言うことにしておいてあげるvv頑張ってね!ケイナ!!」 あの馬鹿を頑張ってオトして頂戴!!(親指グッ!) ケイナは更に顔を赤くさせてブンブンと首を横に振る。 拍子に彼女の髪に湿った水が、あたしの顔に思いっきりかかる。 その髪はある意味武器ね・・(遠目) 「ケイナ冷たい・・(遠目)」 「違うからね?!絶対違うからね?!」 人の話しを聞こうね、ケイナ あたしは“違う”と否定するケイナの手を引っ張って、フォルテを見捨てて(鬼か)先を急ぐ。 けれどもしばらくすれば止むかと思ったその大雨、勢いが和らぐどころか寧ろ逆に強くなってきた。 わー、最悪・・・(汗) 「ああもう冷たい!!ってかこれって絶対台風だってばーーー!!リィンバウムってこの季節に 台風が来るもんなの?!どうなってんのーーー!!!」 「、こっちだ」 「はい?」 突然、横からグイっと腕を引っ張られて、倒れかけた拍子に、顔に何かがぶつかった。 あたしは“?”と目の前を見ると、顔をぶつけた固いモノはどうやら男の胸板で。(嫌な表現だ) さらに顔を上げれば、ネスの端整な顔がアップで映って、驚jきに思わず叫んでしまった。 「わぎゃーー!!(今度はアクシデント発生ー!!?)」 「うわっ、暴れるんじゃない!」 慌てて離れようと胸を押し返すあたしにネスが叫んで、再び肩を抱かれて引き寄せられる。 自然に、あたしの頬がネスの胸に押し付けられた。 わぉ?!何事!??! 「ね、ねねねねネス・・・?(前回に引き続き積極的だ・・!)」 「キミが濡れて風邪をひいたら困るのは皆だからな」 ネスは自分のマントを取り外して、ネスとあたしが濡れないように被っているのだ。 勢いが強くなっている雨の中、確かに少しはマシかもしれないけれどある意味、 萌え的シチュエーションである。 「・・・・・・・・・あんた、何男らしいことしてんのよ・・・」 思わず、脱力しながら呟いてしまった。(萌え的シチュエーションに慣れてきちゃったのかしらね・・?) 言われてしまった本人は顔をしかめて、少し怒ったように言い返してくる。 「僕は元から男だが?」 「あたしの中ではあんたは乙女って決まってるの!しかももうちょっとで純乙女昇格!みたいな!!」 「・・・・・・・・・・・キミという奴は・・」 ネスが、呆れた表情を見せつつも何かを言おう口を開く。 けれど”何よ”と、完全に開き直っているあたしをしばし見て・・やがてはため息をついてガクリと項垂れた。 あ、諦めてる。(酷っ) 「ちょっと、ネス?しっかりしなさいよー」 「キミはどうしてそう・・・・・鈍いんだ?」 「何かよくわかんないけどほっとけ!」 「それにしても、こんなところに砦なんかあったんだ・・」 あたしはぼけっとしながら、その砦を見上げた。 本当は、アメルのお祖母さんがいるといわれた森に向かうつもりだったのだけれど、 あんまりにも雨の勢いがすごいため、道先で発見した砦で雨宿りをさせてもらおうと いう意見が全一致で決まったのだ。 (それにしても、立派な砦だなぁ・・) ゲーム画面では全然そんな気持ちもわかなかったけれど、実際この場に立っていれば 何とも、立派に佇む砦だった。 大きくて、黄土色が少々濁ったような色の冷たい壁に手をつければ、威圧感を感じる。 (・・・ここが、スルゼン砦・・・) 護るために、戦うために建てられた 歴史の、一つ 「?」 ぼんやりと砦を見上げたまま雨に打たれていれば、マグナがあたしの腕を掴んだ。 それに振り返れば、妙に心配そうな彼の表情が映る。 何? 「あの、大丈夫か?」 「は?」 「いや、何か・・今の、・・・砦を見上げたまま消えてしまいそうに見えたから」 ゴンッ! マグナの発言に、思わず自ら、壁に頭をぶつけてしまった。(痛っー!) いやいやいや!まさかそんなこと恥ずかしげもなく言われるなんて思ってもなかったのよ! さすが天然!さすがワンコ!!甘いマスクであたしもメロメロだ!(マスクって何さ) 「?!大丈夫か!?」 「だ、大丈夫・・、っていうかいやいや、消えるなんてことないから、フツーに」 「・・・・うん」 雨に濡れたせいで、マグナの少しハネている髪が落ち着いているせいで、 妙にしょんぼりしているように見える。(ギャー!可愛い!<末期) あたしは彼をどうにか安心させようと、にっこり笑って腕を引っ張り返した。 「わっ」 「ほら、いつまでも馬鹿みたいに雨にうたれてないで、皆のところに行こう?」 「・・うん」 「人はねー、簡単に消えてしまうって思われてるけど、案外しぶといものよ?」 確かに、あっさりと、いとも簡単に死んでしまう。 それは本当に、悲しいくらい、哀れなくらい・・・・あっさりとしたもの。 「・・・忘れない限りは、生き続けているからってやつか?」 「んー、そんなモンかな?」 あっさりと、消えて、崩れ落ちてしまう、人。 けれど誰かが忘れないでいれば、その人たちは本当に消えたわけじゃない。 形となって、思い出となって残っている。 「でも」 呟いたマグナが、あたしの手を握り返した。 それにあたしが振り向けば、いつもと、まったく様子の違うマグナ。 ・・・ケーキ屋でバイトしていた時の、暗い瞳と似ている。 「でも俺は、こうやって手を握って、一緒にいてくれるほうがいい」 悲しい眼差し。 雨にうたれてとても冷たくなっている彼の手が、きつくきつくあたしを握り締める。 「思い出より、形として残ってその人が消えてしまうより・・・ マグナの言葉に、あたしはデグレアの彼らを思い出した。 彼らが、形を、思い出を残して消えてしまうことを、考えた。 (あたしだって、嬉しくない) 形より、思い出より。 彼らが傍にいて、笑って、怒って・・傷つけ合ってでも。 それでも生きていてさえくれれば、それだけでいいのだ。 思い出も、形よりも、彼らがいてくれればそれで 「・・うん、そうだね」 あたしはマグナに、口元だけを歪ませて静かに微笑んだ。 「そうだね、こうして 考えを、改めよう。 さっきの考えは、自分の命に例えて言ったことだったから、少々軽んじて言ってしまった。 けれどマグナ達、ルヴァイド達の思い出のある立場から、彼らが消えてしまうことを考えれば、 すごく・・すごく悲しい。 形を、思い出だけを残されても・・・・・・寂しい。 「うん、こうしているほうが・・・」 お互いに手を握り締めあっていたマグナが、はっとして言葉を詰まらせた。 それにあたしが”ん?”と彼を見上げれば、彼が慌てて手を離す。 「ご、ごめん!」 「へ?」 「す、すごく強く握ってた・・大丈夫かっ?」 「え?うん」 確かに、少々痛かったけれど・・別にそこまで大げさに謝られることでは・・・。 「いや、妹がいる立場でも・・女の子の手とか、すごい柔らかいから・・苦手なんだよな」 「そ、そうなの・・?(男の心理はよくわかんないわ・・<汗)」 「こう、力を入れたら・・ぐにゃって折れそうで」 「いや、有り得ないよマグナ(汗)」 雨に濡れながら、思わずマグナの胸にビシリとツッこんだ。 そんなこと言われたら、あたしら女は皆、タコのような軟体動物ということになってしまう。 い、嫌過ぎるー!! 「ああもうほら!さっさとトリス達のとこに行くわよ!」 「え?あ、うん」 どうにかこうにか、あたし達もトリス達が集まっている門まで辿りついた。 門のところにも小さな屋根があったので、取り合えずあたし達はそこで一度 水気を落とすことにした。 「もーびしょびしょだよ〜・・」 トリスが、うんざりしたように呟きながら服についた水気を払う。 けれどもうすっかり濡れているので意味がなく、あたしは苦笑しながらトリスに着替えを渡した。 「これに着替えなよ、あたしも着替えるから・・とゆーわけで男共全員回れ右ー! こっちに振り向いた奴はファナンの海を遠泳させるからよろしく!!」 あたしの言葉に男陣は一斉に回れ右をして、将来に大切な我が身を守る。 あっはっはっは!この聖域(着替えシーン)を見せてなるものか!! 「さ、トリスvv着替えましょvvハサハもこっちおいでー♪」 「・・(こくん)」 あたしはハサハの帯を緩めながら、一人悦にひたる。 雨、最高 でも同性の着替えを共にして喜んでいる自分に、思わず某変態吟遊詩人を思い出してしまって。 何だか情けなくなってしまったのは言うまでもない フォルテは回れ右をした後、悩んでいた。 己の命か それとも今自分の背後で行われている、素晴らしい空間か どっちを取るべきなのだろうかと。 「・・ううむ、男として取るならば後者だろうが・・だが自分の人生をここで終わらせたくもねぇしなぁ」 「・・フォルテ、そんな真剣に考えなくても・・」 苦笑するマグナに、フォルテはチチチと指をふる。 「いいか?マグナ。男は男のロマンがあるんだぜ?お前はそれをわかっちゃいねぇ」 「ろ、ロマン?」 隣りにいたカザミネがうんうんと頷きながらフォルテの肩を叩き、同意する。 「フォルテ殿、その浪漫・・・拙者にもわかるでござる、わかるでござるぞ!!」 「おお?!わかってくれるか?!同士よおお!!」 ヒシィっ!と抱き合う二人にマグナは退いた。 隣りでバルレルがアホを見るような目で、レシィもビクビクしながらそれを見ていた。 レオルドは相変わらずだが。 「お前さんとは気が合いそうだ!カザミネ!!」 「拙者もそう思うでござる!フォルテ殿!!」 いっそ覗き萌え同盟でも組むか?!カザミネ!! いいでござるな!フォルテ殿!!(親指グッ!)←の受け入り お前らそんなに死にたいか?(バルレル的ツッコミ) ネスティもロッカもリューグも唖然としていて。 フォルテはそんな彼らにえらく爽やかな笑顔を見せる。 その歯は妙に輝いていた。 「お前らだって男だ!そういう想像はしたことくらいあるだろう?(どんな想像を言っているのか 皆様の判断におまかせします)←殺」 フォルテの問いに一部の男性陣は慌てる。 さすがお年頃、さすが青少年の集まり。 だがレシィだけは“?”と言ったような表情をする。 「いいか?誰かを好きになっちまったらそういう想像をしちまうのは当たり前なんだよ。 だから恥ずべき事じゃねぇ!!もっと自分を象徴しろ!!そして現実になるよう努力し」 メゴォッッッ!!! ・・・・・・雨が降っている、静かな世界の中。 生々しい音と共に、フォルテの後頭部の丁度よい部分にハンマーがめり込まれ、 そのまま顔を地面に叩きつけられた。 マグナ達は一気に退いて、めり込ませた本人を見るとそれは怒りのオーラを醸し出した。 「あんたは何を熱く語ってやがるのよ・・?(怒)」 「ゲフゥ・・(吐血)」 「あわわ・・・・!(汗)」 脅えるマグナににこりと微笑んで、はグリグリとフォルテの巨体を踏み付ける。 どこぞの吟遊詩人の言葉を借りるならそれは最早、<女王様> 「もう少しで皆着替え終わるから、大人しくしててねvv」 『・・・・・・・・はい(滝汗)』 「よろしい、レオルドー!フォルテを抑えつけててくれる?」 「了解シマシタ、アルジ殿」 「ありがとvvそれじゃ皆様、ご機嫌ようvvってな訳でこっち見るなよ回れ右!」 バッ!と再び回れ右をする一同を見届けて、は鼻歌を歌いながらトリス達の元へ戻る。 彼女は気付かなかったのだが、マグナ達の顔は赤かった。 の服はまだ濡れたまま着替えていなかった為、身体のラインがはっきりと映し出されていて、 一部の男性陣にとって、とても目の保養・・いやいや、毒になっていたのだ。 顔を抑えたり頭を掻いたりする男性陣の中、カザミネはガッツポーズ(受け入り)をして雨の降る空を見上げた。 雨万歳!でござる・・!! その前に俺を助けてくれ・・(血の海に沈む) 「さて、着替えも無事(?)に終了したので、もう少し雨が止むまで中で雨宿りさせてもらいましょ?」 あたしはたまたま近くにいたマグナに笑いかけるとマグナは顔を真っ赤にさせて俯く。 は?どうしたのさ・・ワンコちゃん??(ワンコ言うな) 「マグナ?」 「な!何でもない!!////」 「変なマグナ・・ねぇ?ネス」 「・・・・・・そ、そうだな・・////」 「・・・あんたら見たの?トリス達の着替え・・・(怒)」 オレンジ色の袖をまくり、あたしは脅すようにベキベキと拳を鳴らす。 ネスとマグナは揃って首を振り、あたしの疑問に思いっきり否定する。 あたしが更に問い詰めようとして口を開こうとしたら、ミニスの叫ぶような声が耳に入った。 「みんな!こっちに来て!!」 「え?・・どうしたの?!ミニス!!」 あたしはミニスの隣りに立って街中を見る。 静かな街、誰の笑い声も聞こえない。 あたしは今更だがここのシナリオを思い出してはっと口元を抑えた。 (バイオハ○ード!?)←そこかい 「ね、変でしょ?誰もいないの・・どうしよう?」 あたしはしばらく考えて、目を凝らして周りを見渡す。 すると少し離れた岩陰に何かが重なっているように盛り上がっていて、あたしはそれに近づいた。 けれど、すぐに近づいたことを後悔することになる。 「いやあ!!!」 「!!」 マグナがすぐさまあたしの所に走って来て、口を抑えて震えるあたしを庇うように前に出る。 「!どうしたんだ?!」 「・・・っ、・・あ、あれ・・・」 指を、どうにかそれを指す。 それにマグナが息を呑んだのが気配でわかった。 震えが、収まらない。 唇を噛んで、強く強く手を目を閉じても、脳裏の浮かぶのは。 それは、鉄錆びた匂いに包まれたモノだと思ってもいい。 おびただしい血を浴びた、死体だったのだ。 お互い積み重なるよう倒れて、そんな死体があちこちに転々としている。 瞳は、虚ろ。 けれどまるであたし達を見ているように、そこにいた。 「人が・・死んでる?!」 「マグナ!!こっちに来てくれ!!!」 ネスの声に従って、マグナはあたしに歩くように促す。 けれどあたしの身体は凍ったように動かなくて、ただ”歩けない”と、首を振ることしか出来なかった。 レルムの村でも厳しいモノを見たけれど、今回はまた格別に血の匂いが酷く、恐怖する。 頭の中でグルグルと眩暈があたしを襲って、匂いで胸の中がムカムカする。 まだ雨が匂いを微かなモノにしていてくれて、これだ。 雨が降ってなかったら絶対吐いてた。 (吐きそう・・) 「、顔色が悪い。これ以上は見ちゃだめだ」 「ん・・・ごめ・・でもちょっと気持ち悪い・・」 あたしは死体から目を離せなくて、更に苦しくなる。 気が、狂いそうだ ゲームと現実の差が、改めて思い知らされる マグナはしばらく考えて、屈み込んだかと思ったらあたしの身体を軽々と横に抱き上げた。 そのままあたしを死体から遠ざけて、ネス達のいる所まで連れてってくれた。 「マグナ・・?」 「目を瞑ってて、まだ死体があるから」 マグナは優しく笑って、指でそっとあたしの瞼を下ろさせる。 その気遣いが嬉しくてあたしは遠慮なくマグナに身体を預けた。 改めて、マグナが男の子だと理解する。 ああ、巣立っていく息子を持った母親の気分だわ・・(遠目) “お母ーさん、嬉しいワー”とぼやけば、マグナは首を傾げた。 そしてネス達の所に戻ってまた死体を見て(もう勘弁して・・)、これが同士討ち・・味方同士の 殺し合いだと発覚して、トリス達の表情に驚きが走る。 「ど、どうしよう・・」 「取り合えずファナンの派閥に連絡をしよう・・そして調べて・・」 「キャァ!!」 ミニスの悲鳴に全員が一気に振り返った。 今度は何事?!(ヒー!) ミニスは震えながら向こうのほうを指差して。 「あ・・あそこ!今あそこが動いた・・!!」 「そこにいる奴は誰だ!出て来い!!」 リューグが斧を構えて、ミニスが言った方向に向かって叫ぶ。 あたしはというと、あまり警戒しなかった。 だって多分、次の瞬間には安心してしまうと思ったから。 ・・それはあたしの予想のとおりになる。 「ちょっとちょっと〜!勘弁してくださいよ〜!!」 妙に緊迫感のない声。 よろよろと出てきたのは・・・バイト服のままの、パッフェルで。 ああ・・あの制服で妙な思い出が・・(遠目) 「私はただの雇われの身・・・、しがないバイトでございま・・って、あらま?!トリスさん達じゃないですか!?」 「パッフェルさん?!どうしてこんな所に・・」 パッフェルは少し深刻な表情を浮かべて、トリス達に自分の目で見た事を伝える。 自分が日夜バイトに明け暮れていた事。(その格好で・・?<汗) 人が急に、狂い出したように殺し合いを始めた事。 その騒ぎから身を隠していた事。 お見事です、パッフェルさん(拍手) 「とにかくここの街の人は一気に死んでしまいました・・皆さんはどうするんですか?」 パッフェルの瞳があたしに向けられた。 その目には、何かを調べるような、探るような光があるような気がしてあたしは首を傾げた。 「・・さん、貴女ならどうしますか?」 「・・あ、あたし?!」 パッフェルは真面目な表情で頷く。 あたしの考えなんて大した事もない気がするけどな〜?(汗) あたしは少し考えてトリス達に向き直った。 取り合えず、動かなくては。 「トリス、マグナ、ネス・・あと護衛獣の皆も一緒に来てくれる? あたしちょっと探るつもりなんだけど・・」 「わかった、それじゃリューグ達はここにいてくれ」 マグナの声に皆が頷くと、あたしは適当に走り出す。 どこかに潜んでいるレナードを見つけなくてはいけない。(別に潜んじゃいないかな?) 「さん、どこに行くの?」 「取り合えず生きてる人を探すの・・パッフェルの他に一人は生きてると思うし・・」 あたしは視界の悪い雨の中、キョロキョロと周りを見渡してレナードの姿を探す。 死体もあるけれどなるべく見ないようにしたけれど、それでも気分が悪くなる。 「おねえちゃん・・大丈夫・・?」 「うん・・何とか」 あたしは手近にある岩に手をついて頭を抑える。 ここに来てからというもの、頭が痛くなってきておかしい。 熱かなー・・? 「あ・・?」 歩こうと顔を上げたら眩暈がどっと押し寄せて来て、あたしは身体のバランスを崩す。 倒れそうになったけど途端に誰かに支えられた。 同時に、煙草の匂いが鼻につく。 誰・・? 誰かの腕に支えられながら、あたしはその腕にしがみついて頑張って顔を起こした。 すると、どこか険しい表情の中年男と目があった。 険しい表情、けれどあたしを再び見下ろした時のその瞳の奥は優しいモノになる。 「・・?」 「お前さんは“生きている”ようだな・・」 彼は拳銃をトリス達の方に向けて、睨むように問いかけをする。 その口調は落ち着いていてまるで質問し慣れているようだ。 「Hold up!・・・お前さん達に質問するぜ・・お前さん達は“生きている”のか?」 奇妙な、質問だ。 けれどあたしはこの質問の意味を知っている。 驚くトリス達が、質問の意味に混乱しつつも彼に応えていた。 「ええ?当然だよ!あたし達は・・」 「お、俺達が死んでいる??動いて喋っているのに・・」 マグナとトリスは困惑したような表情を隠さずに男を見た。 あたしはクラクラする頭を抱えながら、男の片腕に支えられてグッタリとするしかなかった。 この煙草の匂いはレナードしかいないよねぇ・・ああ、すっげぇ渋い・・素敵だわ・・(悦) 取り合えずまた顔を起こして、レナードの顔を拝む。 「・・ちょっと・・あたしが質問に答える・・あたしもあの子達も“生きてる”わ・・」 「確かか?」 「ん、そう・・さっき着いたばかりなの」 「・・そうか、悪かった」 彼・・レナードは拳銃を降ろしてトリス達に近づく。 ネスがあたしの額に触れて難しそうに顔を歪めた。 「・・熱が出てる・・この雨に打たれたからか?」 「あー・・こんなに早く熱出るもんじゃないでしょ・・普通・・多分違うって・・」 「でもさん・・顔が真っ赤だし・・おでこも熱いし・・」 「ッケ!それは完璧な熱だぜ、ニンゲン」 「うー・・」 あたしは岩に背をつけて半ば虚ろになって返事をする。 トリス達があたしを看てくれている間にネスとレナードは話しを進めている。 偉いぞ!ネス!! 「・・つまり貴方はここに召喚されたんですね?」 「ああ・・俺の召喚主はすぐ側で死んでた・・まぁ、ここの連中が俺の面倒を見てくれたから しばらくは平気だったが・・だが急に殺し合いを始めやがった・・」 彼の事情を聞き、ネスは更に難しい表情をする。 レナードの言葉、パッフェルの言葉でそれが何なのか、大体予想がついたらしい。 「・・多分それは憑依召喚術だ」 「憑依召喚術・・?それって他者の身体に入り込んで好き勝手するアレ?」 トリスの言葉にネスは頷く。 好き勝手って・・トリス・・(笑) 「多分まだ・・この辺りに術者がいるはずだ。・・・マズイ!早く皆に知らせなければ・・」 「きゃあああああああああああああ!!!!」 今度はアメルの悲鳴がこの辺り一帯に響いた。 それにいち早く察知して、レナード達は駆けて行く。 「レシィ、レオルド!の事は頼んだぞ!」 「はい!マグナさん達も気をつけてください!!」 あたしも座っている場合じゃないと立ち上がる、けれどそれでも足に力が入らない。 「・・う・・」 「ご主人様!だめです・・動いちゃいけません!」 「今ノアルジ殿ノ体温ハ38.5度・・体調ガクズサレテイマス。」 「あー・・でもそんな事言ってる場合じゃないんだよねー・・でも、何で急に・・」 「こんな所にいたか、小娘」 別の声が、あたしの耳に入った。 レオルドの機械的な声ではなくて、レシィの幼い子供の声でもない。 ・・もっと別の、男の声。 ざわりと、背筋が逆立った。 思わず声の主のほうへと顔を上げれば、見覚えのある顔が視界に映る。 バイトの時に、ビーニャに箸でオデコを刺されて出血していた妙な客の一人だ。 レシィがあたしの前に立って、レオルドも戦闘体勢に入る。 (それにしても、何でよりにもよって動けない今・・) 足が、ガクガクと震えて力が入らない。 おかしい。 やっぱり、おかしい。 さっきまであんなに元気だった。 雨にうたれて、吐きそうな思いになっただけで熱が出るなんて・・そうそうない。 そんなあたしの様子を見て、男がにやりと口元を歪ませた。 「どうやら、ちゃんとワシの術にかかったようだな」 「?!」 「報告によるとお前は召喚術もまともに使えない女だが・・念の為にな。 抵抗されて手間がかかるのは面倒だ。 取り合えず、まともに動けぬよう負の気をこの雨の空気に混ぜておいたのだ」 ”人間は軽い負の気でも身体に毒らしいからな”と、男はレシィ達に笑みを 浮かべながら歩み寄ってくる。 「ワシの名はガレアノ、屍使いだ」 「屍使い・・」 「来て貰うぞ小娘、お前をあの方が望まれておられる」 あの方。 ガレアノの主・・つまり、それは銀色の髪の変態・・じゃなくて、銀色の髪の吟遊詩人。 レイムの顔がぽんっと頭に思い浮かんで、あたしの中の寒気はまたさらに強まった。(イーヤー!) けれどもそれが、あたしの中で逃げる力に変換された。 「レシィ!レオルド!・・(全力で)逃げるわよ!!!」 あたしは眩暈を抑えて立ちあがって、レシィ達の手をとって走った。 けれどガレアノはそれを予想していたのかバッ!と地面に手を付けて、叫ぶ。 「目覚めろ!」 たった一言。 けれどそれは、力ある言霊。 剣に貫かれた者、首がない者、腕が、足がない者たちが身体を起こす。 嫌なうめき声がどこからともなく響いてきて、それらはのったりと、あたし達に身体を、 光のない目を向けた。 思わず、それに”ひっ”と悲鳴が零れてしまった。 「あの娘を追え!!」 怖い 気持ち悪い、こんなの 走れないと悲鳴を上げる足を叱咤して、あたしはどうにか足を動かした。 ついでに気持ちを紛らわせるため、震えた声で、ちょっとおどけた感じでガレアノに言ってやる。 「オホホホ!捕まえられるもんなら捕まえてご覧なさ〜い!」 「そこまで言うならさぞや自信があるのだろうなあ?!」 ガレアノは笑いながら、屍と共に走るスピードをあげる。 それが妙に早くてあたしは自分の言った事を思いきり後悔した。 「ああ!嘘!ごめんなさい!かなり捕まえなくて良い!!←平謝り」 「遅いわぁ!!」 あたしの目の前に、別の屍の兵が立ちはだかった。 何とそれは、首がない。(Noーーーーーー!!!!<泣) けれどやっぱり、車が急に止まれないように全速力で走っていたあたしの足も止まらなくて。 スピードの波に乗って思わず、立ちはだかった屍の兵を蹴り倒してしまった。 「ギャーーーーー!本当は言っちゃだめなんだろうけど最高に気持ち悪っーーーー!!!!! 今!今靴裏がべにょって!べにょって感触がああああーーーーー!!!!」 「わーん!ご主人様ぁ!あの人!ご主人様の靴跡がお腹・・お腹に・・・!!」 「イヤーーーーーー!レシィ!詳しく言わないでーーーーーーー!!!!(泣)」 叫んだその途端、ガクン!と、視界が揺らいだ。 地面が揺らいだ、・・・んじゃない。 あたしの頭の中で、大きな眩暈が起こったのだ。 「あっ・・・!」 ズサァッ!と肩から思い切り滑って倒れた。 肩が痛む、でも頭のほうがガンガンする。 ぐわんぐわんと揺れる世界。 どんどん、どんどん全ての感覚が消えていく。 感覚が、消えて そのまま 真っ暗な 真っ暗な 底の見えない世界へと、あたしは落ちた。 「ご主人様!ご主人様!!」 「アルジ殿!」 レシィが慌ててを抱き起こして、微かに血の滲む肩を見て顔をくしゃりと歪めた。 レオルドも駆けつけたが、すぐに二人の前に立ちはだかり、歩み寄ってくるガレアノに 無機質な光の灯る目を向けた。 「負の気の満ちたこの空間で走り回るからだ。・・カカカッ・・まあ、丁度良い」 レシィが涙目で、ガレアノを睨む。 そんなレシィを鼻で嘲笑いつつも、ガレアノは口元の笑みを絶やさぬまま、ゆらりと 腕を伸ばし、手を掲げた。 「お前達は邪魔だ、死ね」 ガレアノが、手を振り下ろす。 すると彼の周りで控えていた屍兵が、それを合図に一斉に襲いかかる。 レシィはを守るように、自分の身体を盾にした。 レオルドは敵を弾き返そうと、ドリルを構えて襲いかかる屍と化した人々からを守ろうとする。 (・・ご主人様・・!) レシィは振り下ろされる刃に恐怖しながらも、を庇うことはやめなかった。 死なせたくない人だから。 守りたい人だから。 瞬間、背後で光が爆発した。 ”いつか生まれる” ”生命の声よ” 唄が聴こえる。 優しい 優しい歌声が。 ”安らかな光に” ”抱かれ眠る子供達” まるで誰かを癒すように。 まるで何かを包むように。 ”愛した夢の続き” ”遠い夢に語り 瞳見つめ” ”堕ちてゆく” ”夢の始まりへ” ああ、これはあたしに唄っているのだ。 ぼんやりとした、小さいあたしを囲んで、4人の優しい声が ”変わりゆく” ”刻の中へ” ”そっと” 柔らかな光が、空間に溢れる。 の身体から、溢れんばかりの光が。 閃光が突き刺すように屍達を弾き飛ばし、ガレアノにも刺すように、強い光を浴びせる。 「があああ?!」 全身が苦痛に、苛まれた。 これは何だ? これは一体何だ? 何が起こった? レイム様、この小娘は一体 「あ、ぐ、ああああ!あっ、うぐぐ・・・!!」 このまま、これを浴び続けたら死ぬ。 まずい。 まずい。 寄り代の、この体が壊れる。 レイムに霊界サプレスから、わざわざ召喚して憑依させてもらったというのに。 まずい。 これ以上は 光の奥に、が立っていた。 その立ち姿は神々しく、悪魔も、天使すらも跪かせ、従えるほどの が、口元を歪めた。 それは不敵な、者の笑み。 彼女が嗤ったのを、ガレアノは確かに見た。 「ご、ご主人様?!」 光が、再び爆発した。 レシィ達は強風に煽られて無理矢理から引き離される。 それは重い機体を持つレオルドすらも吹き飛ばし、辺り一帯の岩達をも消し去った。 「ぐぁ・・!」 ガレアノは、一気にから距離を取った。 大きく後ろに後退し、爆発の中心地であるを上空から見つめる。 が、倒れたのが見えた。 同時に光が失われ、倒れた彼女の身体が・・・・・・何時の間に芽吹いたというのだろう? 先ほどまでになかった、ただ岩地が広がるこの一帯、を中心に眩い緑が溢れかえっている。 彼女の体が、やんわりと緑に受け止められた。 屍達も崩れて行く。 ポロポロポロポロ・・・・音を立てて砂になっていく。 緑に生まれ変わった大地へと、土として環っていく。 残りの粉は、風に煽られいつの間にか晴れてしまっている空へと消えていく。 「・・ッチ・・!」 ガレアノは舌を打つ。 せっかくの屍兵も、全て土に還されてしまった。 さらに最悪なことに、自分自身も酷くボロボロだ。 (しょうがない、もう一方の、聖女のほうを・・) ふわりと、上空から聖女の姿を探す。 すっかり緑で潤ってしまっているその大地の気は、悪魔である自分には何とも、 居心地の悪い空気、そのものだ。 見えた。 栗色の髪が、見えた。 顔もキュラーに見せてもらったモノと一致している。 ふわりと、静かに降り立って聖女の背へと手を伸ばす。 それに他の仲間(あれも知っている、この聖女の兄だ)が聖女に叫ぶが、 聖女はきょとんとした顔でこちらに振り返る。 「え・・」 聖女の肩に、手が触れた。 そしてそのまま連れ去ろうと一瞬、気を緩めれば ドンっ! 胸に、衝撃が走った。 それに思わず聖女の肩から手を離し、一歩後ろによろめく。 ドンっ! 再度衝撃。 それにさらに一歩後ろによろめいて見やれば、屍兵となってしまったこの砦の住人と 談話していた・・・男が妙な、鉄の塊 していた。 「屍兵!!」 胸を押さえて、ガレアノは叫ぶ。 それと同時にわっと屍兵が起き上がり、聖女達一行に襲いかかった。 (クソ・・痛みは特にないとはいえ、この失態・・・) 聖女が、仲間達に駆け寄ろうとしている。 それに腕を伸ばして阻止し、後ろから腕で首を絞めるように捕らえた。 「聖女、このままワシと来て貰うぞ」 「あ、あなたは・・それより、あの人たちを解放してください! 悲鳴に近い、懇願。 この聖女は、あの屍兵達を解放しろと頼み込んでいる。 それにガレアノは眉を寄せて、聖女・アメルの耳元に囁くように告げる。 「キサマにはあの者たちの声が聴こえるのか」 「解放、してください・・!すごく、苦しんでいます、悲しんでいます・・! あなたにも聴こえるんでしょう?!」 「知ったことか、死者には苦痛などない」 僅かに耳を傾ける。 確かにうめき声は聴こえるが、ガレアノにはあれが苦しんでいる、悲しんでいる声には聴こえない。 ただ、うめいているだけだ。 逆にそれが苦痛の声でも、自分にはたまらなく甘美な声に届く。 「素晴らしい声ではないか?死してなお、生者のように叫びを上げる・・」 悪魔は人間の負の気・・憎しみ、悲しみ、苦しみなどをとても好む。 だからガレアノにとっては怯える聖女の気が、たまらなく甘い。 ついつい、それをもっと味わいたくなって屍兵を呼び寄せ、それを聖女によく聞こえるように 叫ばせてやる。 「やめて・・・」 戯れによって、叫びがその場に木霊する。 この世のものとは思えない、悲痛で、陰惨な叫び声。 それにアメルは歯をかちかちと震わせて、涙を流して首を振る。 「やめて 再び、光。 先ほどのよりかは幾分弱い、光。 それが聖女の体から溢れ出て、ガレアノは叫び声を上げてのけぞる。 (これか・・!この力があの方の望まれる・・・!) アメルと。 ようやく、レイムが望む理由が分かり始めた。 (だが) それでも近距離で、何度もこれを浴び続ければガレアノも消滅をしてしまう。 もはや、今日はこれまで ドンっ! 崖から宙へと飛び立とうとしたガレアノの背中に、先ほど胸に受けた衝撃と同じモノが、貫く。 僅かにそちらへ向けば、やはり、あの中年の男が拳銃を構えて自分を狙っていた。 (しまった 崖に倒れこむように、ガレアノの視界は回転した。 底では薄暗い地面が自分を待ち構えている。 たかが人間に、ここまで追い詰められてしまうとは。 (このままですむと、思うなよ) ガレアノは唇を噛み締め、その身を重力にまかせ墜落した 「・・ご主人、様?」 恐る恐る、レシィは倒れたまま動かないに声をかける。 彼女は懇々と、重く瞼を閉じたまま。 「レオルドさん・・これ、ご主人様が・・・」 「・・・・・」 どう言ったらいいかわからないのだろうか? レシィは同じようにを見守る彼に目をむけつつ、溢れかえる緑に視線をめぐらせて、 どうしたら良いかわからずに、最後に空を見上げた。 空はその時。 雲の合間から光を差し込んで、リィンバウムの大地を照らしていた。 死者を慰めるように。 柔らかな風と共に。 NEXT ----------------------------------------------------------------------------- *後書き* 第39話をお届けさせて頂きました。 ようやくか!という感じですね・・! ガレアノについては色々と間違っている部分もあったりしますが・・どうぞご容赦ください・・! 主人公の謎も、どんどん深まっていくかと思います。 やっと中盤あたりに 入 れ る !(ヒー!<汗) 取り合えずトリス達はこのままファナンへUターン。 本当はこの次に<ケルマの恋>が発生するのですが、先にチラリとイベントを 終わらせてしまっていたので(しかもちゃんと書いてないし・・!)、このままルウのところへ 参ります。 あ、フォルテが酷い扱いですね! でも覗き萌え同盟は本気で入りたいかも!!(コラ) 唄は堕天使様の唄でございます!! 遅くなりましたが採用させていただいてありがとうございましたああ!! バイオハ○ード・・秋月りんね様のネタです! ああ本当は屍をもっと蹴り倒したりしたのですが気力がなくてカット! うう・・無念だ!! でも主人公・・本当何者なんだか・・(笑) それではここまで読んでくださって、ありがとうございました! 2002.2.9 2004.2.18大幅修正 |