第22夜 ギブソン邸の一室で、静かな会話が始まった。 哀しいほどに、とても、静かな。 「・・・オイ」 「・・・」 リューグは呆れたため息を吐いて、無遠慮に部屋に足を踏み入れる。 遠慮なんて必要ない。 何度もぶつかって来た兄弟なのだから。 「・・そうやって落ち込むくれぇなら・・ガラにでもねえこと言うんじゃねえよ・・・」 「・・・そう・・だな」 外は小降りの雨が降り、下の階では賑やかな笑い声。 恐らくトリスかマグナが何かをやって、ネスティに怒られているのだろう。 そんな事がいとも簡単に想像できる程の、・・声。 だが、彼女の声は聞こえない。 ロッカはベッドの上に足を抱えて座り込んでいた。 そんな彼は窓を見ていた。 暗い空と雲がこの世界を覆っている。 まるで、自分の世界のように。 「・・・だけどな、リューグ・・」 「何だよ」 「僕は・・彼女にああ言った事・・・・・後悔してないつもりだ」 “―――貴女がいると足手まといなんです!” 「・・の割には沈んでんじゃねえか」 リューグは呆れたように言い放つと、ロッカの背に自分の背を合わせる。 何年ぶりに、背を合わせただろうか。 両親が死んで、彼と手を合わせることさえしなかったのに。 「・・こんな、日だったな」 ポツリと呟いたロッカに、リューグは頷いた。 「・・そうだな・・」 「・・父さんと、母さんが殺された日も・・こんな雨の日だったな・・」 「・・ああ」 今でも覚えている。 あの時の悲劇。 悲しい想いに心を壊されたあの日。 忘れられない、雨の日。 「・・僕はもう、あんな思いはしたくないんだ・・・」 「・・・」 「あの人に嫌われたくないけれど、死んで欲しくもなかったから」 傷つきたくないから いなくならないで欲しいから あの温かい、柔らかな身体を 冷たく、硬い身体になって欲しくなかったから 2度と笑わない、怒らない、泣かない顔になってほしくなかった 「・・馬鹿兄貴が無茶することをやめるようになったのも、親父たちが死んでからだったよな」 「その変わり、昔はお前が止めてくれた僕の無茶をお前がするようになったよな」 ロッカは苦笑して、リューグは疲れたような息を吐いた。 「テエメが無糖とかBとか言われてるのは、その無茶を抑えたからだろーが」 「・・無茶する事が怖くなっただけだよ、僕は」 「・・っは、言ってろ」 再び、沈黙が舞い降りる。 どこか憂いを含んだ沈黙。 「さん・・この前、庭で眠ってた」 「・・で?」 「すごく可愛い寝顔をしてた、思わず笑ったよ」 「・・・何が言いたいんだよ」 ぶっきらぼうに言う弟に苦笑しながら、ロッカは目を閉じた。 あの寝顔はまだ心に在るから。 「その時思ったんだ、“この人はに悲しむ姿は似合わない”って」 「・・あいつは怒ってる方がらしくていいんじゃねえか?」 ロッカは肩を震わせて“それもそうだ”と笑う。 「でも、笑ってる顔の方が僕は好きだ」 「・・テメエ、恥ずかしい事言うな・・・(汗)」 「リューグも好きだろう?この前さんと話してたお前、いい顔してたぞ」 「・・っば!馬鹿言ってんじゃねえよ!馬鹿兄貴!!」 ロッカはまた笑って、怒るリューグを見た。 何回喧嘩しても、何回言い合っても、やっぱり兄弟だ。 側に居ると、どこか安心する。 「・・でも、いなくなったらそれすらも見れなくなる」 「・・2度と・・な」 彼らは“死”を知っている。 “死”は何もかも奪うのだと、身を持って知っている。 もう2度と、笑い合うことが出来ない。 嫌われる事すら、出来ないのだ。 ロッカは俯き、リューグも足を抱えてうずくまる。 切ない気持ちが心を覆う 「・・リューグ、泣いてるのか?」 「・・泣いてなんかいねえよ。テメエこそ、泣いてんじゃねえぞ」 「・・泣いて・・ないさ」 互いが泣いている事を認めなくとも、彼らの頬は濡れていた。 それは誰のための涙か、何を想っての涙かわからない。 だがこれだけは共通していた。 二人は確かに、彼女を想って泣いたのだった 「・・・ねー、アメル。」 「何ですか?トリス・・・」 台所で、トリスとアメルは洗い物をすませていた。 トリス達はアメルを連れて、黒の旅団に抵抗する事に決めたのだ。 だから今日の・・あと3時間後に、出発する。 今だけが、ここに居られるのは最後の瞬間かも知れない。 だからその分、手伝いをして恩を返す。 「・・さんと、ロッカとリューグ・・何かあったのかな・・?」 テーブルには3つの食事が残っていた。 もう冷めかけていて、残された料理。 「・・何か、あったんでしょうね・・・」 バイトから帰ってきたの様子は俯かれていてわからなかったが。 それでも何かあったんだ、とはわかった。 「・・さん、帰ってからずっと部屋に閉じこもっているんでしょ? ・・ご飯、持っていってあげたほうがいいのかな・・・?」 「・・そうですね・・持って行ってあげましょうか・・・」 「待ってくれ、僕が持って行こう」 アメルが持ち上げた盆を後ろから取ったのはトリスとマグナの兄弟子・ネスティ。 その表情はいつもよりどこか真剣みを帯びていて、トリスは表情を強張らせる。 「ね、ネス・・?」 「・・彼女に、話があるからな」 トリスは首を傾げて、思い付いたように笑って手を打った。 「告白?」 「違う(汗)」 「そうなんですか・・残念ですね(ため息)」 「・・アメル?(滝汗)」 ネスティは冷や汗を流しながらもコホンと咳払いをして、スタスタと早足にの部屋へ向かう。 そんな兄弟子の様子に、トリスはただ微笑んで見送った。 (・・でも、何であんな真剣な顔、してたんだろ・・?) やっぱり告白?と首を傾げるトリスにアメルは苦笑を浮かべる事しか出来なかった・・。 ネスティはの部屋に辿り付いて、ドアのノブに手をかける。 が、先日のサモナイト石アタックを食らったのを思い出して、慌てて扉をノックした。 「、僕だが・・入って良いか?」 「あ、ちょーど良かった、カマン★ネス!」 “かまん?”と思いながらもネスティは扉を開くと、ガシャンと盆を落としてしまった。 「ぎゃー!あんた何床汚してんのよ!」 「きききキミがそんなふしだらな格好でいるからだろう?!何の為に僕がノックしたと・・」 「ああ、もう入って!ヘンに騒ぐようなことじゃないんだから!」 グイっと慌てるネスティの腕を引っ張って、はバタン!と扉を閉めたのだった・・。 「・・ふー、良かった、誰も気付いてないようね・・・」 誰も騒いでいないなと確認すると、あたしはネスの方へ顔を向けると。 ネスはあたしから背を向けていて、思わず首を傾げる。 「あんた、何やってんの?」 「キ、キミは何でそんな・・」 あたしは「?」と思いながら自分の格好を見る。 湯上りだったので軽く(マグナの)シャツを羽織っていて、黒のスパッツをはいているだけ。 大きいから、結構隠れているとは思うけど・・? ってか、これでふしだら言われてたら元の世界をこれでうろついていたあたしは一体何・・?(遠目) 「あのねー・・別に下着が見えてるってわけじゃないんだから・・」 呆れながらネスに笑うと、ネスは首をブンブン振って指を差す。 あたしの胸元を。 「・・・」 湯上り。 これがいけなかったのか、シャツが湿った肌に貼り付いて下着が透けている。 あは★確かにこれはふしだらね!って・・ (ぎゃーーーーーーーーーーーーーーー!!!!) あたしは慌てて腕で胸元を隠し、ネスから背を向ける。 だああああああ!!また受け?! 嫌だ嫌だ!あたしは見られるより観察する方が好きなんだーーーーーー!!!(地団太) 「くぅぅぅ!(泣)ネス!後であんたもサービスしなさいよ!」 「な?!何で僕が・・!」 「一度ならずニ度までも見られたまんまじゃ女としての名がすたる!何も脱げと(言いたいけど)は 言わないから触らせなさいよ!!(真顔)」 「ま・・真顔でそんな事を言うんじゃない!(汗)」 一通り言い合いをして、勝負はあたしの勝ちで幕を閉じた。 よっしゃー!後で愛でるぞー!(ガッツポーズ) 「あ、そーだ。ネス・・何か用事があったんじゃなかったっけ?」 「(疲)・・ああ、キミの様子がおかしかったから、何かあったんじゃないかと思って・・」 「・・・」 “貴女は足手まとい以外何者でもないんです!” 「・・ロッカ達にね、足手まといだーって言われたんだ」 あたしはボスンとベッドに座り込んで、笑って言った。 俯いてたからネスの表情はわからないけど。 「・・結構、心にグサリと来たんだよねー・・・」 「・・」 「でもね、ロッカ達って嘘がすっごく下手でさー!表情がね・・もー丸分かりって 言ったらありゃしない・・」 笑っているようで笑っていない顔で笑うあたしの表情に、ネスは小さく首を傾げた。 「?」 「確かに足手まといだけど、それでも付いて行ってやる!って考えたけど・・考えたけどね」 思い浮かぶは彼らの表情。 「・・あんな泣きそうな顔でさ、そんな事言われちゃ・・どうしようもないなーって・・」 本当に、無理して言ってるってことが痛いほどわかった 本当に心配してくれるって事が、わかったから 何も言えなかった “わかって”なんて言えなかった でも本当に痛かった 深く刺さった感じがしたの カザミネが“言葉は時には真剣以上の切れ味を見せる”みたいな事言ってたけど、 まさしくその通りだと思う 「・・・」 あたしはふと思い付いてネスに手招きをする。 ネスは何の疑問も感じないのかスタスタと素直に寄って来て、あたしの前に立つとあたしは彼の手を グイっと引っ張ってベッドに無理矢理座らせる。 そしてあたしは頭をネスの肩に当てた。 「な・・」 「・・気持ちが弱くなるから、泣きたくなんかないんだけどなぁ・・」 あたしの発言に、ネスは黙った。 黙って、手を握って。 心なしか彼の手が熱く感じて、ジワリと彼の服を濡らしながらあたしは笑った。 「・・ネス、緊張してんの?」 「ち、違う・・・僕はただ・・」 声が上ずってますよ、お兄さん(笑) 「ただ・・何?」 「・・・・・」 オホホホ!慌ててる焦ってる!フロト湿原道中でムカツク笑いをさせられたお返しよ!(鬼) でも怒らせたらヤバそうなのでこれにて中止・・ッチ・・(舌打ち) 「・・冗談だよ、でも今は肩を借りてもいいでしょ?」 「・・ああ」 「・・ありがと」 そう呟いて、あたしはそっと目を閉じた。 頬が濡れているのがわかる、頬が熱くなっていくのもわかる。 身体も熱くなっていって、ネスの手を握り返す力も自然と強くなる。 どうすればいいかな? ロッカ達の言う通りに、ここに残った方がいいのかな? でもそれは 自分の気持ちに逆らってる気がする ぼんやりと考え込んでいたらしばらく黙っていたネスが口を開く。 「・・キミが後悔しない選択をすればいい」 「?」 「・・これはトリスとマグナ達の受け入りなんだが・・ギブソン先輩から “自分の気持ちに合った、後悔しない選択をすればいい”と、聞いたらしい」 「・・(・・あー、そういやーそんな事も言ってたなー・・)」 「誰がどう思っているのであれ、キミがしたい事を、キミの心に合った事選べばいいと、僕は思うよ。 それが誰かの期待や思いやりを裏切る事であっても」 後悔しないのであれば そう呟くネスを、あたしは見上げた。 彼は自分の言った事が恥ずかしかったのか、あたしを見ずに壁を見ている。 そんなネスに、あたしは抑え切れないものが出た。 「ふ」 「?」 「あははははは!」 「?!」 あたしはゴロンと寝転がって、笑った。 ネスは呆然とした表情であたしを見下ろした後、慌ててマントをかける。 あ、そーいやあたし透けたまんまだったけ? ここまで見られたらもう恥も何もないわ!(ヤケクソ) 「!」 「ははっ・・まさかネスがそんな事言うなんて思わなかったわー・・あはははは!」 「・・キ、キミってやつは・・・・」 あたしはネスのマントを抱きしめてながら起き上がり、怒り寸前の彼の背にコロンと自分の背を合わす。 「・・?」 「ネスって乙女かと思ったけど案外背中広いのねー、さすが健康健全男性だわね」 「・・・・いい加減乙女というのはやめてくれ・・・」 「む・り★・・でもやっぱり、ネスはカッコイイなー・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?!」 「これは本当だよ、ネスはカッコイイし・・頼りなるし、どっかの吟遊詩人とえらい違いだわ」 「・・(は?)・・・」 訳解からんと言ったように首を傾げるネスに、あたしはまた笑った。 背中から伝わる彼の体温が妙に心地よい。 心臓の鼓動もあたしの身体に響いて、少しドキドキする。 「・・そうだね、自分に後悔しない生き方が一番だよね」 「・・ああ」 「・・ん、わかった。それじゃあたしも進むよ」 あたしはネスの背から離れ、ベッドを降りて彼の前に立つ。 座り込んでいる彼が小さな男の子に見えて、彼の肩に手を置いて。 そっと額に唇を当てた。 それは小さな弟にするみたいに。 感謝の気持ちをこめて。 「・・・・(呆気)」 「さっきのサービスはこれで我慢してあげる、次はあんたの身体に抱き付くからね♪」 そう言ってネスから借りたマントを翻せて、あたしは部屋の隅っこに置いてあった紙袋を手にとった。 ・・ロッカ達が買いに行かされていたある物が入った紙袋。 「・・いつまで呆けてんのよ、さっさと出ていって。次は襲うわよ?」 それを聞くとネスは顔を真っ赤にさせながら慌てて出て行った。 あたしはそれを笑いながら見送って、紙袋の中のものを取り出したのだった・・。 ネスティは部屋から出た後、しばらく立ち尽くしていた。 触れられた額と頬が妙に熱くて、心臓も異様に速く動いていて、頭の中は真っ白だった。 彼女は軽い気持ちでやっただけなんだろうが、こっちは壊れそうなくらい焦った。 触れられた瞬間、息すら出来なかったのだ。 (・・僕は何を考えているんだ・・?) ベッドに寝転んだ彼女の髪が妙に艶かしくシーツに広がって、思わず目を背けた。 マントを羽織った彼女の身体が異様に華奢に思えて、抱きしめそうになった。 怒りっぽくて、人を本や石や拳で殴って、それでいて深く悩み込んでしまう少女。 「・・・変だ、僕はどうかしている」 人間を愛しいと思うなんて 「・・僕は・・マグナとトリスと義父さんと先輩達しか認めないつもりだったのに・・」 無遠慮に、ズカズカ入り込んできた人間 ネスティは大きくため息をつくと、自分の部屋へと歩を進めた。 自分の中に芽生えた“何か”に気付かないように・・・。 「リューグー?ロッカー?」 アメルとトリスは食事の乗ったお盆を持って、双子の部屋をノックする。 さっきから何回もノックして“食事を持ってきた”と言っても“いらない”の一点張りで、 トリスとアメルは心配そうに顔を歪ませた。 「ねぇ?何かあったの?今日出発するんだよ?何か食べておかなきゃ・・」 「いらねえよ、食わなくても死なねえから・・」 「リューグ、ロッカ、あたしのでもだめなの?妹の・・あたしでも開けてくれないの?」 アメルの問いに、中で閉じこもっている双子は答えなかった。 そんな二人の様子に、アメルは小さく呟いた。 「・・あたしは・・血が繋がってないからだめなの・・?」 「・・アメル・・」 アメルの目から、小さな水が零れ落ちる。 兄弟に拒絶されたような感覚が彼女を襲ったからだ。 だめだよ これから力を合わせるのに、すれ違っちゃだめなのに トリスも泣きそうな表情をして、側にいたアメルの手を握る。 誰か 「・・トリス、アメル。ちょっと横によって」 『え?』 トリスとアメルが振り向いたと同時に、彼女達の顔のすぐ横に風が吹いた。 「いい加減にさらせオラーーーーーーーーーー!!!!(ドッカァ!)」 蹴りで出来た風が。 ・・・・・・・・・・はい?(byトリス&アメル) 「っふーーーーーーーーーーーーーー(深呼吸)」 あたしはヘコんだ扉を見つめて、ズカズカと中に入り込む。 中は真っ暗で、双子はベッドで互いを背中合わせにして蹲っていたがあたしの姿を見て 驚いたような表情をしながら弾かれた様に立ち上がる。 「な・・!」 「さ・・」 「ロッカ!リューグ!!」 あたしが怒ったように呼ぶとビクンっと身体を竦ませて、二人はあたしを見下ろした。 その反応に多少の優越感を覚えながら(鬼)、あたしは胸を張って腰に手を当てる。 「あたしは残らないからね」 「・・で、でも・・」 「でももかかしもなーーーーい!あたしは!行・く・わ・よ!!」 「あ、足手まといだっていってんだろーが!」 「そーよ、あたしは足手まとい!これは認めてあげる。でもね!」 あたしはトリスとアメルの手を引き寄せて、グイっと二人の前に出す。 「トリスとアメルを泣かすような男に!この二人や他の仲間たちをまかすことなんて 出来ないんだから!絶対、絶対付いていってやるんだから!!」 なんて口実 でも、これぐらいの理由と強引さがなかったら何も変わらないから ただでさえ強引な彼らの強引に 勝てるわけが無いから 「・・さん・・?」 トリスが俯いたあたしの名前を呼ぶ。 あたしは半泣きになりながらも、双子を睨んで。 近くにあった棚から本を取り出す。 「だから!連れてけ!!じゃないと祟ってやるんだから!嫌いになるんだから!! 埋めてやるんだから!!オカマバーに放り込んでやるんだから!!(意味不明+ヤケクソ)」 手に取った本をブンブンと双子に投げながら、あたしは叫ぶ。 子供のような自分 でも素直に置いて行かれるほど、大人じゃない これがあたしの選んだ道 投げられてくる本を何とか受けとめながら。、双子は顔を見合わせて困惑の表情を見せる。 そうしてしばらくして、降参する様に両手を上げた。 「あー・・わかった!わかったから本を投げるな!(しかも分厚いやつばっかり)」 「な、泣かないでください!さん!!(滝汗)」 「オカマバーは怖いのよ!純粋そうな少年が入ったらその道街道突っ走るんだから! アグラ×ロッカなんてメじゃないんだからああああああ!!!!」 最後に思いっきり力任せに投げた本が。 素敵無敵なスピードに乗って。 双子の顔面に綺麗にめり込んだ。 そして。 ベッドにひっくり返った双子と、子供のような逆ギレをしたあたしとの喧嘩(?)は。 あたしが勝者となったのだった。 ビバ★逆ギレ! こうしてあたし達は出発した。 街道を通るか、大草原を突っ切るか、迂回するかの三択肢に出くわしたんだけど。 何てこった、一番ヤバイルートを選んじゃったわけですよ。 ルヴァイドルートの大草原を。 うふふー、もう本気でヤバイね!こりゃ・・・(遠目) 「、服変えたんだー」 「うん、・・ミニス、似合うかな?」 あたしは笑って、改めて自分の服を見つめた。 トリスとマグナのハイネックと似たようなセーターと、その上には薄くて丈夫そうな上着。 下は短パンっぽいものだが、生足のままだと寒いので紫のタイツを履いて寒さをカバー。 靴は軽くて長持ち!を象徴する(謎)皮の靴。 うっはっはっは!これであたしもサモン世界に仲間入りね!カッコイー! ・・・微妙にコスプレっぽいけど。(でもこれが普段着なのね・・) 「うん!いいなぁー、動きやすそうー・・」 そう、あたしが双子から受け取った紙袋の中には服が入っていたのだ。 ギブソン邸を出る前に、ミモザが“男物ばっかりじゃ可哀想だからねー”と笑いながら言っていた。 あはは、ほっとけ! 「・・なぁ、マグナ・・・」 「何?フォルテ・・」 「・・何であの双子は、顔面に赤い痕がついてんだ?」 恐ろしいモノを見ているかのように、フォルテはロッカとリューグを指差した。 その二人の顔には、くっきりと四角い痕が。 マグナは首を捻りながら、トリスに聞いた事をフォルテに伝えた。 「・・さぁ、何でもと喧嘩したとか・・・」 「・・・俺、だけは怒らせねえようにするわ」 「・・うん、そうしたほうがいいよ・・・」 「・・!オイ、早速おでましのようだぜ・・?」 神様仏様大統領様 あたしは貴方がたに何かしたでしょうか? 何もして無いと思います そう、思いたいです そんな事を月に祈るあたしの前には。 何故かイオスとゼルフィルドとルヴァイドという豪華キャストが勢ぞろい★(死) あんたらバラバラだったろーが!!(ツッコミ) 激しく神を呪っていると(罰当たり)、ルヴァイドは静かに、落ち着いた口調で言葉を放った。 「いい月だ・・・貴様らの死出のたむけには、勿体ないほどの美しさだな・・・」 ああ!なんかゲーム通りのセリフでムカツクわ!ルヴァイド!!(そういう問題じゃねえ) 横からイオスが前に出て、あたしを見下ろす。 (・・え?) 何で 何でそんな悲しそうな顔、するの? 「・・聖女と・・“”は我らデグレアが勝利の為に捕らえる!」 イオスの発言に。 トリス達の驚いた視線があたしの突き刺さる。 でも、当のあたしは思わず目を点にして、口をあけたまま呆けて・・イオス達を見上げた。 そして一言。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジすか?」 星や月はこんなに綺麗で明るいのに。 あたしの先行きがますます暗くなったのは言うまでもないと思う。 ・・ってか、誰かあたしの道を明るく照らしてやってください・・・。(遠目) そんなが呆けているころ、場所は変わって岬の館。 「・・レイム様、宜しいでしょうか?」 ガレアノが紅茶の入った盆を持って、レイムの部屋をノックする。 返事がないので、もう一回ノックして足を踏み入れる。 「レイム様・・?」 部屋の中は暗く、月明かりでかろうじて輪郭が見えるくらいで。 ガレアノは電気のスイッチを探す。 パチンっとスイッチを入れると、部屋が明るくなった。 だが、ガレアノは同時に茶を落とす。 「はっはっはっはっはっは!ガレアノ!驚きましたか?!」 呆然とした彼の視界に映るのは、椅子に座っている。 目を虚ろにさせて、どこかわからない何かを見つめているように・・何の感情もない、。 「・・レ、レイム様!この娘は・・?!」 「私が<クローン技術>と言うモノを使って作り出したさんです。よく出来ているでしょう?」 レイムは細く笑いながら、うっとりしたようにの髪に口付ける。 だが<>は動かず、じっとしたままだ。 「・・ロレイラルにはこういう技術もあると文献に書いてあったので、きまぐれに作っただけです。 でもやはり、偽者は偽者。反応がなくてつまらないんですよ」 パチンっと指を鳴らすと、あっさりと崩れ落ちる<>。 その姿に、ガレアノは何だか胸の奥が痛かった。 「・・私が欲しいのはオリジナルの・・生命力に溢れるさんが欲しいのです」 そんな事を言うレイムの表情は、新しいオモチャを見付けたように喜ぶ表情。 そして固まったままのガレアノに言い放った。 「そして是非とも踏まれたいですね!あの足に!!(嬉々)」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ガレアノはカメラ編集に勤しむレイムの後姿を見て考える。 “キュラーに茶を持ってこさせないで良かった・・”と。 寝込んでいるキュラーの身と、確実に変人の道を歩み始めているレイムの頭を案じながら。 目を付けられたを想うのだった・・・・。 月は満月で、星々と共に光を放っていた・・・・。 NEXT ------------------------------------------------------------------------ *後書き* 第22話をお届けさせて頂きました。 シリアスメインに少しギャグを・・。 服もやっと新しいもので・・みっと様からの衣装案を採用させていただきました! みっと様、ありがとうございますーーーー!!! いつもご馳走様でございます・・す、素敵だ・・!! そしてネスのマントを羽織るネタ(萌え)は柚子ハルヒサ様から!こちらもありがとうございますです! ネスにデコちゅー攻撃!やって見たかったんですよね!でこチュ★(瞬殺) ロッカとリューグ・・、えらく仲が良いです。 しかも泣いてるし。(泣かしました。泣かしたかったから)←鬼 主人公、またキレました。(もうノーコメント)←打撲殺 デグレアズ勢ぞろい★勝てないっちゅーねん!(ツッコミ) それでは秋乃の用語解説。 ■オカマバー・・・オカマの集まる酒場■ すんません、もう何も言わないでやってください。 あは!新しいフォント使った・・この呪い文のような書体が素敵だ!(死ね) そ、それでは逃げます。 2001.12.24(メリークリスマス★) 2003.12.14修正 |