第17夜 草原の近くにある森で、馬の鳴き声が響く。 鬱蒼とした森には、多くの人間達が潜んでいた。 黒の鎧で身を守る軍人であり、国の戦力・・・・・・名を<黒の旅団>。 イオスは興奮する馬を宥めながらルヴァイドに目をやった。 「ルヴァイド様、出撃命令をください。聖女達を叩くなら今です」 「・・そうだな」 今度はルヴァイドが無邪気に遊んでいるトリス達に目をやる。 とても楽しそうに笑い合って、会話に華を咲かせている。 だが、その中にはの姿はなくて。 ルヴァイドは小さく息を漏らした。 彼女の笑顔も見れるかと思っていたのだが・・ 正直、少し残念な気持ちに覆われる。 先日は様子見のために向かわせたイオス達だったが、彼女が手助けをしてくれたおかげで、 イオスも無事に済んだ。 ・・また、彼女に助けられた。 礼を言いたかった 「・・ルヴァイド様?」 「・・いや、これでいいのだ」 「・・?」 首を傾げるイオスを見ずに、じっとトリス達の動向を覗う。 これでいいのだ 少なくとも、危険な目にあうことはないだろう 血には慣れていないのだ、だから見ないほうがいい ・・恐怖を感じなくてもいいのだ・・ ルヴァイドの赤紫色の髪がなびく。 それを抑え付けるように兜を被り、マントをなびかせながら別部隊の所へ戻ろうと足を向けた。 「・・イオス、ゼルフィルド・・10分後に出撃だ」 「はい!」 「了解」 出撃の準備を確認するため動き出した部下を一瞥して、ルヴァイドはその場を去って行った・・。 あたしは唸っていた。 歌詞が、歌詞が思い出せないのだ。 (うおおおおおお!!!どどどどどどんなモノだったっけ・・・?!出だしが!出だしがわかんねええええ!!) 苦悩するあたしは必死に思い出そうと頭をこづく。 歌詞ー・・歌詞ー・・・・・ん? 「あ、思い出した」 一回思い出すと結構後から思い出してくるのねー・・。 人間って不思議★(謎) 「よーし、それじゃ今度こそー・・・」 しばらくして、ルヴァイドは足を止めた。 何者かの声が微かに耳の中へ滑り込んできたのだ。 「・・・?」 剣の柄を握り締め、そっと草の中を掻き分けて進む。 どうやらこの道は丘に繋がっているらしく、結構急だが進むことには問題ない。 最後の草を掻き分けてルヴァイドは声の主の後ろ姿を確認して、思わず息を呑んだ。 平たく、大きな岩に座り込んでいる小柄な少女。 サイズが合わない服を着ていて、髪をなびかせながら空を見上げて深呼吸を繰り返していた。 「・・・・」 久しく会っていないようなそんな錯覚に陥って、ルヴァイドは困惑した。 声を掛けて、姿を見せても良いのだろうか、と。 今の自分達は敵同士で、馴れ合いをしてはいけないのだ。 国への忠誠心と、得体の知れない気持ちが混ざり合って更にルヴァイドを困惑させた。 迷っているルヴァイドにの声が響く。 「夢の続きを旅する心は 必ず虹とひとつになれるよ 信じたいのは未来なんだ 壊された記憶じゃない 遠い明日の空が どんな色に染まるのか Nobody knows」 久しぶりの、彼女の声 それにルヴァイドの心は打ち勝って行く。 国への忠誠心を捨て去っても、ちゃんと・・会いたいと 「・・」 小さく呟いて、ルヴァイドは立ち上がった。 完全に、勝ったからだ。 会いたい想いが。 気づかれないようそっと歩み寄る。 そんなルヴァイドに気付かず、は上機嫌で歌いつづけていた。 「きっと在る 光の都 永遠の太陽が 蜃気楼の中で揺れている答えは ここで花咲かす」 一番を歌いきって、よっしゃ!ニ番行くぜ!っと意気込むあたしはカチャという音が耳に入って振り向くと。 すぐ側には。 「・・・ルヴァイド・・・?」 相変わらずな兜を被っていて表情が良くわからないが、しばらく見詰め合って。 首を傾げた次の瞬間には抱きすくめられて、あたしは(かなり)驚いた。 いえ、あのアナタどうして抱き付いてくるんでしょーか? ってか、ゴーイン!(強引)ゴ−インだよ!!(強引)デグレアズ!! トリス達に見られたらヤバいんじゃないか?あたし・・(汗) 「・・おーい?ルヴァイドー?」 「・・・」 呼びかけてもルヴァイドは返事をしなくて、あたしは呆れたため息を吐く。 そしてちょっと不機嫌気味にルヴァイドの兜をガボッと取って、端整なその顔を拝ませてもらう。 長い赤紫色の髪があたしの額をくすぐって、冷たい鎧が顎にあたって、あたしは思わず細く笑む。 (相変わらず芸術並のお身体をしてますね、ルヴァイドさんよ・・(変態)) これはもうミロのヴィーナスもビックリね!!(関係ねえ) 取り合えず肩に顔を埋めているルヴァイドの頭を(悦りながら)ナデナデして、あたしは声を漏らした。 「ルーヴァーイードー?」 それでも彼は黙ったままで、ただただ抱きしめる力を込める。 ってか!ギブギブギブギブアップ!!苦しいっつーの!!タオルー!誰かタオルを投げてー!!(ボクシングか?) この人、力が強過ぎて圧迫されちゃうワー!(滝汗) さすがに命の危機を感じ、撫でていた頭からベシベシ!とルヴァイドの頭をはたく。 ルヴァイドをこの手ではたく日が来るなんてノストラダムスも思わなかったでしょーね・・(遠目) でもそれほど苦しいってことなのよ・・ 「ルヴァイド!く、苦しい・・(瀕死)」 「・・・」 少しだけ力を緩めて、彼は耳元であたしの名前を囁いて来て思わず身体を震えさせてしまった。 ってか、ナイスヴォイスー!(愛) 「(ひゃっほう、得したー!)ちょっとどーしたのよ・・ルヴァイド・・?」 「・・・・聴かせてくれ・・」 「・・・はぁ?」 「・・唄の・・続きを」 「・・・・・ルヴァイド・・・?」 「・・頼む」 あたしは浮かれていた気持ちを抑えて、落ち着いて考える。 何か、あったのだろうか? イオスは、ゼルフィルド達は無事じゃないの? それとも、アナタに何かあったの? ・・ツライ事でも、あったの? あたしは疑問を言葉にしなかった。 言葉にするには、気が退けたから。 取り合えずルヴァイドの望んでいるとおり、あたしはそっと歌を口ずさむ。 「夢の続きを旅する心は 必ず虹とひとつになれるよ 信じたいのは未来なんだ 壊された記憶じゃない 遠い明日の空が どんな色に染まるのか Nobody knows... きっと在る 光の都 永遠の太陽が 蜃気楼の中で揺れている答えは ここで花咲かす」 その唄を、ルヴァイドは目を閉じて聞き惚れていた。 安心してしまう程優しくて 何も聞かずに側にいてくれていて 情けない自分を、弱い自分を受け入れてくれる これほど、ありがたく思える存在は少なくて 「海の碧さに瞳を奪われ 夜の深さに進めないその時 信じたいのは自分なんだ あきらめに笑顔はない 灰が降る大地の声が届く現代(いま)だから I want know... きっと在る 光の都 途絶えないオアシスに 愛と呼ぶ天使の羽が起こした 風が種を運ぶ」 今更自分の道を後悔するつもりはない 捻じ曲げるつもりもない ただ ほんの一時だけ 以前彼女が言っていたように 休みたくなったのだ 何よりも 彼女の側で 「ちっぽけな悔しさは ぼくの剣(つるぎ)さ 強い味方さ... きっと在る 光の都 永遠の太陽が 蜃気楼の中で揺れている答えは ここで花を咲く きっと在る 光の都 途絶えないオアシスに 愛と呼ぶ天使の羽が起こした 風が舞い上がる...」 取り合えず音をハズさずにあたしは歌いきる。 あー良かった!歌いきれたぜおとっつぁん!!(誰や) 「・・ルヴァイド、も、いい?」 抱きしめられたまま歌うという態勢はさすがに苦しくて、あたしは解放を求める。 すると今度は素直に離してくれて、あたしは大きく息を吐いた。 「あー、苦しかった」 「・・すまん」 「・・で?ちゃーんと説明してくれるの?言いたくないなら聞かないけど・・あんたが落ち込んでいると 心配する人達がいるってちゃんと頭の隅っこに縫い付けてなさいよ?」 「・・ああ」 ルヴァイドはぼんやりとあたしを見下ろして、次の瞬間には穏やかに微笑んだ。 そしてあたしの頭を撫でて、平たい岩に座るようにと促してあたし達は座る。 ってか、笑うの珍し!(失礼) 「・・さっきは、すまなかった」 「いえいえ、別になんとも思ってない(寧ろ大歓迎)よー、ただ(昇天しそうなほど)ビックリしただけだから」 美形に抱き付かれるほど嬉しいモノはないわ!!あんた完璧合格ライン!!(ガッツポーズ) “んふふふ・・”と心の中で笑って、黙ってしまったルヴァイドの横顔を見つめる。 何となく、苦しそうで。 「・・ルヴァイド、話し・・聞くよ?」 「、元気にしていたか?」 「・・(は?)う、うん、相変わらず元気にやってましたけど?そーゆールヴァイドは元気?」 「・・まぁな、健康管理くらいはちゃんとできなければ部下達示しがつかん」 その言葉に“相変わらず元気ってことね・・遠回りだってば・・ルヴァさんよ・・”等と遠くの空を 見上げながら、あたしは苦笑した。 「そりゃそーだわ・・そうだ!イオスは大丈夫?あたしを庇ってくれたからスゴイ大ケガしちゃったん だけど・・・ゼルフィーも元気?ちゃんと毎日装甲洗ってる?ちゃんと洗わないと血錆びだらけでその うち動かなくなるから気をつけなさいよーって伝えといてよ」 「・・イオスも、皆元気だ。ゼルフィルドにも伝えておこう」 「ありがと」 “ちょっと喋り過ぎたかなー?”と考えながらもあたしはルヴァイドを見て、笑う。 2週間も経ってないけどすごく久しぶりに思えたから。 「でもルヴァイド達が元気で良かったよ、安心した」 笑って、そう言うあたしにルヴァイドはまた笑みを浮かべた。 ・・あ、こんな笑い方もするんだ・・ あたしは惚けてルヴァイドを見上げていると彼は兜を手に取って、立ち上がる。 「敵だというのにお前は俺を恐れないな」 「・・だってルヴァイドはいきなりぐさっと殺すような人じゃないって知ってるもの、それにあれだけ 介護してもらったら警戒しようにも警戒で・・きな・・」 介護。 すっかり忘れていた人生最大の恥ずかしい記憶が一気に甦って来て あたしは思わず両手で顔を抑えた。 (うっわあああああああああ!!忘れてた!あたしルヴァイドにみみみ見られて・・??!) ますます温度が上昇するのがわかって、あたしはもう半泣き状態だった。 ってか、忘れたいいいいいいいいいい!!!(><) そんなあたしの心の内を知ってか知らずか、ルヴァイドは顔を覗き込んで来て思わずあたしは 抑える手に力を込める。 「・・?」 「ななななな・・何でもない!何でもないってば・・!(だから覗き込んでこないでー!)」 「・・?顔が赤いぞ」 そう言ってあたしの手を外させて頬に自分の手を当てて来た。 ひんやりとして気持ちが良い・・ってあたしは何考えてるんだーーーーーー!!!? あたしは視線をウロウロさせたあと、何か話題を作ろうと慌てて思考を巡らせて。 「る・・ルヴァイドって今日は何しに来たの?!」 「・・・」 「ただの暇つぶし?!んなわけないよね・・じゃ、任・・む・・」 あたしはちょっと考えて、次の瞬間には血の気が引く感覚を覚えて。 弾かれた様に丘から下を見下ろした。 眼前では、トリス達がイオスとゼルフィルド、旅団の兵士達が戦っていて、剣のついた血に背筋がゾッと するのを感じた。 「・・・あ・・・。」 「・・」 「・・っ・・」 ギリっと奥歯をかみしめて、あたしはその光景を見下ろした。 本当は戦って欲しくない でも戦わなくては何も進まないのだ 戦う事で進んで行くこの物語は 誰にも止められない 「・・・この分だと、イオス達が負ける」 兜を被ったルヴァイドの声が、えらく冷たく感じた。 兜を被っているせいだからなのだろうか? 「・・」 「イオスは本調子ではない上に、ゼルフィルドをそれを庇うことで精一杯だ。 もうすぐ、勝負は決まる」 あたしは何も言わなかった。 ルヴァイドに怒っているんじゃなくて、何も出来ない自分に怒っていたのだ。 何も出来ない歯がゆさが、胸に鋭く突き刺さる。 「・・、俺は別部隊であいつらを囲み・・聖女を捕獲するつもりだ」 「・・」 「・・だがその間には勝負は決まっている、・・だからイオス達が馬鹿なマネをしないよう 見ていてやってくれぬか?」 「・・え?」 ルヴァイドはそっとあたしの頬を撫で、優しく笑った。 初めて見た、表情で。 「・・本当はお前に会う為だけに、ここに来たかも知れんな・・」 そう言い放って去って行くルヴァイドを、あたしは呆然と見送った。 撫でられた頬が熱い。 恥ずかしさでいっぱいだったけど、今はそれもどこかに飛んでしまってなかった。 変わりに別の恥ずかしさが生まれて来て。 「・・ってーか、反則だって言ってんでしょーが・・///(恥)」 キスマークといい、最高の殺し文句といい、あの変態といい・・デグレアって皆あんなに強引 なのかしらねー・・・(遠目) その呟きは、召喚術の爆音で消えてしまった・・・。 「ほーら、さっさと大人しくするんだな、お前らの負けだぜ」 「・・っく!」 フォルテに抑えつけられて、イオスは苦痛の声を漏らす。 さっきまで痛みを訴えていた傷が、更に強く痛み出してきたのだ。 (クソ・・まさかこんな時に・・!) イオスは唇を噛んでトリス達を見上げた。 いくら本調子ではないとは言っても、負けは負け。 だが、このまま諦めるつもりもなかった。 「・・イオス、アメルから手を引いて頂戴・・、諦めて欲しいの・・」 「・・フン、諦めるだと?それは無理だな」 「!てめぇ、命が惜しくないのかよ?!」 リューグの怒声に傷を痛ませながら、イオスは不敵に笑う。 「助けられたこの命、無駄にはしたくはないが・・あの方の役に立てるなら」 認めてもらえるのなら 「命は惜しくない!」 フォルテの隙を突いてイオスは屈み、足払いをかけて転倒させその間に軽やかに抜け出す。 抑えにかかるリューグに腕を掴まれるが体当たりをしてその戒めから逃れ、ロッカ達に目を向けると、 その一瞬で自分が逃れられる可能性の高い道を把握する。 命は惜しくないと言ったが、諦めるとは考えなかった 2度も助けられたこの命、無駄にするつもりなどさらさらない 一度目はルヴァイド、ニ度目は・・ “イオス・・” 彼女を助けて良かったと思えた 本当に心配されて、本当に怒られて 死にそうになったが、それ以上に価値のあるものを手に入れた 逃げようと足を一歩前に出すが、傷が酷く痛み地に倒れ込んでしまう。 その間にリューグとフォルテが抑えにかかってきて、動けなくなった。 (・・これまでか・・) 「ゼルフィルド!僕ごとこいつらを撃て!!」 『?!』 その発言にゼルフィルドを始め、マグナ達も驚愕の表情を現わす。 痛む傷にかまわずイオスは叫んだ。 「今ここで聖女を捕獲すればあの方は認められる!それが僕の願いだ!だから撃て!!」 「・・ワカッタ」 ジャキンと銃を構える音を耳にしながら、痛みのせいでイオスは意識を朦朧とさせる。 そして苦笑した。 これでいい 絶交は嫌だが、これが選んだ道なのだ 悔いは・・ない 「銃弾補充完了、ウ・・」 「ちょっと待てや、このロボフィルドーーーーーーーーーーーーー!!!(ゲシィッ!)」 ゼルフィルドの機体が大きく前にのめり込み、ガッショオオン!と音を立てながら倒れる。 その機体を蹴飛ばしたのは、小柄な体格をした少女で。 イオス達は目を丸くして、その奇妙な光景を呆然と見つめたのだった・・・・。 ゼルフィルドを蹴飛ばした後、あたしは大きく息を吸って乱れた呼吸を整える。 「ふー・・・ゼルフィ、ごめんね(ボソリ)」 「・・・背中ニ微量ダメージアリ・・・」 あたしは何か言いたそうなゼルフィルドに軽くウインクをして、ズカズカとフォルテ達に歩み寄る。 そして抑えられているイオスを睨んで、次にフォルテ達を睨んだ。 「あんたらいつまで乗ってんのよ、降りろ!(ゲシィッ!)」 「う、うわ、何するんだよ?!(何故蹴る?!)」 「あんたもよ!リューグ!!(ドンッ!)」 「ってぇ・・何しやがる?!(突き飛ばすな!)」 「文句あんの?あたしは死にたくないからこうしているだけよ?」 あたしはまだ何か言いたそうな二人を無視して、そっとイオスの手を掴む。 「彼を死なせてはダメ」 「な・・キミは馬鹿か?!そいつらは僕達の敵・・」 「あたし達、囲まれてるのよ・・ね、ミモザ」 あたしの声と共にミモザは背の高い草陰から姿を現わす。 相変わらずな笑顔を振り撒きながら。 「そーなのよ、私とちゃんさっき合流したんだけど・・良く見ればここら一帯囲まれていてとてもとても ヤッバイ状況なのよねー・・とゆー訳で、そこの僕を殺しちゃだめよー?」 ミモザは杖を片手にイオスを見下ろして笑う。 見下ろされた当の本人はまだ呆然としていた。 「出てらっしゃい、いるんでしょ?黒騎士っていう人・・」 「・・説明をしなくてもわかるようだな、女」 その声と共に、一斉に黒い鎧を着た兵士が姿をあらわしトリス達を取り囲む。 おーおーおーおーおー・・真っ黒オンリーかよ、デグレア・・(関係ねえ) 「うそ?!こんなに?!」 「・・気付きませんでしたね・・油断した・・」 困惑するトリスとロッカ達を尻目に、あたしはイオスを支えながら立たせて耳打ちする。 「馬鹿・・死んだら絶交だって言ったでしょ?(ボソ)」 「・・キミは・・」 「それにねぇ、キスマークなんか付けるんじゃないわよ!あたし大変だったんだから!///(ボソボソ)」 「・・す、すまない・・つい・・////」 かぁっと顔を赤くするイオスに、あたしまで照れて来てしまった。 ってか、今思い出すな・・そして出させるなイオス 美人は照れても美しいわね・・ズルイぞ・・・(怨) 「・・あとあの時、助けてくれてありがと・・もう無理はしないでね・・(ボソ)」 そう言って笑うあたしに、イオスは信じられないような表情をしてあたしを見つめる。 そんな会話をしているうちにトリス達も自分の状況を把握したのか、武器を下ろしていた。 「そこの女、部下をここまで連れて来い」 「はいはい、それじゃ・・歩ける?」 「・・ああ・・」 一歩一歩歩かせながらあたしはゼルフィルドにイオスを預ける。 そしてルヴァイド達に笑って言った。 「・・ごめんね、ありがとう・・」 「・・こちらもすまなかった、疑われるような事を頼んで・・」 「いーの、いーの、2日ほどイオスをちゃんと休ませてからまた来なさいよ?それじゃね」 ルヴァイド達に別れを言ってあたしはその場を去ってトリス達の元へ駆け寄る。 途端にトリスに抱き付かれた。 「わわ・・?トリス・・?」 「ケガ・・・してないよね?何もされていないよね?!」 ・・・可愛いよねー・・心配してくれるなんてあたしもーどうすればいいか・・(悦) さり気なくぎゅうううと抱きしめて悦るあたしの肩をマグナが叩いて、ルヴァイド達を睨みながら 歩く様に促した。 「逃してくれるらしいから・・早く行こう」 「う、うん・・トリス、行こう?」 「うん・・」 そうして、あたし達はフロト湿原を去って行った。 ルヴァイド達は約束通りちゃんと逃してくれて、何も追っ手を放たなかった。 やっぱり、ちゃんと約束を守ってる・・ 彼らしくて苦笑しながら、紅い光に照らされた夕日の道を進む。 お弁当ピクニックは、みんなにとっては散々で、敵の大きさを知って苦しかったかもしれないけど ドタバタして楽しかったし、イオス達に近づけたみたいであたしにとっては結構良かったと思う。 これから、もっと解かって行きたいなと空を仰ぐと。 紅と蒼が混ざった空は、とても綺麗に見えたのだった・・・。 NEXT ----------------------------------------------------------------------------- *後書き* 第17話をお届けさせて頂きました。 ルヴァイドをやや贔屓しているのがバレバレでございましょうか・・だ、大好きなのですよ! そして歌ネタありがとうでした!奏多さん!!(愛) ヒロインの過去設定などにも大変お世話になりまして・・はわわ! 次でようやく話数が進んでいきます。 第5話が終わったところですから・・これ。(汗) それではここまで読んで下さってありがとうございました! 2003.12.14修正 |