遥か遠い過去の記憶 永遠を巡る貴女の魂は 一体、何処まで受け継がれるのか 貴女はいつになったら 解き放たれる事を望むのか 決断の時はもう近く 貴女はどちらを選ぶのか 第33夜 眩しい光が目に当たって、あたしは小さく身じろいだ。 耳にはカッポカッポと何かが軽快に歩く音と、ヒヒンと馬の鳴き声がする。 「・・ん・・?」 「起きたか」 背中から響く声に、あたしはぼんやりとした頭で今までの状況を思い出していた。 ネスが危なくて、でも早くも諦めかけていた所にルヴァイド達が・・・。 あ、そっかー・・それから寝てたんだっけ・・? 「・・おはよー、ルヴァイドぉー」 「・・寝ぼけているのか・・・?」 「うんにゃ、寝ぼけてないデース・・ただ寝起きだからー・・」 木の幹にもたれながらヒラヒラと手を振るあたしに、ルヴァイドはおかしそうに喉を鳴らす。 彼が些細なことで笑うことが少し珍しくて、あたしはちょっと不機嫌そうに顔を歪めて見せて 彼を見上げた。(別に怒ってないのよ、ただ見せかけただけ) 「・・何がおかしーのよ」 「いや・・、お前が頭を下げてきたときの事を思い出してな」 そう言って、ルヴァイドはあたしの額を布で拭う。 地面に額をこすり付けた時に汚れたらしくてそのまま放置していたものだ。 「・・どーもー・・あれ?レシィはー・・?」 「イオスと共にゼラムの様子を見てきている」 「へー・・って、あれ?あの子って人見知りが激しいはずなんだけど・・珍しいわね?」 あたしは首を傾げて、考え込む。 そして一つの考えが頭の中に思い浮かんだ。 「ま、まさ嫌がるレシィを無理矢理・・?!?そしてあんな事やこんな事まで・・きゃーーーーーーーーーーーーー!!!」 強引万歳!デグレアズー!!(萌) 「・・は?」 妄想に突っ走るあたしをルヴァイドが訳分からんと、言ったような表情で見下ろして。 白亜の城壁がそびえるゼラムに視線を映した。 「・・あの子供が偵察に行くイオスに自ら付いていくと言ったのだ、無理強いをさせたわけではない」 「わかってるわよー、ルヴァイド達がそんなことするわけないでしょ? ただ久々に潤いが欲しかっただけよー・・ああ、ネットしてぇー!」 「ねっと?」 今度はルヴァイドが首を傾げて、“ネット”の事を考え込む。 どうやら一度物事を考えると、とことん深く考えてしまうタイプらしい。 うーん、何か可愛いぞー・・・(沈) あたしはそんな彼を、のほほんとした気持ちで見守るのだった 一方ゼラムの偵察に向かったイオスとレシィは・・・。 「何を脅えている?」 「うひゃあああ!ごめんなさいごめんなさいーーー!!」 ・・・・・このような会話が、もう既に5度も繰り返されていた。 イオスは正直、参っていた。 偵察に来たのはいいが彼の意見を聞こうとすると上のようなセリフが何回も出てくるのだ。 ・・・怒りや苛立ちを通り越して、寧ろ呆れてしまう。 「・・真面目に偵察する気がないのならルヴァイド様達の所に戻っておいてくれないか?」 「ううううう、ごめんなさい・・・」 「すぐに謝るのもやめろ」 「あううううううううううううううううううう・・・・」 彼の話では、これでもどうやらの護衛獣らしいが、こんなに脅えてばかりで大丈夫か? と実力を疑ってしまう。 (・・だが) 瞳は曇りなく、彼の口から出てくるのはの事ばかりで彼女を慕っているのがよくわかる。 素直に彼女を褒めるその正直さ、・・少し、羨ましく思えた。 イオスは城門に目を凝らした。 中に入るためには、まず城門の兵士をどうにかしなければならない。 邪魔をされるならば多少の乱暴も仕方がないだろう。 (・・いない?) 兵士が、見張りが、門番がいなかった。 取り合えず門に人がいないことを確認すると、素早く門の入り口まで駆けて、 一度くるりと辺りを見回す。 「・・門番はいないらしいな・・何かあったのか?」 「・・街は平和そうですけど・・?」 確かに、平和だ。 門の向こうでは、住民が笑い合い、子供は楽しそうにふざけて遊びまわっている。 入り口からでも見える酒場では、大の男達が笑いながら殴り合っていて(あれも戯れだろう)、 活気に溢れかえっているゼラム、自分の使えている国とは全然違うかった。 同時に、妙な違和感を覚える。 (・・あの国に、感情と言うものがなかった・・?) 認めてもらうことに必死で気付かなかったが、デグレアの民には感情的な事はなかった気がする。 怒って殴り合ったり、喧嘩などの騒ぎを自分は見た事もない。 笑って話している姿は見たことはあるが、その笑顔にも何か引っかかりを覚えたのは事実。 何か、おかしい。 「・・・ど、どうしたんですか・・?イオスさん」 「・・いや、戻るぞ」 「はい!」 イオスの後をトコトコついてくるレシィに、イオスは一つの疑問をぶつけた。 「・・おい」 「は、はい?!」 「何故脅える、僕が怖いか?」 「え・・?」 レシィはきょとんイオスを見上げてその後ブンブンと首を振った。 その顔はどんどん真っ赤になっていく。 「ごめんなさいごめんなさい!違うんです!!」 「?」 「ぼ、僕はもとから誰にでも謝ってしまうクセみたいなのがあって・・そ、それご主人様 にも直そうと言われてるんですけどでもなかなか治らなくて・・でも・でもイオスさんは 怖くないです!すごく優しい目をしてるから!!」 「・・僕が?」 「はい!」 レシィはパッと顔を輝かせて、イオスを見上げて恥ずかしそうに話しを続けた。 「ここに来る途中・・ご主人様が言ってたんです、イオスさん達はすごく優しい人だって」 イオスは目を見開いた。 まさかが自分達の事をそんな風に言ってくれるなんて思っても見なかったから。 「僕、ご主人様を尊敬してます。そのご主人様がそう言うならきっと間違いはないんだって 思ってるから・・それにイオスさん達はご主人様を助けてくれた。・・・・今も、助けてくれています」 レシィはペコンとイオスにお辞儀する。 「ありがとうございました、ご主人様を助けてくれて」 もう1度お辞儀するレシィをイオスは呆然と見下ろしてた。 胸に温かい何かが生まれて、少し気恥ずかしくなる。 これは、照れというものなのだろうか? 「・・別に・・僕達も・・に助けてもらったから・・」 あの全てに 「・・僕も、ご主人様に助けてもらったんです」 「そうなのか?」 レシィはトコトコとイオスの隣りに歩いて、昔のことを話し始めた。 自分がイジめられた事、弱くて泣き虫な自分が嫌いになった事。 「・・でもご主人様はそんな僕を“好き”と言ってくれたんです。僕、誰かに好きって 言ってもらった事なかったから・・すごく嬉しくて」 貴女が好きと言ってくれたから 僕の中に強さが生まれる 「弱くても、自分が嫌いでも・・ご主人様は好きと言ってくれて、 この人なら命を掛けてもいいなって・・・思えて」 死んでもきっと、後悔はしない 逆にそれが誇りと思える レシィの言葉を聞いていたイオスは、自分とどこか似ていると思った。 最初は復讐心で近づいて部下になったが、今では誰よりもあの方を尊敬している。 命を掛けても、いいと思っている程に。 「・・だから、イオスさん達は怖くないです」 そう言ったレシィのその瞳には、ただ真っ直ぐにイオスを見つめて・・笑った。 イオスも、レシィの頭をぎこちなく撫でてつられるように笑みを浮かべる。 「 レシィが一瞬、きょとんとした表情になった。 けれどすぐにかぁぁぁっと顔を俯かせて、それでも嬉しそうに笑いながら小走りに一歩、前に出た。 「それじゃ僕、先に戻ってますね!」 「ああ」 だーっと走っての元に戻っていくレシィを後姿を見つめながら。 イオスは白い、青い空を仰いだ。 キミは本当に不思議だ キミを伝わって、色んな人が僕達を認めてくれてきている 優しいと、言ってくれる 「・・・・」 イオスはゼラムを見つめながら、そっと呟いた。 その表情はとても穏やかで。 「・・キミに出会えて、本当に良かった (・・まだネットのことで考え込んでいるよ・・) あたしはため息を吐きながら、そっとルヴァイドを見上げた。 考えてしまうタイプ・・・まぁ、それがルヴァイドらしくて良いんだけどね・・(遠目) しばらくして、彼に変化が訪れた。 考え込んでいたけれど、結局、やはり分からなくなってきたのかスッパリと考える事をやめたのだ。 そしてもう1度ゼラムに目を向けた。 「そういえば、お前の必要な薬はゼラムのどこにあるのだ?」 「・・(え?!イキナリ?!)えーと・・き、聞いてどうするの?」 「お前とあの子供だけで行かせるわけには行かないだろう」 「(やっぱりー!)い、いいって!ルヴァイド達にこれ以上迷惑は・・」 「迷惑など思っていない、・・お前の望む事は、出きる限り叶えてやりたいのだ」 「・・?」 ルヴァイドはそっと微笑んで、あたしの髪を一房摘むとその髪にキスをする。 突然の事体にあたしはワタワタと慌てて、ルヴァイドの傍らか離れようとするが ルヴァイドがそれを許さなかった。 「ぎゃー!離してー!!(汗)」 「お前といると本当に退屈はしないな」 「あ!その笑いと言いかたがムカツクわ!!ってか、そういう事は本命にやれー!!」 あたしの言葉にルヴァイドはまたおかしそうに笑う。 「本命・・か、お前は他の者の心には敏感だが自分の事になるとだめなのだな」 「はぁ?」 ルヴァイドは怪訝そうな顔をしているあたしの顎を掴み、軽く上に向かせる。 そして目を閉じて顔を近づけてきて。 ルヴァイドの前髪があたしの顔にかかった。 (・・え 「ご主人様ーーーーーーーーーーーーーー!!!」 あの気弱そうな声に、ルヴァイドとあたしの身体はビクンッと動いて。 またもやあたしとルヴァイドの間にレシィが飛び込んで来て、レシィがあたしの膝に座り込んだ。 ぎゃー!び、びびびびっくりしたーーーーー!!!! 「れ、レシィ?!お、おおおおかえり〜」 「ただいまです!ご主人様!!」 えらくニコニコと笑っているレシィに、あたしは一つ訪ねた。 「どうしたの?すっごく機嫌が良いね?」 「えへへ・・ご主人様、大好きですーーーーー!」 そう言って、ぎゅうううううっと抱き付いて来るレシィにあたしもぎゅううううっと抱きしめ返した。 「あたしもレシィがダイスキよーーーーーー!」 どうしたのですか?!神様!! レシィが積極的です!レシィ革命ですか?!(は?) ってか、いつになく積極的でオッケーーーーーーーーーーーーー!!!(親指グッ!) ひしっと抱き付き合うあたし達だったが、ルヴァイドがヒョイとレシィの首根っこを掴んで持ち上げる。 ああ!あたしのレシィ−−−−−−−!!(カムバーック!!) 「ちょ・・・ルヴァイド?!」 「わーん!ご主人様ぁーーーー!!」 なんとルヴァイドは無言でレシィをポイッと向こうに放り投げて。 放り投げられたレシィはしばらく目を丸くしつつ自分の状況を理解したあと、慌てて あたしに手を伸ばすが、顔をルヴァイドに抑えられて遮られる。 「ご、ご主人様ぁーーーーーーー!」 「コラー!ルヴァイド!!レシィの顔を手で抑えつけてるんじゃないわよー!!」 「・・イオスはどうした」 「おい!(聞けよ!)」 「い、イオスさんはもうすぐ戻ってきますぅー!」 「そうか、ならば行くぞ、早く戻らなければならないのだからな」 「・・何不機嫌になってるのよー?ルヴァイドらしくない・・」 あたしの言葉にルヴァイドはこめかみを抑えながらも、チラリとレシィを見下ろす。 レシィはさっきの放り投げられたのが怖かったのか、ビクッとしてあたしの背後に隠れ て、腕を掴んで顔を隠す。 「・・何でもない(ため息)」 「・・レシィ、ルヴァイドに何かした?」 「し、してませんし、出来ませんよ〜!!」 “出来たらやるんか”とツッコミをいれつつ、あたしはルヴァイドが馬を近くの木に繋ぎ 終るのを待ちながら、放り出されて妙に落ち込むレシィの頭を良し良しと撫でてやる。 ああ、フサフサ・・。(悦) あたしははっとさっきのことを思い出してしまった。 危うくルヴァイドとキスしそうになって、熱くなる頬を抑える。 ・・睫毛、結構長かったなー・・・ って、何考えてるんだ!あたし!!(ツッコミ) 自分の首を振って、取り合えずさっきのアクシデントは頭の隅に置いておく。 どうやらデグレア軍はキス魔が多いとあたしの中で決定してしまって。 微妙に困ってしまったのは言うまでもない。 「ルヴァイド様、ただ今戻りました」 「どうだ?俺達も入れるか?」 「はい、幸いにも門番が出払って入れるようになっています」 「そうか、では鎧を脱いでいくぞ」 「はい」 そう言って二人は鎧を取り外して、楽な格好になる。 そこであたしは一つの疑問をぶつけた。 「あのー・・鎧、そんなとこに置いてて盗まれないの?」 「それの心配はない」 イオスはルヴァイドにサモナイト石<霊>を渡して、あたし達に下がるように後退させる。 ルヴァイドはあたし達が下がったことを確認するとサモナイト石を手に取って誓約の言葉を唱える。 「誓約を交した異界の者よ、我の名の元にその姿を現わせ」 淡々と言葉を繋げるルヴァイドが唱え終わると、風がないのに髪が揺れた。 その風はあたし達の髪を揺らすがどこか生温かくて、ビクッと肩を震わせてしまう。 「大丈夫か、」 「う、うん・・ねぇ、イオス・・ルヴァイドは何を召喚しようとしているの?」 「天兵だ」 イオスがその名前をあたしに言うのと同時に、ルヴァイドが立っている地面に紫色の 光で魔方陣が光速に描かれる。 それは踊る光のように 「・・あ・・」 光が魔方陣を描き終わると、魔方陣から光が溢れ出した。 その眩しい光の中に現れたのは6枚の翼と巨大な2本の剣を持った、騎士。 鎧のラインが美しく、その存在自体も美しく、あたしはその召喚獣に見惚れてボーッとしてしまった。 「・・綺麗・・」 何て凛々しい姿なのか 神秘的で 勇ましい姿 これがルヴァイドが召喚した召喚獣 だがあたしの感動は次のルヴァイドの言葉で打ち砕かれる。 「これに荷物番をさせる」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい? 「・・・・・この天兵に荷物番??!?」 レシィも驚いた顔をしているが、イオスとルヴァイドは淡々と言ってのける。 「そうだ、この召喚獣なら大抵の野盗は一蹴される。仮に荷物が盗られたとしても 特に重要な物はないからな」 「だから気にしなくていい」 「・・・マジで?」 あたしはうーんと考えながらも、先行くルヴァイド達の後を追う。 (・・とにかく彼らにちゃめっ気(違っ)があるのはわかったわ・・次は薬ね・・) ネス!待ってなさいよおおおおおおおおおおお!!!(ガッツ!) あたしは拳を握り締めながら、ゼラムまでの道のりを走った。 「それで心当たりはあるのか?。」 「うん、取り合えずネス達の師匠、ラウル師範に会おうと思ってるの・・」 あたし達は高級住宅街の通りを歩いていた。 以前立ち寄ったラウル師範の家に言って事情を説明し、ネスの薬を貰えるようフリップに頼んでもらうのだ。 ・・・微妙に無理っぽいけど・・ 「貰えなかったらどうするんだ?」 「いやー!イオス!その可能性の方が大きいんだからアッサリズッパリ言わないでー!!」 自分の耳を抑えながら道を歩くあたしにイオスは苦笑しながら謝って、レシィもニコニコ とあたしに付いて来る。 ある意味ハーレムねー・・(遠目) 「それとなるべく声を控えてね、あんた達はミモザ達に顔も声もバレてるんだから」 一同はそれに頷くと、あたしは入り口を抜けてラウルの屋敷の玄関のドアを叩く。 「すいませーん、ラウル師範いますかー?」 「・・人の気配がない・・留守か?」 イオスの言葉に、あたしはサッと顔を青くした。 まさか、派閥に出かけているんじゃ・・・?(汗) そうなれば部外者を嫌うには絶対派閥に入れない=薬が貰えない。 “マジやべぇー!”と頭を掻くあたしをイオスとルヴァイドとレシィは庇うように動いた。 は?何なのさ・・? 「ちょっとどうし・・」 「これはこれは・・こんなに客人がいるとは珍しいの」 そののんびりとした声はあたしの知っている声で、思わずルヴァイド達を押しのけて、 屋敷の入り口に出る。 「ラウルしは・・」 「おや、殿。お久しぶりですな」 あたしは硬直したまま、ラウルの姿を見た。 いつも着ている服ではなく、そこらへんの老人が着ているようなゆったりとした服を着て。 帽子を被り、大きな鞄を持ったラウル師範。 一目見るとただのじーさんルックである 「ら、らうるしはん・・?(思わずひらがな)」 そのいかにもゲートボール(老人用スポーツ)から帰ってきたような姿は 一体何なんですかーーーーーーーーーーー??! あたしの叫びにラウルはにっこりと微笑んで、空を仰ぐ。 「最近ネスティやマグナやトリスがいなくて淋しくてな・・遊び心でやり始めた新しい運動にハマッてしまっての・・ネスティには内緒じゃぞ?」 ネスティの説教はなかなか厳しいモノがあるからのう 「(ああごめんなさい!そのいなくなった元凶と一緒にここに来て!!)そ、そんな事 よりラウル師範!お願いがあってここに来たんです!!」 「お願い?・・まぁ、取り合えず中へ入りなされ・・そちらのお客人もご一緒にどうぞ」 ただの老人的服装をしたラウルに首を傾げながら、 ルヴァイド達はコックリと頷いて 後に続いた。 ってか、まず服を着替えてくださいね・・(遠目) 元の服装に落ち付いたラウルはそれぞれに紅茶を出して、クッキーまで出してくれた。 あ、このクッキー美味しいー・・ 「それでお願いとは?」 「あ・・そうだ!師範、あーなってこーなってな感じでネスが大変なんです!!」 「何と・・薬が切れたのか・・?!」 その会話(?)聞いていたルヴァイドとイオスは互いの顔を見合わせて。 イオスよ、今の会話で事情を理解できたか?(汗) ・・い、いえ・・・(汗) そんな会話を無視してあたしはラウル師範に向き直った。 師範はウームとうなって、難しい顔をするとあたしの顔を真剣に見つめる。 「・・フリップ・グレイメンと言う方をご存知かな?」 「・・し、知りません(本当は知ってますが・・!<嘘ついてごめんなさいごめんなさい<平謝り)」 「彼は物資を管理している者なのだが・・ネスティの薬は特別でな。 彼が薬を管理しているのだが・・彼は、ネスティを憎んでいる」 「・・・」 あたしはギュッと膝の上で拳を固めて、ラウル師範の言葉を聞く。 「・・その彼が、ネスティに新しい薬を下ろす可能性は極めて低い」 「・・で、でも・・あたし・・」 後悔しない選択を 「あたしはネスを助けたい」 真っ直ぐにラウルを見て、あたしは言った。 もう何かを怖がっていられない、すぐにでもファナンに戻って帰らなければ。 「師範、お願いです。フリップ・・・様に頼んでください(危なー!様付けしないと・・)」 「・・殿」 ラウル師範は微笑んで、優しくあたしの頭を撫でた。 「ワシの息子の事を想って来てくれてありがとう・・」 「・・ラウル師範・・」 「殿なら・・ネスティを救う事が出来るかもしれん」 その言葉に、何か悲しい色があった。 融機人としての彼を、受け入れて欲しいと言う事なのだろうか? 「・・頑張ります、ネスはあたしにとっても、マグナ達にとっても、大事な仲間で、友達だから」 そうだ、友達だ あたしは、彼の友達でありたい ・・彼が少しでも、傍に居てくれることを望んでくれるような ・・・そんな、友達に 目を伏せて、その言葉を告げたあたしに、ラウル師範は限りなく優しい瞳で見つめてきて。 何か思いついたように、にっこりと笑顔で言い放った。 「・・そうじゃ、殿。ネスティの嫁にならんかの?」 ・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい? さっきまでのシリアス的雰囲気は一気に吹き飛んで、逆に妙に冷たい空気が流れ込む。 しかしラウルはそれをまったく感じずに、あたしの両手を握って笑顔で顔を近づけた。 「マグナの嫁でもいいが・・今の所ネスティが優先らしいからの。 どうじゃ?ネスティは少々説教癖があるがきっと大事にしてくれるじゃろうて?」 「え?ええええええええ????」 ぎゃー!笑ってるのに!笑ってるのに顔が怖い!! ラウル師範、すっげープレッシャーを与えないでーーーーー!!! あたしが返答に(かなり)困っているとイオスとルヴァイドがあたしの手をラウル師範から 外して、あたしを庇う様に、ラウル師範に挑むように前に出る。 「だめだ、そんな事はが決めることだ」 「それに薬の件はどうなのだ?ラウルとやらよ」 「・・薬の事は派閥に行かなくてはどうにもならんが・・殿、是非とも考えて やってくださらぬか?ネスティの嫁にかマグナの嫁か・・・」 「!派閥に行くぞ!!」 「先に向かっている」 あたしが会話の早さに目を回している間に、ルヴァイドとイオスはあたしの腕を掴んで 持ち上げて、スタスタとラウルの屋敷を出ていった。 レシィも慌てて後を追って来たが、あたしには一つの心残りがあった。 クッキー、もっと食べたかった・・(遠目) そんな事を思い、笑顔で手を振って見送るラウル師範を遠目で見つめながら。 あたしはぼんやりとデグレアズに外へ運ばれるのであった。 取り合えず、師範には逆らわないでおこうっと・・(ある意味最強じゃん・・!) 同時刻。 ゼラムの街中を、一人の少年が歩いていた。 腰には剣を下げ、物珍しそうに辺りを見まわしながらゼラムの商店街を歩く。 ・・とても真っ直ぐな意思を秘めた者だけが持つ、瞳の持ち主だった。 「へー、サイジェンドと違って結構人だかりが多いんだなー・・」 「ま、マスタ〜!」 少年はマスターと呼ぶ少女に振り向いて、”あっちゃー・・”と顔に手を当てる。 頼まれていた荷物を全部、ひっくり返してしまったのだ。 「ほらモナティ。拾うの手伝ってやるから泣くなよ」 「す、すいませんですの〜・・モナティが、モナティが〜」 「早く買い物を終らせて、リプレ達のところに帰ろう?今日はラーメンだって」 「らーめんですの?!う、嬉しいですの〜!早く拾いますですの!」 コロコロと表情を変えながら拾う可愛い護衛獣に、少年・・ハヤトは苦笑しながら果物を拾う。 「ん?」 「・・マスター?」 モナティは友達の、プニプニとした軟体動物(笑)ガウムと一緒に首を傾げる。 ハヤトは空を見上げて、次に辺りを見まわした。 「・・いや、何でもないよ」 「そうですの?それじゃ、帰りましょう、マスター!」 「そうだな」 モナティと手を繋いで、ハヤトは街から出ようと歩いた。 だがハヤトの中に、何かが渦巻いていて気分が晴れない。 (・・誰なんだ?) 懐かしい、気持ち どこかに、懐かしい気持ちにさせる人がいる 会いたいと、願ってしまう程に 古き記憶は動き出す それは受け継がれた想いと共に 止まったままの歯車も動きだす 現在の時間を刻む様に ゆっくりと NEXT★(ラウル師範、じー様ルックで登場★) 後書き はい、第33夜です。 レシィとイオスが仲良さ気デス。 ルヴァイドさん、何気に迫ってます。 ってか、子供クサイですな、・・レシィに嫉妬かよ・・(遠目) 投げないで!レシィを!! ラウル師範が素敵に無敵です。(惚) ああオジサマーーーーーーーー!!!(親父スキー・・?) しかも出してしまいました・・サモ1のハヤトさん。 モナティもガウムも出ました。(出たといえる程出番はなかったが) 予告ナシに逝ってみました、少し後悔? 行き当たりバッタリでキャラ出すのやめようぜ!俺!!(自分の首締めるから!) どういう関係に繋がるか、死ぬ気で頑張って出します。(吐血) ああ、また設定決めなくちゃ・・(遠目) 取り合えずリンカールートクリアして頑張ります。 まだ全然クリアしてないのですよ・・。 更に更新怠るかもしれません、リンカールートクリアしてないので。 ぎゃ!すいませんですよー。(逃) 2002.1.26 |