第26夜








「ぬおおおおお・・・あ、頭が痛いいいいぃぃぃぃぃぃ・・・・・」

「ご、ご主人様ぁ〜・・大丈夫ですか・・?お、お薬です・・・」

「うう、レシィ・・キミはなんて優しい子なの・・?おねーさん、感激・・・・!」


あたしは涙ぐみながら薬を口に含み、コクンっと水と一緒に薬を飲み干す。
あー・・頭痛い〜・・・・。



・・あたしは2日前、モーリンに手渡された酒を飲んで、鬱憤晴らしに大暴れ(したらしい)。
さらにはマグナを押し倒し、バルレルを抱きしめてウハウハしていたようだったのだけれど。


(・・・・・・・・覚えていないっつーの)


そんなに嬉しいことがあったというのに覚えてないなんて。
頭痛がとても理不尽なものと思えてくる。
まぁ飲んじゃったあたしが悪いのだけどね・・!


「むぐぅぅぅぅ・・せっかくファナンを巡ろうかと思ってたのにぃぃぃぃぃぃ・・・」

「あははは・・(苦笑)」


布団の中でうめくあたしに乾いた笑いを出すレシィ。
相変わらずもふかふかしてそうな柔らかい髪に、苛めたくなっちゃいそうな大きな目。
見ているだけの癒し系とは彼のことだと胸張っていえるわ、あたし。(真顔で)


(・・まぁ、レシィをまったりと眺めていればいーかなぁ・・・?)

悶々と考え込んでいると、レシィは思い付いたように席を立つ。


「ご主人様、何か作ってきましょうか?朝は食べてなかったから・・」

「うおー、レシィったら本当に優しいなぁ・・・・いつもありがとう」

「そ、そそそんな事ないです!僕はこんな事しか出来ないから・・。
それにご主人様の役にも立ちたくて・・・」



け、健気・・!(ドキュ−ン!)



”レシィは十分お役にたってるわよーーーーぅ!!”と頭痛無視して幸せを胸いっぱいにして、
彼を頭から抱きしめて、よしよーしvvと頭を撫でてやる。
ふかふかな髪が指の間を擦りぬけて、撫でるだけでも気持ちが良かった。
くぁー、良いね!もう!!(><)













「ご、ご主人様・・・」


レシィはに撫でられながら、恥ずかしそうに俯く。
撫でている手は温かくて、優しい・・そしてどこかくすぐったい。


(・・綺麗な人だなぁ・・・)


こっそり彼女の横顔を見て、レシィはふいにそう思う。



ただ顔だけが綺麗な人は、世界にはたくさんいるけれど

そういうのじゃなくて、この人は心も綺麗だなって思う


普通の人なのに、どこか違う


側に居てくれて、側にいさせてもらえて

それだけで何かほっとする

どこか懐かしい人

温かい人

この人の手で召喚された自分


この人を護ることが自分の役目


だけど



(役に・・立てるのかな・・)



護ることが、出来るのかな



そう考えたら、胸の奥から痛みが沸いた。
ずっとずっと昔にメイトルパで折られた角を持つ、一人前じゃない亜人の自分。

レシィは心の隅にあった昔の記憶を言葉と気持ちと共に、ポツリと漏らす。


「でも・・僕はすぐ泣くし、戦う事も・・嫌だから・・。
僕、メイトルパの世界でも“弱虫”って言われてたんです。
・・・・・護衛獣がこれじゃ・・失格ですよね・・・」


レシィは自分の上着の裾を強く握り締めて、肩を震わせる。


「レシィ?」


目元が熱くなって、いつもの涙が溢れてくる。



自分がすごく情けない



「ごめんなさい・・弱虫で・・泣き虫で・・ごめんなさい・・」


俯きながら目元を拭うレシィの指の間からボロボロと、透明の水が零れ落ちる。



自分の弱さを悔いる涙



俯いているから、の表情は見えない。
俯かなくても視界が滲んで何も見えない。

だけどきっと呆れられてる。

弱くて情けない自分に、幻滅している。
メイトルパの世界の皆、そうだったから
謝ってる、泣いてるばかりの自分に幻滅して・・だからイジメられて。

ふっと、の指が目の前に降りてきて、レシィは顔を上げる。
するとはにっこり笑って。


レシィの額を、ビシィッ!思いっきり指で弾いた。


「っ・・?!ご、ご主人様?!(い、痛い・・)」

「涙拭いてあたしの顔、見なさい」

「は、はい!」


有無を言わさない、強い響きのある口調。
怒られる、と思いながらも、言われた通りに涙を拭ってレシィはぱっと顔を上げる。
はそんなレシィに、ため息をついて言葉を吐く。


「たーしかに、レシィは弱虫で泣き虫のクセがあるわよねー・・否定しようにも否定できないわ」


気にしている事をあっさりと言われて、レシィは頭を殴られたような衝撃を受けた。
涙が再び滲んで来て、嗚咽を漏らして俯いてしまった。


「ご、ごめんなさ・・」

「でもね、あたしはそんな泣き虫で弱虫のレシィが好きよ?」

「・・?」


はレシィの手を掴んでベッドに座らせて、ジッと見つめて。
優しい笑みに、なる。
口調も、さっきの強い口調とはうって変わった、柔らかな口調。


「レシィが作ってくれる料理も美味しいし、レシィが洗濯してくれた服もいつも真っ白で
着ていてすごく気持ちが良い。・・そりゃたまに落とすけどね?(苦笑)」


おかしそうに笑って、レシィの髪を優しく撫でて。


「戦う事って怖いよね、あたしだってずっと平和な世界で暮らしてたから戦争とか全然
わかんなかったし、知ろうともしなかった。だって次元が全然違うもん。
戦争とかも、教科書とかでしか習わなかったわよ。
・・毎日が平和で、同じ事を繰り返してる・・そんな所にいたから」

「・・?」

「・・元から力が強い人なんて、滅多にいないよ。・・・努力して強くなった人もいる。
でもその努力から逃げ出す人がいても、強くなれるよ・・それにあたしは、レシィは強いと思う」


レシィはブンブンと首を振って、の言葉を否定する。
強くない、怖いから。


「ううん、優し過ぎるだけだよ、レシィは。
誰かを傷つけると自分のことのよう泣いてしまう、すごく優しい人なの。
・・・・・・そしてそれは良いことなんだよ」

「・・僕は・・イヤです・・・泣き虫だって言われるし・・強くなりたい、けど・・」

「誰かの為に泣くことが出来るって、すごい事だと思う。
レシィが誰かの為に泣いて・・側に居て、それだけが誰かの力になる事だってあるの」

「・・僕が・・?」


は笑って、レシィを抱きしめて髪に頬を摺り寄せる。
そんなの身体は温かくて、柔らかい。


「あたしも、初めてレシィと会った時・・すごく悲しくて、ツライ事があってヘコんでた。
召喚されたばかりのレシィは・・いきなりのことにやっぱり泣いてたけど。
でもあたしの側に居てくれたよね?」


レシィははっとして、初めて会った時の事を思い出す。
泣いていた、女の子。


「あたしにはそれがすごく嬉しくて、元気なれた。レシィの強さのおかげなんだよ」

「・・・僕の・・強さ」

「・・いつも泣き虫でも、いつも怖がってばかりいても・・いいんだよ。強く在る時は、何かを護る
時だけでいい。何かをするその一時だけで。いつも強く居てもしょうがないんじゃない?」

「・・ご主人様・・・」

「どっちかと言うと、あたしはレシィが料理上手洗濯上手で嬉しいよ?生活には困らないし、
レシィの料理って本当に美味しいからあたしはもう充分幸せvv」


レシィはの腕の中で目を瞑り、訪ねる。



「・・僕、・・弱虫でいいですか?」



「うん」



「僕・・泣き虫でいいですか・・?」



「うん、あたしは泣き虫でも弱虫でも、“レシィ”が好きだから」



その言葉と同時に、風が部屋に滑り込む。
潮の匂いと、波の音と共にそっと・・優しく。



僕は、この人を護りたい

役目とか、そういうのは全部関係なしに

在りのままの僕を受け入れて、“好き”と言ってくれたこの人を



「・・ご主人様」

「んー?なぁに?」

「・・僕、ご主人様がご主人様で良かったです」


は目を丸くさせて、次の瞬間にはレシィをぎゅうううううっと抱きしめた。


「かー!なんて可愛い事を言ってくれるの?!ラブいわ!レシィ!!(><)」

「うわわわわ・・・///」

「・・取り合えず、謝りグセは直そうね?(苦笑)」

「・・はい(汗)」




















「それじゃかるーく作ってきてくれる?」

「はい!ちょっと待っててくださいね」


パタパタと走り出て行くレシィの背を名残惜しそうに見送りながら、あたしはゴロンと
寝っころがって天井に目を向けた。
あー、まだあたまいたいー・・(沈)
でもレシィの髪ってふわふわしてて・・・良かった・・・(悦)

あたしが邪な事を考えている間にも時計の針が静かに、規則的に動いている。
それが子守唄のように聞こえて来て、あたしはそっと目を閉じた。




















、入るぞ」


ネスティは扉をノックする。
だが返事はなくて、そっと中を覗くとは穏やかな寝息を立てて眠っていた。


「・・まったく、頭痛でうめくと思ってたらすぐに寝て・・」


ネスティは呆れたため息を吐きながらも、の側に近づいて近くにあった椅子に座る。

白いカーテンが身を揺らしながら、爽やかな風が吹き込んで。
時計の針が動く音と、海の波の音と、の寝息が耳に滑り込んで来て。
言い表しようのない安心感と穏やかさが胸の中に生まれる。



・・幸せそうな寝顔だな・・



見ているこっちが幸せになれるような寝顔に、苦笑を浮かべざるおえなかった。
前髪が風に揺れての目元にかかる。
ネスティがその前髪を掻き上げてやると、サラリとした感触が指から滑り落ちて。

思わず触れていることが少し気恥ずかしくなった。


(そういえば・・彼女も一応・・女の子なんだな・・)


多少どぎまぎとしつつ、ネスティは顔を近づけて、そっとの顔を観察する。

長い睫毛にうすい桃色の頬、柔らかな前髪。
そしてうすく開いた桜色の唇はどこか艶やかで。
思わず目を逸らしてしまった。


「・・キミも変だが、僕はもっと変だな」


だが、引寄せられるように・・指先での唇に軽く触れると、の瞼がピクリと動いた。
“起きた?!”と慌てて手を引くが、は起きなくてそのまま寝息を立て始める。
ネスティは苦笑しながらも、もっとよく見えるようにの顔に自分の顔を近づけて。
寝顔に魅入る。


「・・・」


そして引寄せられるようにの顔の脇に手をつけて、もう片方の手でうすい唇を指でなぞる。


「・・ん・・っ・・・」


くすぐったいのかは小さく声を漏らす。
その声はいつもと違って甘く聞こえて、甘く感じて。
ネスティの頭の中が白くなっていって、何も考えられなくなって。
顔を更に近づけて。

・・うすく開いた唇に自分のそれを重ねようとした瞬間。


「ご主人様ー!出来ましたけど入って良いですかぁ?」

















あたしは重たい瞼を起こして、寝ぼけた目のままムクリと起き上がる。


「ん・・?レシィー・・・?・・って」


あたしの眼前にはネスが床に手をついて、心臓を抑えて呼吸を整えていた。
あれ、いたの?


「・・てか、あんた何やってんのよ・・・・」


あたしが声をかけるとネスはビクっと肩を震わせながらバッ!と振り向く。
その顔は真っ赤で。


「・・ネス?」

「っ・・///」

「ど、どうしたのよ?顔、真っ赤・・」

「・・・・っレシィ!!///」

「は、はい!!(ね、ネスティさん、怖い・・!!)」

「キミに頼まれていたモノを持ってきた!・・!飲み過ぎるなよ!」


それだけ言うとネスはレシィに小袋を押しつけて、さっさと部屋から出て行った。
あたしとレシは呆然とその背を見送って、二人一緒に首を傾げた。


「・・何を怒っていたんでしょうか・・?ぼ、僕がご主人様のお薬を買いに
行ってもらえるように頼んだせいで怒って・・?!(すでに半泣き)」

「いやぁー、お腹痛かったんじゃないの?」

「・・そうなんですか?それじゃ後でお薬を持ってってあげた方がいでしょうか・・?」

「うーん、悩み所よねー」


あたしとレシィは再び扉を見つめて、また一緒に首を傾げたのであった。
そしてあたしは野菜の煮物とご飯を持ってきたレシィに向かって一言。


「レシィ、そのピンクのエプロン・・」

「?エプロンがどうかしたんですか??」



ってか、レシィ・・ピンクのエプロンがすっげー似合い過ぎてどうしましょ、ってな感じなんだけど・・・
取り合えずあたしは、これだけをレシィに伝えた。


「その姿で一人で出かけないように」



じゃないと攫われるから



「は、はぁ・・・?」





















あたしは全部料理を食べ切って、パジャマからちゃんとした服に着替えようとタンスを開ける。
そして服を取り出して、脱ごうとしたその時に、窓からカタンと音がして。


「?」


振り返ると、目に入ったのは昨日の海賊。
・・・・え?海賊??


「・・ッチ!見つかっちまった・・野郎共!!こいつを捕まえろーーーーー!!」

『おーーーーーーーーー!!』

「ぎゃあああああああああああああああああ!!!!!濃い集団んんんんんん!!!!(泣)」


わらわらと濃い集団がモーリン道場の窓からぞくぞくと入り込んできた。(ヒィー!)
しかも彼らはすばやくあたしの身体を抱え上げて、窓から連れ去る。


「いーーーやーーーーーー!誰かー!!!」


レシィはついさっき食器を片付けに行ってしまって、レオルドは外でトリス達の手伝いに行った。
なんてタイミングが悪いのか・・・(遠目)
ってか、護衛獣の意味ねぇ!(ツッコミ)


「くぬー!くぬー!離しなさいよ!!」


あたしは抱えられながらも近くの海賊の顔を足で蹴る。
だが素足なので、顔に汗がヘバリついて気持ちが悪い。


「いっやああああああああ!!!キモイ!ベトベト!ってか、あんたら魚臭い!嫌!!」

「う、うるせぇ!これが海の漢の香りだ!!」

「せめて魚じゃなくて潮の香りをつけておけえええええええええ!!クサーーーーーーーイ!!!!」

「大人しくしろ!!」


・・こうしてあたしはムサイ男集団に、近くに停船していた船に連れこまれてしまった。
そしてやっと降ろされて、あたしは妙に豪華な部屋に連れていかれて待たされた。
周りは金の装飾品や絵が飾られてあって、あたしが座らされているソファーも
座り心地が良くて高価なモノだとわかった。


「・・・(・・嫌な予感)」

「おい小娘!今から船長がおいでになるから失礼のないようにするんだぞ!!」

「五月蝿い、下っ端男!」


あたしの言葉に男はグッと息を詰まらせて、真っ赤な顔して短剣を握り締める。
どうやらよっぽど嫌だったみたいねー・・


「この・・殺すぞ・・!」

「・・っ・・」


腕に刃を当てられて、そこから赤い血が滴れ落ちる。
ゴツゴツとした掌があたしの腕を本気で掴んでいるものだから、痣が再び出来そうだ。
くぅ〜切り傷って痛いーーーーー!!


「ちょっと待てい、まだ殺すな」

「!船長!!」

(うわ、濃っ!)


それはムサイ集団の中に一番一段と浮いている人物を見ての感想だった。
ジャキーニはあたしをジロジロ見おろすと、ニンマリと笑う。


「ワシがジャキーニ船長と言う」

「ジャキーニが姓で船長が名前なのね、ダサ!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



一瞬、重々しい空気が船室を支配するがあたしは怯まずにジャキーニを睨み付けた。
だがジャキーニは大きく咳払いをすると、顎にあるヒゲを撫でながら眼帯のない目であたしを見下ろす。
うわー・・いかつい。


「突然だが、貴様を人質にする!」

「・・・・・・は?(本当に突然だな、オイ)」

「お前がいればファナンの召喚師も手出しは出来んじゃろう!ううむ・・素晴らしい!ワシの考え!!」

「自分で褒めんなーーーーーーーーー!!!!」


ジャキーニはあたしに妙な笑みを浮かべながら、あたしを連れて甲板へ。
そしてそこに備えられている大砲を自慢するように見せた。
大きく、いかにも丹念に磨かれていますと言わんばかりの立派な大砲。


「わっはっはっはっはっは!ズゴイじゃろう!!」

「・・いや、すごいけど・・だから何?」

「・・・・ふ、フン!女には男の浪漫はわからんじゃろうて!男と言えば大砲じゃ!!
さっきは威嚇にファナンの浜を狙ったが今度は街中だ!撃て撃て撃てーーーー!!」


ジャキーニは部下に命じると大砲を何回もファナンの中に撃ちまくった。
ドォンドォンと、すごく重たい音があたしのお腹に響いていく。



うあああああ!や、ヤバイ!!



とにかくジャキーニの気を引かなくちゃ・・あたしのトリス達が危ない・・!!(誰がお前のだ)



「あ、あんたこそ・・女の浪漫がわかってないわ・・ええ、一生わからないでしょう!」

「な・・何ィ?!」


あたしはうろたえるジャキーニを手招きして、そっと耳打ちして女の浪漫を語る。


「いい?女の浪漫はね・・・ごにょごにょごにょ・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


話しに耳を傾けていたジャキーニはの表情がみるみるうちに青くなっていく。
しまいには肩を震わせ、歯をカタカタと鳴らし始めて脅えた。
部下は驚きの表情を露にしながら、ジャキーニを呼ぶ。


「せ、船長・・?」

「ジャキーニ、あんな感じが危ないの、オーライ?」


あたしがニマニマ笑いながら、呼びかけた海賊その1を指差す。
ジャキーニは悲鳴を上げながらあたしの背に隠れて、部下に恐れる瞳を向けた。


「ひぃぃぃぃ!な、何と・・ワシの貞操も終りじゃああああああああああ!!!

「こ、小娘!船長に何を吹き込んだ?!」

「おほほほほ!女の浪漫の一部をね!!男には到底理解できないわ!さぁ、ジャキーニ!
自分の貞操を守るのよ!!ヤられる前に殺れ!!!これは弱肉強食の世界の基本よ!」

「あいわかった!我、ジャキーニが命ずる!我が貞操を守れ召喚獣どもぉぉぉぉぉぉ!!!」


ジャキーニはサモナイト石を掲げると、仲間の部下に召喚術を放った。
あたしは彼の後ろでその光景を見て、うすく微笑んだ。



コイツは扱いやすいわね・・クククッ(←キュラーかよ)



「せ、船長おおおおおお!!!!!(汗)」

「ワシは男に趣味はないぞーーーーーーーーーーーーーーー!!!!(ちゅどーん!)」

「お、落ち着いてくだせぇ!話が良く見えな・・」

「黙れ黙れ黙れええええええ!!!(チュドーン!!)



アデュー、無駄に濃い男たち

今度は美形に生まれ変わっててちょーだい



(哀れな)海賊達の悲鳴が船に響く。
あたしは取り合えず逃げるため甲板を降りようとするが、ジャキーニに腕を掴まれて動けなくなった。


「ちょっと!離しなさいよ!ヒゲ!!」

「・・小娘!」


ジャキーニは指輪と花束を取りだし、そっとあたしの手を握る。
ってか、頼むからやめてくれ(鳥肌)


「その度胸!その知識!その強気な性格!ワシの嫁にピッタリ理想じゃ!ワシと共に大海原を!!」

「・・はぁ?!何言ってんだあんた!ロリコンかよ!!(ゲシッ!)」

「(蹴られて)グハッ!く・・くぅ・・ワシは諦めんぞ、我が妻よ!!」

「誰がお前の妻ダーーーーーーーーーーーーーー!!!!(鳥肌)」


ジャキーニは服を脱ぎ出して、ガバっと上着を広げて胸をあたしに見せた。
あたしは頬を引きつらせ、叫んだ。


「胸毛濃いーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!(超嫌)」



予想が当たったけど何か嫌だーーーーーーーーーー!!



「さぁ!ワシのこの胸に飛び込んで来い!!」

「嫌に決まってるでしょ!ってか、胸毛剃れそのまま去れ寧ろ逝け!!

「さぁさぁさぁさぁ!我が妻よ!!(迫り)」

「(後退)イヤー!目が腐るー!露出狂!露出セクハラーーーーーーーー!!!」


あたしが叫んでいると甲板の方からモーリンの声が聞こえて。
あたしは奴から逃げるようにそっちへ向かって甲板から覗くと、モーリンやトリス達が居た。
た、助かったああああああ!!!(嬉泣き)


「モーリン!みんなーーーーー!!」

!無事かい?!」

「今は無事!でもヤバイかもって・・いやあああああああああああ!!!

「この胸を見ろーーーーーーーー!!!」


“目的変わってるぞ、オイ!”とツッコミを入れながらもあたしは下を確認して、ロッカを発見した。


・・ええい!迷ってちゃヤられる!!


「ロッカ!」


あたしは躊躇なく船から飛び降りた。
重力感があたしの身体を包み込んで勢い良く落ちて行って。


・・その恐怖で、あたしの意識は途切れたのだった・・・。





















(飛び降りた?!)


瞬間に、ロッカは手を広げて構えた。
彼女の身体が宙に舞い、髪をなびかせながら急速に落ちてくる。
ロッカは落ちてくるの身体を何とか抱きとめて、地に降ろすとの身体を揺さぶった。


さん!さんしっかりしてください!!」

「・・・」


グッタリとしているが呼吸は正常だ。
気絶しているだけとわかると、ロッカは大きく安堵のため息をついてを横抱きで抱え上げる。
向こうの方ではリューグが斧を片手に、ジャキーニの船に乗り込んでいた。


「オイ、馬鹿兄貴!を看とけ!俺達はコイツらを叩く!!」


トリスも杖を抱えて、マグナも大剣を持ってジャキーニの船に乗り込むが。
一同は唖然とした。


「・・何コレ・・・?」


トリス達の目に映るのは気絶していたり、吐血している海賊達。
異様にボロボロのマストに、サモナイト石を手に持っている上半身裸のジャキーニ。

・・・マグナ達はその胸に覆い茂っている胸毛に思わず口を抑える。

トリスは多少退きながらも、気分の悪くなった仲間達を励ました。


「みんな!敵はあいつ一人よ!全員で叩いちゃえーーーーーーーーーー!!!」

『オオーーーーーーーー!!』


海賊船船長兼外道召喚師・別名・・浪漫を夢見る胸毛のジャキーニ。
・・こうして一気に囲まれた彼は、一時の三途の川を渡るハメになる。


・・余談だが、次に彼が目覚めた時には胸毛は剃り取られてあったという噂が流れたがそれは定かではない。
ようするに、本人のみぞ知る・・・と言う事である。





さらば、胸毛。

儚く散れ














NEXT






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*後書き*

第26話をお届けさせて頂きました。

でも話の展開が急過ぎて読みにくいですね・・登場人物多く、セリフばっかりで!(殴)
ああもう穴があったら入りたい・・・。

レシィのピンクエプロンはみかん様からのお絵描き掲示版から無断で頂いちゃいました!(瞬殺)
そして遅れましたが主人公の現在の服は麻生織絵様の衣装を採用してます!
ありがとうございました!!(嬉々)

ジャキーニの胸毛は豊かに茂っているかなと想像してます。
うわぁ・・嫌だ・・(吐)


それではここまで読んでくださってありがとうございました!


2004.1.2修正