――、キィンっ!!


金属と金属がぶつかり合う音がギブソン邸の広い庭に響いた。







第16夜






澄んだ、冬の空気のような綺麗な音。
あたしの耳にも滑り込んで来て、思わず感動しながら感嘆の声を漏らす。
だがいかんせん、状況が悪過ぎた。
その状況の悪い光景をぼんやりと眺めながら、あたしは隣りに座っている護衛獣×2に声を掛ける。


「ねー、ハサハ、バルっち」

「・・・・?(首を傾げる)」

「勝手な名前で呼ぶな!(怒)」

「(無視)この双子ってどうしてこんなに仲悪いのかしらねー・・?(遠目)」



ってかね、なんちゅーかこんちゅーか・・(思案中)


どうしてそんな殺気ギラギラで稽古してるのさ・・・(遠目)



そう、その光景はレルム村の兄VS弟の稽古の図。
“稽古”の一言ではすまないような素晴らしい斧&槍さばきで戦っているのだ。
もうマジ、殺す気満々で。


「うらぁ!!(ガキンッ!!)」

「はあぁ!(ドシュ!)」



はーい、あたしは双子に要求しまーす



ラブ&ピースをプリーズ!(愛と平和をくれ!)



あまりの仲の悪さに頭を抱えてしまうあたしはチロリと隣りの護衛獣達を見る。
ハサハはぼーっとしていて、眠いのかウトウトしている。
バルレルはバルレルで双子の流血真剣喧嘩を楽しそうに観戦していた。



・・あーだめ、すっげ可愛いよ、コンチクショウ・・(愛)



あたしは護衛獣馬鹿の頭を抱えながら双子の仲の悪さ問題を頭から完全に
シャットアウトして、晴れた空を仰いだ。


(どーしてこんな観戦してるんだっけ?)


あたしは少し前の時間をぼんやりと思い出す。
イオス達が撤退してからもう1週間経った。
その間皆はイオス達の事を毎日警戒していて過ごしたんだけれど、さすがに疲労も濃くなって来て。
そして突然ミモザが「お弁当持ってピクニックしましょ♪」って言い出した。

賛成したフォルテとケイナとトリスとアメルとマグナは嬉しそうに買い物に出かけて行ったのだ。
何でも弁当の材料が必要だとか・・(はぁぁ、楽しみ・・(うっとり))
ネスはネスで今回のことが気に入らなくて一人で書斎に篭もって旅団の事を調べている。


(・・真面目くんは健康管理下手だからねー・・大丈夫かな・・?後で見に行ってやるか・・。)


あたしはもちろんお留守番。(道に迷うっての)
その時ハサハとバルレルが自主的に側に居てくれるって言って来て、あたしを驚かせてくれた。
んで、当の双子は「お互いを高め合うための稽古」と称して戦っているけど・・絶対嘘ね。(断言)

発言がヤバイし、ロッカなんて無糖降臨済みだもの。

多分いつも通りの喧嘩だろう。(いい加減飽きろよお前ら)


「はははははははははは、リューグ・・逃げないで大人しく串刺しになってくれよ?(ビュン!)」

「ハッ!冗談じゃねえぜ!テメエがくたばってろ!!(ブンッ!)」



もういっそ二人でくだばっとけ(ヤケクソ)



・・あたしは双子にため息を吐きながら隣りにいるハサハとバルレルを見下ろした。
そして単純な疑問を彼らに問う。


「ねー、二人ともマグナ達についてあげなくていいの?」

「・・・(こくん)」

「ヘッ!あんな大勢で行ってやがるんだ・・俺がいなくてもどうもしねーよ。」

「ごもっとも・・(ってか主人護れよ護衛獣)」


このツッコミを口に出すと刺されそうなので心に留め、再び空を見上げた。



・・天気いいなー・・・



暖かい気温に、冷たくなくて穏やかな風。
それが睡眠薬になったのか、ハサハの意識の限界が近づいたらしくて
ガクンっと首が下がり、そして慌てて顔を起こしてもう一回閉じそうな目を軽くこする。
その動作があんまりにもツボにハマッてあたしは嬉々として自分の膝を叩いた。


「ハサハ、膝枕してあげる♪」

「・・・うん」


そう言って、あたしの膝にコロンと寝転んですぐに寝息を立て始める。
耳がピクピク動いて、やがてへにょりと垂れた。



うわ!うわ!めっちゃ可愛い!!ウサギー万歳!!!

あああああああああああ!!至福の時ってこの事よね・・・?!(悦)



髪を優しく梳きながら、うっとりとハサハの寝顔に酔いしれる。
ああー、本当に平和だなー、なんて考えながら。


















バルレルはそんなの横顔をじっと見ていた。

(・・コイツ・・・)



この人間といると妙な違和感を感じる

あの吟遊詩人とはまた違った感覚

何か

どこかで出会ったような

自分の記憶に探りを入れてもわからない、思い出せない

まるで霞みが掛って、もしくは逆の濃い霧にその存在を覆い隠されてしまう

掴めば消えてしまいそうな儚さを 自分の中に残したままで



(・・ッチ、長く生きたせいか思い出せねぇ・・)


自分がボケてるとは思いたくないが、本当に長い間生きて来た。
様々な召喚師の誓約に縛られて、自分の身体を刻んで研究をする者達をどんなに殺してやりたいと
思ったことか、食ってやりたいと思ったことか。
その苦痛は、永遠に消えない。


「バルっち?」


が顔を覗き込んできて、舌打ちをしながら目を背けた。


「その名前はやめろ、・・ブッ殺されてえか?」


はバルレルの発言に目を丸くさせた後、ぽむぽむと頭を撫でて来て。
からかうように笑われて、逆にバルレルがぎょっとした。


「なーにふざけた事言ってんのよ、殺されるなんてまっぴらごめんだよ。それとも何?あんた
は殺されたいの?バルっち」

「・・・誓約に縛られて生きるより、死んだほうがマシだ」



あの苦痛をもう一度味わうくらいなら、いっそのこと・・



ナデナデとバルレルの頭を撫でていたは拳を固め、グリグリとバルレルの頭に拳をめり込ませる。
それはもう、笑顔満点で。


「あーんーたーはーなーにーをーかーんーがーえーてーるーんーじゃー(ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり)」

「ーーーーーーーーーーーーーーーー?!!!!(声にならない絶叫)」


半端じゃない痛みが頭の中を駆け抜けて、声にならない叫びがバルレルの中に響いた。
しばらくしてから痛みに暴れるバルレルはようやく解放され、ズサっ!とから身を離して
涙目で抗議の声をあげた。(当たり前だろう)


「いってーな!何しやがる?!」

「あんたが最低な事を考えるからよ」

「・・っ!うるせえ!」



あの苦痛は人間にはわからない

わかるハズもない

人間は刻む側なのだから

刻まれる側の気持ちは永遠にわからない

今の召喚主・トリスはそのような事をしないとわかっているけれど

憎しみはまだ全然枯れない



は睨むバルレルを呆然と見つめて、深いため息を吐いた。


「あたしはバルレルに死んで欲しくないの」

「・・んだと?」

「だってあたし、バルレルの事好きだもの」

「・・・はぁ?」



悪魔の自分が好き?



「・・ッケ、何嘘いってやがる。例え本当だったとしても俺はニンゲンが嫌いだ」

「別にいーわよ?こっちは好きの大安売りで押しつけてやるから。嫌いでオーライ、オールオッケー」


笑ってオッケーサインをするを見て、バルレルは脱力した。
それはもう心底。


(・・な、何でこんなにアッサリしてやがるんだよ・・このニンゲンは・・・(滝汗))

「バルレル」

「・・」

「死ぬ方がマシって言わないでね、あんたが死んだら誰がトリスを守るのよ?」

「・・・・・」

「それにー、あたしが困るのよ。ホッペで癒し系なあんた達護衛獣が一匹欠けちゃったら・・あたしの
愛攻撃はハサハに集中しちゃってハサハの頬がスゴイ事になっちゃうじゃない」

「・・・・・・・・・・(コイツ、アホだ)」


呆れるバルレルに、は表情に影を落として小さく呟いた。


「それに・・やっぱり悲しいじゃない?友達が死ぬのは・・」


それは誰に言ったものかわからなかったが、自分と対等だと言っているようで
酷く苛立ちを覚えた。


「・・友達だぁ?・・俺とお前が対等だって言うのかよ?ふざけるのもいい加減にしやがれ!!」

「あれ?あたしとあんたは友達じゃないの?」

「違うに決まってるだろーが!」

「んー、じゃ・・知り合い以上友達未満って所から始めようよ?そしたら友達じゃないし、赤の他人じゃ
ないでしょー?ってか、あたしも天才ねー、目から鱗モノだわー(悦)」

「・・て、てめぇ・・!(汗)」

「バルレルに何があったのか知らないけど、あたしはバルレルが好き、
ハサハもマグナもトリスもネスも皆好きよ?」

「・・俺は悪魔だぞ・・わかってんのか?」

「種族なんて今更気にしないし、あんた可愛いから種族の違いなんてアッサリ簡単に許せるわよ」


“だから友達未満から♪”と笑って、手を無理矢理握手させて。
バルレルの頭を撫でた。
その瞬間、バルレルの中で誰かが笑った。




こうして、誰かに頭を撫でられたことが



どこかで、あった?




「・・変なニンゲンだな、てめえは・・」

「生意気悪魔に言われたくないわよ・・でもあんたは悪い奴じゃないからね」

「・・何で言い切れるんだよ・・善い奴のフリをしてるだけかもしれねえだろうが・・」

「あっはっはっは、あんたが悪い奴?まず無理よね(即答)」


さすがにムカっと来て撫でられている手をベチン!とはたく。
しかしは気にした風もなく、笑って言い放った。


「だってバルレルは痛い事知ってるからね」

「・・・」

「痛い事知ってる人はすごく優しくなれるんだよ?そりゃまぁー知ってても悪い人はいるだろーけど
あんたは絶対そーゆー部類に入らないわよ。だってあのトリスが召喚したんだもの」


“だからオッケー!”と親指を立ててハサハを撫でるに、バルレルは俯いた。



好きで召喚された訳じゃねえ

勝手に召喚されたんだ

でも

何故か落ち着く

この空気を、やはり知っている

懐かしい匂いと、その儚い存在を

安心出きるその手の温もりを

枯れないはずの憎しみが

ホンの少し、許せるような錯覚に陥ってしまう


不思議な、ニンゲン
















(げ?また怒ったかな・・?)


あたしは内心オロオロしていた。
だってあの槍で刺されたら痛そうじゃないの!!(死ぬって)
俯いていたバルレルはあたしをじっと見つめてきた。
ヤベェ!焦ってたのモロバレ?!(ドキドキ)


「な、何・・・?(汗)」

「・・てめえ・・本当にただのはぐれかよ?」

「?・・そーだけど・・・」

「・・ッケ、てめえといると妙な違和感が纏わりついて離れねえ・・」

「妙な違和感?」



違和感とは、何の事だろう??



あたしは聞き返したがバルレルは背を向けて、ゴロリとあたしの空いている方の膝に頭を乗せた。
あたしは驚いてバルレルを見下ろす。


「バ・・バルっち?」

「・・うるせえよ、黙って寝かせろ」


それだけ言うと彼もまたすぐに寝息を立て始めるが、その寝顔にあたしは悶絶していた。
自分の膝には子供らしいあどけない顔が二つ。
しかもどっちもベリーキュート。(愛)
そのまんまるとした頬がまた柔らかそうで。
あたしの先ほどの疑問はどっかに吹っ飛んで、手を震わせながら絶叫した。

(ああああああああああああ!!!!プニプニしてえ!!プニプニ触りてええええええええ!!!)

手が触りたくて触りたくて(以下エンドレス)痙攣しているが、今はそれどころじゃなかった。



あああ!!頬が!!柔らかそうな頬が!!!あたしを呼んでいる!!!!(愛)

ってか、持って帰って飾りたい!!(危険)



めちゃくちゃに突つきたいのをぐっと堪えて(今まではこれほど堪えた事はないだろう・・)、あたしは指を
震わせながら、息を呑む。
そしてハサハの頬を指で突ついた。

・・ぷにっ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


うおおおおおおおおおお!!!百点満点んんんんんんんんんんんんんんん!!!(ガッツポーズ!)


それでは次はバルレルを・・


・・・ぷにぷにっ(2回連続)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

オッケエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエイイ!!!!(親指グッ!)



あと一歩で昇天しそうなあたしは、それ以上突つくと起こしそうなのでもう一回突つく事を断念した。
てーかコレ以上はあたしが持たないよ・・・(昇天しかけ)

問題の双子のデスマッチも、そろそろクライマックスを迎えようとしていた。


「どりゃあああああああああああああああ!!!」

「はあああああああああああああああああ!!!」



ガ・・キン・・!



今までより高く、澄んだ音が耳に入り込んできたが。
・・・・悦りまくっていたあたしは、その結果を知ることはなくて。
その時は、平和な午前の時間であったのだった・・・。













『ただいまー!』

しばらく皆で昼寝して、ギブソン邸に残っている食器をハサハ(自主的)とバルレル(強制的)で洗っていた
あたしの耳にトリス達の声が滑り込んで来て、手を止めてパタパタと出迎える。
そして思わず退いてしまった。


「ど、どしたの?!その材料の量は・・・!?」


あまりの重さでヘバっているマグナを一瞥してから、すぐ横に置かれてある袋を見た。
芋芋芋と言ってもよい程に積まれた買い物袋。
後からやってきたハサハは相変わらず、バルレルは“ゲッ”と頬を引きつらせる。


「・・なんかお芋ばっかり入ってない・・?」

「アメルが好きなんですよ、ね?」

「はい、大好きなんです!お芋さん!!」



だからお芋さんをたくさん詰めますね!



・・程ほどにね(遠目)















「はーい、それじゃピクニックに行きましょうー♪」


ミモザは小さな旗を振りながら、バスガイドのごとく先頭を仕切る。
その旗には「行くぜ、野郎ども!」と筆で達筆に書かれてあって、あたしは思わず恐怖を覚えた。


「・・ね、ねぇ・・何でそんなに男(漢)らしいの・・?」

「だって知り合いが気合を入れさせるためにってくれたんだもの・・使わなくちゃダメでしょう?」

「・・あっそ・・(サモンに極道なキャラ、いたっけ・・?)」


思わず考え込んでしまうあたしの隣りにネスがやってきてポンと本で頭をはたいた。
あんまり痛くなかったけど、考えていることを中断させてられて・・あたしはむっとネスを睨んでやった。
しかしネスはケロリとしていて、呆れたようなため息を吐く。


「何を考え込んでいるんだ?まったく・・」

「・・あのねぇ・・イキナリ人を本でたたくんじゃないわよ・・(恨)・・それよりまだ不機嫌そうね」

「・・当たり前だ、先輩は何を考えているんだか・・僕にはさっぱり理解できないよ」


むすっとした表情をさせるネスに、あたしはにんまりと笑う。


「んふふー♪あたしはちゃーんと理解出来たわよー?」


今度は意外そうな表情であたしを見下ろしながら、ポンポンと頭をたたいてきて。
相変わらずな毒舌を言い始めた。


「ほう?この小さな頭が先輩の考えていることを理解できたと言うのか?」

「だーっ!小さくて悪かったわね!!それにちゃんと理解してるわよ!!!」

「ほー?この頭が??」

「だああああ!!ポンポン叩くな!!(乙女のクセに!)」

「キミだって僕をよく叩いていただろう?(苦笑)」

「うわ!その笑いすっげムカツクぞ、オイ!!!(怒)」


一方、あたし達の決闘(?)の様子を見ていたマグナとトリスはコソコソと話し合う。


「ねえねえ、何かネスって・・怒ってた割には機嫌良くない?お兄ちゃん・・(小声)」

「うん、俺もそう思うよ・・それに楽しそうだよな・・?(小声)」


・・・・・・・・・。


「・・あたし達も混ざる?」

「・・混ざろうか?」


笑顔で頷き合って蒼の派閥の双子達は駆けた。
そして二人で思いきりあたしに抱き付いてきて、その重みにあたしは思わずうめき声を漏らす。
ぐは!こ、腰が痛っ・・!(激痛)


「ま、マグナ・・?トリス・・?(いやん、両肩に華vv)」


萌えながら困惑するあたしを見ずに、トリスとマグナはネスを見上げて抗議をする。



ってかねー?

抱きしめられたままなんですけどー?襲っちゃいますよー?愛でますよー?

ってか、愛でオッケーな許可くれ!(懇願)



邪思考全開のあたしに気付かず、トリスはぷうっと頬を膨らませる。


「ネスばっかりさんとお話しするのズルイー!」

「・・なっ・・?!///」

、俺達とも話そう!」

「(妄想中)え?あ、そのちょい待ってええええええええええええええ・・・・(引きずられ)」


トリスとマグナに引きずられて、あたしはネスから遠ざかる。
唖然と見送ったネスティはフォルテに肩を叩かれて、


「まぁネスティ、俺らも話しようぜ?皆楽しんでいるからな」

「あ、ああ・・」

「それにあの分だと、マグナとバルレルの奴は確実にこっち来るぜ」

「?何故・・」


“だ?”と訪ねる前に、ネスティはその答えとも言える光景を目にした。
どういう質問をされているのかわからないが詰め寄る女性陣の輪から逃げ出す
ことに必死であるマグナとバルレルを。
それをフォルテは遠い目で、ネスティは呆然と見つめていた。


「まぁ、女には色々と謎があるってことさ」

「・・・そうか・・・(人間って・・)」


新たなる人間の意外性を発見した融機人ネスティ・バスクは。
半泣きでこっちへ戻ってくる弟弟子と妹弟子の護衛獣を見ながら人間(女性限定)の
未知なる領域に、何故か恐怖を覚えずにはいられなかったのだった・・。
















(・・どーなってるんでしょーか?)


あたしは冷や汗を流しながら女の子特有の会話の中に入っていた。
そう、どこの世界も変わらない恋愛話。


「ケイナさんとフォルテさんの出会いって・・本当に素敵ですよね・・」

「ちょ、ちょっとアメル!私とあいつはそう言う訳じゃ・・」

「でもでも、運命的だよ?ケイナ!」

「そうそう、運命的な繋がりって羨ましいわ・・私もカッコイイ誰かが現れないかなー?」

「もう!トリスとミニスまで・・///」


慌てるケイナに苦笑しながら、あたしは遠目でその光景を見つめた。
やっぱりどこの世界も恋愛話はかかせないんだなーって、どこかほっとしてるあたしがいる。
あたしと同じで、親近感を感じてしまう。

・・・全然違うのにね・・・。

思わず落ち込むあたしの元に、ケイナが顔を真っ赤にさせながらあたしの背に隠れてきた。
どうやらヘルプコールなのらしいのだが・・嫌な予感が胸の内を駆け抜ける。
ひいいい!何か・・何か寒い・・?!


!何とかしてちょうだいー!(汗)」

「は?!あ、あたしには無理!絶対無理だから!!」

ちゃん・・?・・そうねぇ、ケイナも嫌がっている事だし・・それでは、話しを変えましょう!
ズバリ!ちゃんのケガを看た人と、キスマーク相手は誰だクイーズ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?(滝汗)」


思わず頬を引きつらせるあたしに、ミモザは興味津々な目の色をして笑った。
それはトリス達も、事情を知らないミニスまで。
あたしはたまらず顔を真っ赤にしてしまった。


「絶対看た相手とキスマークの相手は違うと思うのよねぇ・・気になって気になって仕方が
なかったのよ!昨日の夜なんてなかなか眠れなかったんだから!!(拳グッ)」

(ぎゃああああああああああああ!!!またかい!!ってか、あんた充分寝てたっ
てギブが言ってたでしょ?!嘘吐きーーーーーーーーーーーー!!!!(泣))



エスパー・ミモザはノーセンキューーーーーーーーー!!!(謎)



あたしはクラクラと眩暈をする頭を抱えてケイナの背に隠れようとしたが、
トリスに抱き付かれて動けなくなる。
イタズラな色に染まる大きな瞳に思わず心惹かれてしまったのだ。


さん、逃げちゃだめだよ!」

「(あああああ!!可愛い!でも可愛い!!!(←馬鹿))ト、トリス見逃してーーーー!!(汗)」

「やーだ★」

「(ニヤリ)ナイスよ!トリス!!皆の者かかれーーーーーーーーーーーー!!!」

『おーーー!!』

「いやああああああああああああああああああああ!!!!(泣)」


またこのパターンかよ!っとツッコミながら、あたしは再びわき腹をくすぐられて地獄を
見るハメになる。



ってーか、腹筋筋肉痛になったらどうしてくれるのさ・・・(遠目)
















そんなこんなで無事に辿り付いたあたし達。


「・・ぜぇ・・ぜぇ・・つ、着いた・・・(瀕死)」

「結局口を割らなかったわねー・・やるわね、ちゃん!」

「・・後で覚えてなさいよ・・ミモザ・・(恨)」

「(無視)そしてここはフロト湿原と言って色んな植物が生息しているの、
研究には持って来いの場所で私のお気に入りなのよ」


あたしはミモザの説明を聞かずに無言でその場を離れる。
ってか、付き合ってられないわよ・・・。(遠目)
そして話しはどんどん進み、昼食を済ませ、各自で自由行動に。


(・・さてと・・あたしも動くかな・・?)


笑い過ぎて疲れたので、一人でのんびり出来る所を探す。
トリス達に遊ぼうと誘われたが、涙を呑んで辞退した。




だって・・だってエスパー・ミモザが一緒にいたのよ?!

これ以上何をされるか言われるか、わかったもんじゃないわよ!!(滝汗)



(・・それに・・足手まといは嫌だから・・)


きっと、ここにデグレア軍が来ているはず
なら、ここは戦いの舞台になるのだ・・邪魔だけはしてはいけない
デグレア軍、と言う単語であたしはふっとイオスを思い浮かべた。


(・・大丈夫よね・・・)



ゼルフィルドとルヴァイドが、きっと助けてくれるよね?

助けてくれたよね?

無事でいて・・



少し丘を上がると見晴らしの良い場所に出て来て、あたしは深く息を吐く。



大丈夫



きっと無事



絶交なんてしたくないし、まだお礼だって言っていない



謝ってもないから



ずんずん沈む自分のテンションを上げようと、何かないかと思案する。


「・・あー、そうだ・・カラオケしよう。うん、それがいい♪」



小声で歌えばバレないわよね?!



「サモナイ2・・<光の都>が一番でしょ・・歌詞がカッコイイから好きだし・・



あたしはまた大きく息を吸って、音楽を思い出しながら歌うための声を出した・・・。












NEXT






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*後書き*

第16話をお届けさせて頂きました。
バルレルが目立ちました。彼は本当に可愛い・・(愛)もちろんハサハもv
そして主人公の正体ですが・・どうやら色々あるようです。
99話あたりを続きを読んでいただけたらわかるかと。(^^)
そしてデグレア出ませんでした・・。
うはー!でもデグレアから始めたかったんですよ!!(そして管理人の気力が尽きた)←死ね

話しの構成って本当に難しい・・これが一番悩んだ気がしまする・・。(汗)


歌ネタが次に出てきますvv
やはり最初は光の都ですね・・あの曲大好きなもので・・!




2003.12.14修正